アンチ「直木賞」 | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

ふと、直木賞受賞作品はもちろん面白いのだけど、直木賞候補になりながら選考委員に酷評された作品が、なかなか自分好みで面白いということに気が付いてしまった。

 

直木賞の選考は、委員の中でも結構意見が割れることが多く、満場一致で選ばれた作品は、最近だと東山彰良さんの「流」くらい。

逆にほぼ満場一致で低評価だった作品は毎回1,2作あります。ちなみに、ここ5年間の、一番選考会で評価が低かった作品を調べてみると、

 

154回 「孤狼の血」(柚月裕子)

153回 「ナイルパーチの女子会」(柚月麻子)(未読)

152回 「悟浄出立」(万城目学)(未読)

151回 「本屋さんのダイアナ」(柚月麻子)

150回 「とっぴんぱらりの風太郎」(万城目学)(未読)

149回 「ジヴェルニーの食卓」(原田マハ)

148回 「空飛ぶ広報室」(有川浩)

147回 「盤上の夜」(宮内悠介)(未読)

146回 「コラプティオ」(真山仁)(未読)

145回 「オーダーメイド殺人クラブ」(辻村深月)

 

ちなみに、ここ最近の選考委員は、浅田次郎さん、伊集院静さん、北方謙三さん、桐野夏生さん、高村薫さん、林真理子さん、東野圭吾さん、宮城谷正光さん、宮部みゆきさん。

 

「孤独の血」はこてこての任侠もの、やくざよりやくざっぽい刑事が主人公の娯楽大作。

「本屋さんのダイアナ」はタイプの全く違う幼馴染の女子の友情物語。

「ジヴェルニーの食卓」はマティスやモネ、印象派の巨匠たちの晩年を描いた短編4編。

「空飛ぶ広報室」は自衛隊を題材にした恋愛要素含みのお仕事小説。

「オーダーメイド殺人クラブ」は中二病とスクールカーストをテーマにしたジュブナイル小説。

10冊中半分の5冊しか読んでないので決めつけはできないけど、読んだ5冊は自分的にはすべて当たりでした。

 

この中で、結局直木賞を受賞できたのは辻村深月さんだけ。

柚月麻子さん、万城目学さんは一度ならず二度までも酷評されてお気の毒、特に万城目さんは、この前にも「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」「プリンセス・トヨトミ」「鹿男あをによし」が低評価で、万城目さんの作風ってぶれていないから、きっと「いっそ候補に選ばないでよ」と思ってらっしゃるのではないでしょうか。

横山秀夫さん、伊坂幸太郎さんは、候補になること自体を辞退されているそうで、なにかあったのでしょうね、これも権威ある賞であるがゆえのことかと。

 

自分は、とにかく自分好みの面白い小説に出会いたいだけなので、、、こうなれば残りの未読5冊も読んでみようかな。