…なんて様子をたまに見かける。
ある日、まぁまぁ混んでいる地下鉄に乗り込み、
左端奥の3人席用の真ん中のつり革が空いていたので、その空間へおさまった。
前に座ってた60代くらいの黒っぽいスーツを着たおじさんが、ゴルゴ13を読んでいた。
(やっぱり、このくらいの世代の人に人気なんだぁ)
…と、ふと、同じ表紙のゴルゴ13が、左側の視界に入ってきた。
チラッと左を見ると、私の左隣に立っている60代くらいのおじさんも、前に座っているおじさんの様にスーツを着てゴルゴ13を読んでいる。
「…お友達…?(=゚ω゚)」
発売日なのかな?今日…
ゴルゴ13を読む人(着席)は、凄まじい集中力を感じるオーラを放ち、むしろ、あなたがゴルゴ…と思いたくなるくらい真剣な表情で、ゴルゴ13を読んでいる。
そんなに目利きではないけれど、小娘にも何となく高そうなスーツで、髪もちょっと整髪剤使ってそうな、ちょっとした肩書きの方とか、会社経営とかしてそうな雰囲気。
左隣のゴルゴ13を読む人(立席)は、そんなに観察出来なかったけれど、さりげなく見た靴の感じからも同じ様な雰囲気。
…もしかして、ロングセラーの作品だし、ファンコミュニティなどもありそうだから、発売日には、ゴルゴ13に敬意を表し、スーツでキメて、どこかのホテルの会場で、皆でゴルゴ13を読む会などがあり、その帰り道…?
そんな妄想をしながら、私とゴルゴ13を読んでいる2名以外の他の人達は、この状況を、どう感じているのだろうと気になった。
壁側に座る人:大学生くらい、イヤフォン、熟睡。
扉側着席:中年女性、読書
私の右隣:吊革を持つ手に額を当て、目を瞑っている(中吊り広告を見るふりをしつつ確認)
目を開いている中年女性は、本を読んでいてこの状況が気になっていない様子。
乗ってきた時は反応したけど、慣れちゃったのかな。
私は、気になる。気になってしょうがない。
この二人の関係性を。
車両内端の3人席辺りに、二人してスーツ、二人してゴルゴ。
知り合いとしか思えないんだけど…
でも、もし、知り合いだったら、私の左隣のゴルゴ13を読む人(立席)は、このゴルゴ13を読む人(着席)の前にいて、乗り込んできた私は、今、ゴルゴ13を読む人(立席)の場所に立っていてもいい様な。
端が落ち着くから、移動しただけ?
次の駅に着いても、"二人してゴルゴ"含む車両内端の3人席は変化なし。
私が降りる駅は3つ目。
それまでに、何か二人が知り合いかどうかわかるような変化があってくれ!
この二人が知り合いなのかどうか、ちゃんと確認してから降りたい!
上辺は平然としていたが、心の中は祈るような気持ち。
例えば、その凄まじい集中力を解いて、感想をちょっと二人で言い合うとか。
着席「いやー、こういう展開になるとは」
立席「さすがゴルゴ13。期待を裏切りませんね」
または、私が降りる駅までに、この二人が一緒に降りてくれたり、どちらかが降りて、挨拶を交わすとか。
何か、何か二人の関係性がわかるような動きが欲しい!!!
あなた達はお知り合いなのですか⁉︎(><)
でも、次の駅に着いても、その次の駅に着いても、その中の誰一人として変化はなく、二人の集中力も変わらず。
結局、降りる駅に着いてしまった。
小娘にも、行かなきゃならない場所や時間があるので、その二人が知り合いなのかどうかわかるまで、あの空間にいるわけには行かなかった。
ホームを降り、過ぎ去って行く地下鉄の中の、私が今までいたあの空間を見えなくなるまで見送っていいたが、乗り込んできた時と同じ状況で、ずっとゴルゴ13を読み続けていた。
台詞の部分は、今盛ったけれど、二人の動きを期待しながら乗っていたあの数駅。
それから、随分と地下鉄に乗っているけれど、ゴルゴ13を読み耽っている複数のスーツ姿の人に会った事はない。
久しぶりに長文書いた後遺症で、脳内が長文モードに。
その上…
今現在、喉が痛くて、声が出にくくなっているせいか、内側にある記憶とか感情を活字で表現したい欲求にかられている。゚(゚^ω^゚)゚。