(内容・あらすじ)
私の家は「パーマネント野ばら」。
山あいのハウス農家のおばあちゃん達のパンチパーマを一手に引きうけます。
「どんな恋でも、ないよりましやんか」
娘を連れてふるさとの村に出戻ったなおこ。その母が営む、村にひとつのパーマ屋さんは、女のザンゲ室。そこでは女たちが、恋にまつわる小さな嘘を日々告白している。
男に裏切られても、泣いて笑ってたくましく。おとなの女の恋心を描く感動の物語。
(感想)
西原理恵子さん関係で自分が読んだのは、自伝的エッセイの」この世で一番大事な金の話」、それと、小泉今日子さん主演の「毎日かあさん」を劇場で見ました。
率直に言って、なんとも、まあ、すさまじい半生を生きてこられた方だなと。
そんな彼女の描いた、田舎の村のパーマ屋さんで繰り広げられる、これまた何ともすさまじくも、哀しい、それでいてユーモアとペーソスにあふれた、不思議なお話。
子供のころからの生まれ育った環境が、その性格形成に大きな影響を与え、子供は親の人生を繰り返す。
思わず、自分の生育環境、親に感謝をしたくなりました。
薄幸といってしまえばそれまでだけど、逆境、日々起こる出来事に泣き笑いしながら、それでもたくましく生きる、下品で、嘘つきで、凶暴な女性たちに、あきれながらも感動してしまうのは、哀しくも激しい彼女たちの愛ゆえ。
小泉今日子さんの書評に、「これほどの情熱をもって人を愛したことがあっただろうか。格好ばかり気にして恋をしてきたのではないか」とあった。「港町の女達にアツイ恋心を学んでラストスパートしたい気分になった」とも。
そうそう、そんな感じの本です。小泉さん、うまいなー。
でも、ストレートな下ネタが多いので、それを受け入れられる人でないと、毒が強すぎて、ちょっとこの作品はきついかな。