ワールドカップに思うこと | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

「夏草や 兵どもの 夢のあと」

サッカーのワールドカップも残すところ準決勝と決勝、連日のTV観戦もやっと一段落、列島を熱狂させた我がサムライ・ジャパンの健闘も、今となっては真夏の夜の夢、すでに懐かしくもある。

 

で、そのサムライ・ジャパンの西野監督の采配だが、記憶が風化しないうちに思うところを二つ。

 

一つはあの予選リーグのポーランド戦。

1,2戦でうまくいっていた布陣から先発メンバーを6人代えてきた。もちろん戦術的なことや相手チームのスカウティングの裏をかく意図もあったろうが、決勝トーナメントを意識した総力戦というのも間違いないところだろう。

そしてラスト10分のボール回し、もしセネガルが同点に追いついたら、自ら決勝トーナメントへ行ける可能性を放棄したことになり、そうなれば監督が一方的に非難されることは間違いない。

それでも一番確率が高いと思う戦術を取ったのだろう。良い悪いは別にして、指揮官として見事に覚悟の決まった人だなと思った。

 

もう一つはベルギー戦の2-0からの采配。ベルギーが逆転したというよりも、日本が逆転されてしまったという印象の試合、何度か録画を見直したが実に惜しい、そして悔しい敗戦だ。

2-0になるまでの流れは完ぺきに日本。前半を0-0でしのぎ、後半早々のカウンターで1-0、やられたと思ったアザーリのシュートがポストを叩いたその直後に乾のファインゴール。

惜しむらくは2-0になるのが早すぎた。当然ベルギーが先に動く。ミドルレンジからの得点力に難があるベルギーは長身の選手を入れペナルティエリア内での勝負を仕掛けてくる。対する日本ベンチは動かず、そのまま決定的な3点目を狙う。

自陣に押し込まれての空中戦、1点目はベルギーがなんとなく頭で折り返したボールがゴールに吸い込まれてしまう不運、立て続けの2点目は代って入ったフェライニの高さにやられた。バイタルエリアに押し込まれる時間が長ければこういう事も起こる。どこで戦術変更するか、同点にされるまで動かないというのは、どうなんだろう。

アディッショナルタイムのラストプレー、CKをGKがボールをキャッチにいったのを見てデブルイネが走り出す。日本のディフェンダーをスピードで置き去りにしてゴール前へクロス、エースストライカーのルカクがディフェンダーを引き付けてスルー、後ろから走りこんできたシャドリはノーマーク。ロスタイムでこの美しいカウンター、心憎いばかりの底力だけど、これもなー、ファーサイドとかショートコーナーとか、より安全なCKの選択肢があったように思うが、これも90分で勝ちにいったということなのだろう。

 

このワールドカップで後半2-0から逆転負けしたチームは今のところ日本だけ。それだけ今のサッカーは守備が優位なのだろう。ディフェンスに徹したら、そう簡単には点は入れられない。

ポーランド戦ではあそこまで結果に拘ったのに、ベスト16という目標を達成し、ベルギー戦はなりふり構わない勝利よりも真っ向勝負で勝ちに行ったということか。一方でベルギーの準決勝は、王者ブラジルを相手に前半2-0とリードすると、後半のブラジルの反撃を1点でしのぎ切った。したたかに勝つ戦術はやはり日ごろから切磋琢磨されている欧州に及ばない。

 

大会前は「おじさんジャパン」なんて揶揄されたけど、欧州中南米以外で唯一のベスト16。堂々たる戦いぶりは称賛に値する。でも、おじさんジャパンの付けは今回ではなく、次のワールドカップに出る。おじさんたちの4年後は想像しがたい。とにかく早急に監督を決め、若手選手の発掘を始めること。

 

なんて、読書ブログなのに、読書に関係ないことを書いてしまった。。。

でも、これで少し落ち着いて本が読めるかな。