(C)2020 EROS INTERNATIONAL, PLC. ALL RIGHTS RESERVED.
2021年製作/129分/G/イギリス 監督:ケヴィン・マクドナルド 出演:ジョディ・フォスター ベネディクト・カンバーバッチ タハール・ラヒム シャイリーン・ウッドリーほか。 原題:The Mauritanian 配給:キノフィルムズ 劇場公開日 2021年10月29日
ある晩、友人の結婚披露パーティーに出席していたモーリタニア人の青年モハメドゥ(タハール・ラヒム)は、アメリカ同時多発テロに関与した疑いで逮捕される。故郷から遠く離れたキューバのグアンタナモ米軍基地に移送された彼は、裁判も受けられないまま投獄され続けていた。
そんな彼を救おうと、調査に乗り出したのが弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)だった。再三の開示請求でようやく政府から届いた機密文書のほとんどは黒く塗りつぶされていた。
頼りになるのはモハメドゥの証言と手紙だけ。ナンシーは「不当な拘禁」だとアメリカ合衆国を訴える。しかし、その頃、政府は米軍に「モハメドゥを死刑判決に処するように」と命令を下す。起訴を担当したのは友人をテロで失ったスチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)だった。
それでも無罪を主張するモハメドゥを待っていたのは米軍による信じられないほどむごい拷問だった。
緊迫の法廷。果たしてモハメドゥへの判決は…。
果てしないテロとの戦い、正義の鉄槌を下そうと焦るアメリカ政府。対峙する一見クールだが、内面に深い情を抱いた弁護士ナンシーを演じたジョディ・フォスターの演技は圧巻。
テロから20年を迎えた今年、再びクローズアップされたグアンタナモ収容所。民主主義国家であり、人権問題を重視するアメリカの施設でありながら、そこでは人権が無視され、拷問が行われていた、という驚愕の真実。そして、これが現代のものかとあきれるような黒塗りの公文書。都合の悪い事実を隠す公文書というのは、どこの国にでも存在するのだろうか。
原作はモハメドゥ・ウルド・スラヒが、グアンタナモ収容所に収監中の2015年にした出版した「グアンタナモ収容所 地獄からの手記」。
エンドロールには本人が政府の検閲で黒く塗りつぶされた著書と共に登場する。