友達のいない少女、リストカットを繰り返す女子高生、アバズレと罵られる女、一人静かに余生を送る老婆。
彼女たちの“幸せ"は、どこにあるのか。「やり直したい」ことがある、“今"がうまくいかない全ての人たちに送る物語。
(Amazonの本紹介ページより)
不器用で正義感が強いためクラスで孤立してしまう小学3年生の女の子、小柳奈ノ花が、リストカットを繰り返す女子高生の南さん、売春婦のアバズレさん、そして一人ぼっちの老婆と友達になる。それは未来の自分、彼女らから気づきをもらった奈ノ花は、両親と、クラスメートと、そしてちょっと気になる男の子・桐生くんとの関係を修復していく。
タイムリープ系のファンタジー・ビルドゥングズロマン、と思わせておいて、えっ、夢落ちですか。
あれれ、それじゃ彼女は子供の頃からずっと同じ夢を、未来予知のように見て、転ばぬ先の杖で危機を回避してきたってこと?それとも、夢じゃなくって自分で回避したことを大人になって夢で見るのかな。
まあ、でもそんなこと、どっちでもよい。大切なことは、序盤から再三語られる「幸せとは何」の問いなのでしょう。自分が正しいばかりでは、うまくいかない。自分が相手のことを想い、そして自分のことを想ってくれる人がいることに気が付ければ、人生を変えていける、そういう話と思って読んだ。