18年3月に読んだ本 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

3月は15冊でした。
昨年のカドフェス読破にまだ挑戦しておりまして、カドフェスの選本から6冊読みました。残りがまだ25冊。。。
 
◆聖家族のランチ (林 真理子)
崩壊しそうな家族が、何かをきっかけに絆を取り戻す話かな、題名に「ランチ」が入っているかは瀬尾まいこさんの「幸福な食卓」みたいな話かなと思って読んでたら、全然違った。
中盤過ぎに事件が、そして家族はユリ子が提案するとんでもない方法で絆を取り戻す。終盤はほとんどホラー。
 
◆吹部! (赤澤 竜也)
熱血系の吹奏部ものといえば、思い浮かぶのが「響け!ユーフォニウム」、ヒロイン女子の楽器が低音の金管楽器なのも一緒。でも「響け!」の顧問の北宇治高校・滝先生はイケメンで紳士、こちらの都立浅川高校のミタセンこと三田村は小太りで子供のような性格「響け!」よりも、こっちの方がラノベっぽくて、映像化すると面白いんじゃないかな。
思わず「アオハルかよ!」って言いたくなる、高校生って、仲間っていいなと思わせてくれる、単純明快な一冊でした。
 
学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方 (サンキュータツオ)
三浦しをんさんの「舟を編む」のTVアニメに出てきた「じしょたんず」というキャラの意味が、やっと実感としてわかりました。
自分は仕事で報告書をたくさん書くし、ブログとかで自分の文章をいろんなところにさらしているくせに、辞書はほとんど引かずに、分からない言葉もググって済ませている。そんなことじゃいかんなー。
この本を参考に、辞書を1冊買ってみようかなと思っております。買うならやはり「ベネッセくん」かなー。
 
クリムゾンの迷宮 (貴志 祐介)
かなり古い感じの作品だなと思ったら、99年、もう20年近く前の作品なんですね。この大掛かりなゲーム自体が多少無理目な感じはあるものの、RPG感覚で読めて、なかなかに面白かった。
 
新訳 メアリと魔女の花 (メアリ・ステュアート)
ハリポタのようなどっしりとした話ではなく、少女の冒険譚。映画は見なかったですけど、活劇シーンも多いし、米林監督だったらきっと面白い作品に仕上がっているのでしょうね。DVD、出てるのかな?
 
D坂の殺人事件 (江戸川 乱歩)
「D坂の殺人事件」「心理試験」「二銭銅貨」は新潮文庫の「江戸川乱歩傑作選」や他の文庫本で既読だったが、「何者」「地獄の道化師」は初読み。この二作がなかなかに読み応えのある明智小五郎シリーズの中編だった。
特に「地獄の道化師」は150頁に及ぶ中編小説で、石膏の女性裸像の中から死体が出てくるおどろおどろしいさ、そして昭和初期と思える街の情景や、今だったら自主規制されてしまう気ちがいだとか、びっこだとかいった言葉。ああ、これが乱歩なんだ。
 
第158回直木賞受賞作です。
銀河鉄道の父(門井 慶喜)
政次郎は息子をいかにしてあの宮沢賢治に育てたのか。紆余曲折に満ちた宮沢賢治の生涯を父の視点で描いた小説。
私の実家は、東京の下町で祖父の代から続く総菜屋だった。自分は会社員になり、大正15年創業の実家は父の代で廃業した。私の息子は2浪した上に就職浪人までし、私の口利きで入った会社を2年で辞め、その後入った会社もあっという間に退社。しかし、一念発起し公務員となってもうすぐ勤務地の福岡に赴任していく。「親の心、子知らず」、父・政次郎を、ある時は父に、ある時は自分になぞらえて読んだ。
 
今年の本屋大賞ノミネート本を2冊。
星の子(今村 夏子)
初読みの作家さん、「星の子」なんていうからファンタジーかななんて思ったら、こんな話か。
娘の病気をきっかけに悪徳宗教にはまる両親、親戚との離別、姉の家出、周囲からの孤立、なすすべがないというか、それを何とも思えない無力な子供、実はかなり悲惨な状況が、子供の目線で淡々と描かれている。
 
◆百貨の魔法(村山 早紀)
昨年本屋大賞にノミネートされた「桜風堂ものがたり」の銀河堂書店がテナントとして入っていた百貨店が舞台、書店員さん、こういう本がお好きなんですね。
今は大逆風にさらされている百貨店業界ですが、自分くらいの百貨店の全盛期を知っている人にとっては、ちょっとやり過ぎの感はあるもののほんわり懐かしい物語。
いい話すぎて後に何も残らないところが魔法っぽい?
 
◆マスカレード・ナイト(東野 圭吾)
マスカレードシリーズ第3弾は再び新田さん、山岸さんそろい踏み。ただし二人の仲は全く進展せず。
それにしてもコンシェルジュの対応、いくら何でもやりすぎでは?肝心のミステリーの方は、次から次への訳アリっぽい客が来て、途中で登場人物がよく分からなくなった。犯人や密告者が分かった後も、しばらく???だった。
 
◆りゅうおうのおしごと! 2、3、4(白鳥士郎)
ただの「小学生は最高だぜ!」ラノベではない。将棋にかける熱い心が伝わってくる、熱いロリコン・ハーレムラノベ。
アニメの進捗に合わせて読んでいたのですが、アニメにはなかったシーンもあり、やはり読んでよかった。
特に第3巻の桂香さん、第4巻の八一のお誕生日会にはしびれた。
実はまだアニメに追いついていない。5巻も読まなきゃ。
 
2.43 清陰高校男子バレー部 代表決定戦編 1 (壁井ユカコ)
スピンオフの「空への助走」を含め愛読しています。初読みと思ったが内容に記憶あり、単行本の「清陰高校男子バレー部Second Season」と同内容ですか。
人気漫画「ハイキュー」の福井県版みたいな小説。自分は東京都の公立校でバレーをやっていて(東京のチーム数は200以上、福井の10倍あります)、ベスト8どまりだったけど、ひとつ下に中学日本一の灰島みたいなセッターがいて、彼らと同じように青春してましたので、共感が半端ない。
 
◆酒好き医師が教える 最高の飲み方  太らない、翌日に残らない、病気にならない(葉石 かおり)
祖父が大酒飲みで102歳まで生きたものだから、酒は体に良いと勝手に思い込んでいた。実際、γGTPとか血液の値はパーフェクト、肥満とも無縁で煙草も吸わないので健康には自信を持っていた。本の要旨は「適量を守って飲めば酒は問題ない」ということなのだが、その適量がとんでもなく少ない。私の1回の飲酒量は日本酒換算5合以上、全然駄目みたい。
飲酒が大腸がんのリスクを増大させるってもの嫌だなー。大腸の内視鏡、次回のドックからやろう。酒量も減らそう、って、昨日も昼間っからめちゃ飲んだんですけど。。。