「掟上今日子の備忘録」(西尾維新) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

掟上今日子の備忘録


(あらすじ・内容)
掟上今日子(おきてがみきょうこ)――またの名を、忘却探偵。
すべてを一日で忘れてしまう彼女は、事件を(ほぼ)即日解決!
あらゆる事件に巻き込まれ、常に犯人として疑われてしまう不遇の青年・ 隠館厄介(かくしだてやくすけ)は今日も叫ぶ。
「探偵を呼ばせてください――!!」
スピーディーな展開と、忘却の儚さ。
果たして今日子さんは、事件の概要を忘れてしまう前に解決することができるのか?   

(感想)
西尾維新さんの物語シリーズのとりあえずの最終巻「続・終物語」の巻末で、続編として紹介されていたのがこの本。
登場人物は被らない、怪異もでてこない、「これのどこが続編なんじゃい」と、物語シリーズのファンなら誰しも思うところです。
最初は「読んでやらない」と思ったのですが、新垣結衣さんのドラマを見て、やはり読もうかと思った次第です。
寝たら記憶がなくなってしまうゆえに、即日解決、秘密厳守の今日子さん、探偵としての推理力は卓越したものがあるのですが、とにかく私生活が謎に包まれています。
被害者体質でいつもぬれぎぬを着せられる隠館厄介(かくしだて・やくすけ)くんが、ひょんなことから今日子さんのワトソン役をやることになり、今日子さんの事務所に泊まり込み、そして忘却探偵・今日子さんの謎の一端に触れることになります。

さて、この「掟上今日子の備忘録」、今日子さんの正体、個人的な謎の解明はほとんど進まないまま、それでも1冊できれいに完結したなと思ったのですが、、、、
その後、「掟上今日子の推薦文」「掟上今日子の挑戦状」「掟上今日子の退職届」と続編が出てきています。
今日子さんの個人的な謎は一向に解決されないまま、失礼ながら話の質もだんだん薄くなってきているような、、、このシリーズも、物語シリーズ同様に、どこまでも続いていくのでしょうか。

余談ですが、掟上今日子さんの正体は、物語シリーズのバサ姉、完全無欠の委員長、羽川翼その人なのではないかという説があります。
眼鏡だし、猫物語(白)で半分白髪になったし、ルックスは近いものがある。掟上今日子は本名ではないみたいだし、そして以前外国にいたらしいところも符合します。

羽川翼


さてさて、次作は「掟上今日子の婚姻届」だそうで、、、