「バハールの涙」ISの性的奴隷となりながらも息子を救うため戦闘員となったクルド人女性を描く | 『Pickup Cinema』

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(C)2018 - Maneki Films - Wild Bunch - Arches Films - Gapbusters - 20 Steps Productions - RTBF (Television belge)

2018年/111分/G/フランス・ベルギー・ジョージア・スイス合作

 

クルド人女性のバハールは、パリの大学への留学経験もある美しく聡明な女性弁護士。

家族と幸せに暮らしていたが、イラク北部のクルド人自治区に帰省中、突然ISに襲われ、その場で夫を射殺される。

幼い息子は戦闘員養成所へ送られ、自らは性的奴隷として1~2週間おきに売買を繰り返されるという悲惨な境遇に陥る。性奴隷市場で人気があるのは10歳前後の少女たちで、一日に何度も凌辱されるという凄絶で悲しみに満ちた日々を送っていた。

ある日、バハールは仲間と少女たちを連れ、決死の覚悟でISの陣地を脱出する。

そして「被害者でいるより闘いを選ぶ」という仲間の言葉に心を動かされ、息子を救い出すために女性戦闘員となり「太陽の女たち」のリーダーとなる。

映画ではフランス人女性ジャーナリストの目を通して、最前線でISと闘う彼女たちの姿を描いているが、脱出や戦闘のシーンはドキュメンタリーかと思うほどリアリティに満ちており、固唾を呑んで見入ってしまう。

女性監督エバ・ユッソンが、クルド人女性戦闘員に直接取材をし、バハール像を作り上げた。

今、こうしている時にも紛争地帯で犠牲となっている女性や子どもたちがいること、そして彼女たちを救うために闘っている人々がいることを私たちは忘れてはならないと思う。

 

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#女性戦闘員「太陽の女たち」