「彼女がその名を知らない鳥たち」怠惰で危うい女と、ゲスな男たちを当代の名優たちが熱演 | 『Pickup Cinema』

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(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会

 

2017年/123分/R15+ 配給:クロックワークス 監督:白石和彌 出演:蒼井優 阿部サダヲ 松坂桃李 竹野内豊ほか

 

働きもせず怠惰な毎日を過ごす十和子(蒼井優)は、15歳年上の陣治(阿部サダヲ)と暮しているが、金も地位もなく不潔で下品な陣治に強い嫌悪感を抱いている。

陣治からもらうわずかな小遣いで出歩いては店にクレームをつける十和子は、8年前に別れた野心家の黒崎(竹野内豊)を忘れられずにいた。

ある日、デパートに時計のクレームをつけた十和子は、黒崎を彷彿とさせる風貌の水島(松坂桃李)と知り合う。イケメンに弱い十和子はすぐ妻子持ちの水島と関係をもつが、彼がささやく甘い言葉はすべて嘘だった。

そんなある日、家に来た刑事に5年前から黒崎が行方不明だと聞かされ、混乱する。

「十和子のためなら何でもできる」と言い、日に何度も電話をかけてくる陣治が自分を尾行していたことに気づいた十和子は、黒崎の失踪に陣治が関わっているのではないかと疑う。

そして今度は水島に危険が迫っているのではないか、と怯える。

 

冒頭から蒼井優の演技に引き込まれ、阿部サダヲ演じる陣治の献身的な愛に鬱陶しさと切なさを感じながら、展開の面白さに見入ってしまう。

ラスト15分「究極の愛とは何か」や「二人の過去」「タイトルに秘められた意味の謎」が一気に解けていく。

ロケ地は関西。十和子が日常生活を送る大阪ミナミの街。デートで出かける神戸など。

ラストシーンは神戸の市街地を見渡せる灘区の丸山公園。

徐々に明けていく空と解明されていく謎がリンクしているように感じた。