「歴史が面白くなるディープな戦後史」(相澤理) | 「晴走雨読」 廣丸豪の読書日記

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廣丸豪(ひろまる・ごう)と言います。日々の読書生活や、気に入った本の感想などを気ままに綴ります。

戦後史

 


(内容)
30万部突破の人気シリーズの「戦後史版」
 一橋大の問題は、東大よりも面白い! 
産業界のリーダーを育成し続ける、最難関国立大学の一橋大学。 その実学を重んじる一橋大学の入試問題は、現代を生きる私たちに必要な戦後の歴史について、「ディープ」な問いを発し続けています。  戦後史を出題しない東大。しかし、一橋大学は、憲法改正の問題も、沖縄の基地問題も、日米安保も入学試験を通して、受験生に問い続けているのです。
本書は、この一橋大学の日本史入試問題から、戦後の歴史を詳しく学ぼうというものです。
「使える歴史」にこだわる一橋大学の入試問題を通して、戦後の日本の歩みを具体的に学んでみてはいかがでしょうか?
 本書を読み終えたとき、「今」私たちが生きているこの国が、なぜこうなったのかを具体的に理解することができます!

(感想)
著者の「歴史が面白くなる東大のディープな日本史」全3冊を読んだ勢いで手に取った本。
ヤルタ会談での米ソ密約とソ連の太平洋戦争参戦、それに続く日本の東西分割の危機。
日本の徹底的な武装解除のために押し付けられた日本国憲法草案。
そして、冷戦、朝鮮戦争など極東の政治情勢の変化と、それに対応した米国の逆コース変化。
敗戦という未曽有の国家的危機から立ち直った戦後、日本の政治家たちは、実にしたたかに、しっかりと導いてくれたのだなと感心した。大平首相が「評価は歴史にゆだねる」みたいな発言をしていたとおもうけど、本当にその通り。

これを読むと、バブル崩壊からこっちの失われた20年は残念だなと思ってしまう。小泉さんの時は少し良かったけど、それ以外は、グローバル化した世界の中で、確実に、相対的に存在感が低下しているよね、日本って。
まあ、それも、評価するのは歴史ってことになるのでしょうか。

実は、一橋大は我が母校でして、社会は日本史と世界史で受験しました。近代史対策に岩波新書の「昭和史」を熟読したのと、日本史なのに現国っぽい問題だなと思った記憶がありますが、なにせ遠い昔のことなので細部は覚えていません。
今改めてこの本を読むと、どれも深い難問ばかりで、「なかなかすごかったんだな、高3のころの自分」と思ってしまいます。今の自分の歴史好きは、この一橋大の受験勉強の賜物かもしれません。