「軽井沢シンドローム」全9巻(たがみよしひさ)バブル前夜のスタイリッシュな青春群像劇 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

「スラムダンク」「機動警察パトレイバー」同様、これも転勤した私の息子の部屋から発掘されたものですが、当時買って読んでたのは私です。

 

軽井沢シンドローム

 

ビッグコミックスピリッツに昭和の終わりごろに連載していた漫画で、一言で言えば、軽井沢に住むヌード専門のカメラマン・相沢耕平とその友人たちの青春群像劇。

親友でイラストレーターの松沼純生の姉である松沼薫の別荘に居候をしている耕平くん、いつもふざけた態度を取っているが、本当は義理と人情に溢れた男で、人望があり、「DEEP」という暴走族の総長だったのでケンカもとても強い。

羨ましいことに女にもて、薫を始め主要な女性キャラを次々とモノにしてしまう。最終的には薫と結婚、子供も生まれるのだが、薫以外にも紀子、縁、まなみと3人の愛人がおり、それが皆その事実を知りながらも友だちづきあいをしているという、まさにハーレム状態。

 

耕平たちはほぼ自分と同世代。時はバブル前夜、新幹線もアウトレットもなかった軽井沢で繰り広げられる熱くてスタイリッシュな群像劇、シーンによって同じキャラをデフォルメして頭身を描き分けたり、こだわったルビ表現、ガンダムなどオタクネタetc.etc.、当時としては斬新な表現にかなり夢中になって読んだものでした。

 

さすがに本はかなり経年劣化していたので、残念だったけど最後に通しで熟読して、資源ごみに出しました。