この数ヶ月に、
遺棄した人間の名前も住所も
全部分かっているのに
警察に通報できない案件が
私の周りで2件発生した。




分かっているのに通報できないジレンマ。




その理由は、
2件共に、通報したら、誰が遺棄を教えたか、
つまり、チクったかが、すぐに分かってしまい、
それを教えてくれた相談者に必ずや何らかの影響が出るからである。






【ケース①】

例えば、昨年9月の子猫9匹と妊婦猫を
保護した時の飼い主婆さん。


婆さんはアパートの1階で多頭飼育。
それを見つけた相談者は、
同じアパートの2階に住む女性。



婆さんはそのつい数日前に別の妊婦猫を
離れた所に捨ててきた、と悪びれなく言った。


それを聞いた相談者から私に連絡が入り、
まだこれから捨てに行くと言っている、
との事で、すぐに猫たちをを連れ出した。





相談者に、婆さんが遺棄した話を
録音するように依頼し、
実際に婆さんかヘラヘラ話したことを録音した。
確実な証拠となった。



しかし、もし警察に私が通報したとしても、
婆さんには誰が私に教えたか、一目瞭然である。
猫を連れ出してくれた2階の住民しかいない。


同じアパートの1階と2階に住む人たち。
婆さんが2階に怒鳴り込む事が
容易に想像できる。


相談者に迷惑はかけられない。


相談者は丸投げする事なく、率先して
保護に協力してくれた。


住民の付き合い、同じアパート、
私は通報を諦めた。



ただ、相談者さんには、
婆さんに、遺棄は100万の罰金なんだよー、
と明るく脅しを込めて伝えてもらった。












【ケース②】


一昨日、昨日の話である。

孤独死した女性がおり、警察経由で
ほほ縁切れしている息子に連絡が入り、
その息子が亡き母親のアパートの部屋に
入ったところ、猫がいた。


推定死亡日は1カ月前にである。 
猫たちはいかにして飢えをしのいでいたのか。


そこで、その息子は、猫たちを、外に捨てた。
困ったな、ではない。
感情一つなく、平然と外に遺棄した。







たまたまその事を耳に入れた方が
猫ボラをやっている友人にその話をした。

その相談者と猫ボラさん、
そして現地で捜索してくれた協力ボラさんたちのお陰で、翌日には猫たちを捕獲、保護できた。
この件はこちらのブログに詳しく記載されています。



うるにゃんさんのブログ


こちらを開くと相談された日の事
翌日の記事を見ると奇跡的に保護された事
が書かれています。





さて、この案件もである、



遺棄した息子は何も教えてくれない。
猫の事など知ったこっちゃない。
ただ、息子のそばにほんの少しだけど
情報を流してくれた人がいた。
あくまでもその息子には内緒で、との約束で。


ここで息子を通報したとしたら、
情報を出したその人しかいない事が
容易に分かってしまうのだ。


そうなったら、どうなる?


情報提供者と相談者への影響、被害を考えると、
とてもでないが、通報など出来ない。





遺棄した人間が分かってるのに、
通報できなくて非常に悔しい。


情報を流した人、通報した人は、
遺棄した人間の反撃を恐れるだろう。


せっかくある法律も活かせない。






環境省  警察庁のポスター






動物の殺傷では、200万円以下の罰金

動物の虐待では、100万円以下の罰金
☆ゴハンや水を与えない等も含まれます

動物の遺棄は、100万円以下の罰金

全国共通です。





せめてこの罰金刑の事を
捨てそうな人に知らせて行くしか
今はそれしかできない。


皆さんにも、この罰金刑の事を周りに
知らしめて欲しい。

知らない人がほとんどだから。

ちゃんと動物愛護法で決まっています。




最初の3枚のポスターは、
ドットテールさんのHPからダウンロード
させていただきました。





最近は、元飼い猫と見られる野良猫が
頻繁に見られます。
皆、捨てられた猫達でしょう。



そんな猫達を保護してくださっている
優しい方々もいらっしゃいます。

捨てる人と、助ける人。


捨てる人へ、
どうか天罰が下りますように!


せめて捨てる前に誰かに相談してください。
里親探しのお手伝いをしてくれるかもしれません。


生きてるんですよ、その子!
室内で育った子に外暮らしなんて無理です。
なぜ家族の一員を死ぬと分かって捨てるのですか?
人間の子供ならどうですか?


どうせ捨てる人には 普通の会話は成り立たない。
でも、教えましょう、
100万円の罰金だよ!  と。


かといって遺棄が虐待に変わってはならない。
そっちの方が恐ろしい。


何も結論を導き出せないまま終わります。