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2020年製作/106分/G/アメリカ 脚本・監督:ジェラルド・ブッシュ、クリストファー・レンツ 出演:ジャネール・モネイ、エリック・ラング、ジェナ・マローン、ジャック・ヒューストン、カーシー・クレモンズ、ガボレイ・シディベ 原題:Antebellum 配給:キノフィルムズ 劇場公開日:2021年11月5日
舞台はアメリカ南部、時代は南北戦争の頃なのだろうか。
プランテーションで綿花摘みの労働をさせられている黒人奴隷たち。白人の許可を得ずに話すこともできず、脱走しようものなら拷問の上、殺されてしまう。目をそむけたくなるような残虐なシーンが延々と続く。
どこからか連れてこられたエデン(ジャネール・モネイ)も昼間は重労働を強いられているが、夜は白人男性の慰み者となり屈辱的な日々を送っている。しかし、彼女は希望を失わず、脱走の機会を狙っていた。
突然、夢からさめたように現代のアメリカに舞台は移る。
博士号を持つ社会学者のヴェロニカ(ジャネール・モネイの1人2役)は、夫や娘と幸せな日々を過ごしていた。
ベストセラー作家でもあるヴェロニカは、ある日、講演のために出張したニューオリンズで何者かに襲われ拉致されてしまう。
エデンとヴェロニカ。生きる時代も境遇も全く異なるような二人は、どうつながっているのか。
ラスト20分で全ての疑問が解け、爽快な気分になりかけるのだが、一転、現代アメリカの抱える黒人差別の闇を思い知り、ぞっとする。
「見えないだけで、私たちは存在している」という言葉のもつ深い意味とは…
予測不能なサスペンス・スリラー。冒頭のカメラワークが面白い。