2023年製作/154分/アメリカ 監督:ジェームズ・マンゴールド、製作総指揮:スティーブン・スピルバーグ, ジョージ・ルーカス、音楽:ジョン・ウィリアムズ、出演:ハリソン・フォード、フィービー・ウォーラー=ブリッジ、アントニオ・バンデラス、ジョン・リス=デイヴィス、マッツ・ミケルセン 配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン、劇場公開日:2023年6月30日
1981年公開の「インディ・ジョーンズ」シリーズ第5作。
15年ぶりの新作は「運命のダイヤル」をめぐる大冒険。世界中をそして時空を超えてインディ最後の冒険が始まる。
時は第二次世界大戦末期。考古学者インディ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)は、オックスフォード大学のバジル教授とともにナチス・ドイツが略奪してきた秘宝を博物館に戻そうとしていた。
そこでインディが出合ったのが不思議なダイヤル「アンティキティラ」。手にしたものは人類の運命を変える力を与えられるという。ナチスの科学者フォラー(マッツ・ミケルセン)との凄絶な奪い合いの末、ダイヤルはインディの手に渡った。
時は流れ1969年の夏、アポロ11号の飛行士たちの帰還を祝うパレードの最中、老境に入ったインディの前にバジルの娘ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)が現れた。彼女は亡き父が研究をしていたダイヤルの行方を探しているという。ところがヘレナを追ってフ
N.Y.からモロッコ、そしてシチリアへ。冒険の旅は、陸から海へ、そして空を超えて…。
やがて不思議なダイヤル「アンティキティラ」の驚くべき正体と製造した人物が明かに。
冒頭、ナチスに捕らえられた男のマスクが暗がりのなかではずされた瞬間、若き日のインディが現れる。その瞬間、夢中になって何度も観た過去作品の名場面がよみがえってきた。
その後、老境に入った頑固爺のインディが現れると、演じるハリソン・フォードの顔に刻まれたしわに人生の重みと深みが感じられ「渋い!あぁ、この人は実生活でもきっと良い歳の重ね方をしているんだろうなぁ」とつくづく思った。何より、年齢を感じさせないアクションにハリウッドスターの底力をみた。
過去4作で監督を務めたスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが今回は製作総指揮に。アクションやストーリ―展開は、確実にバージョン・アップし、目と脳が映像に追いついていくのがやっとだった。
ネタバレになるので書けないのが残念だけれど、後半に登場する古代遺跡に記された絵の意味が実はとても深い。一般的に古代の巨石文明の創造の謎には諸説多々あり、考古学の観点のみならず超常現象や宇宙を巻き込んで論争が展開されているが、私はこの作品で示唆された考えに納得させられた。
映像と物語を追うだけでもとっても面白い映画なんだけれど、こんな風に深読みするとさらに楽しくなる。