(3)暗闇が怖い子ども・それは治るの?
暗闇が怖い子ども。それは治るの? 親が知っておきたい「怖れ」の成長
「ママ、暗いのが怖い」その言葉に、どう答えていますか
小学生高学年で怖がっていても、高校生ではほとんどいない
発達の個人差をどう見るか
ここで、多くの親御さんが抱える不安に、はっきりとお答えしておきたいと思います。
「中学生になるまでに、暗闇の恐怖が和らがない子どもも、多くいます。」
これは、決して珍しいことではありません。小学校高学年になっても、暗闇を怖がる子はたくさんいます。そして、それは心配する必要のないことです。
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なぜなら、小学生高学年で暗闇を怖がっていても、高校生で同じような怖がり方をする子どもは、ほとんどいないからです。中学生、高校生と成長するにつれて、脳の前頭前皮質が発達し、怖れを客観視する力が育ちます。また、思春期を迎え、友人関係や将来の夢、趣味など、関心が大きく外に向かいます。その結果、暗闇への怖れは、自然と小さくなっていくのです。
発達のペースは、一人ひとり違う
精神的な発達が多少異なる時期に起こっても、それは発達障害ではありません。
子どもの発達には、大きな個人差があります。歩き始める時期、話し始める時期、字を書けるようになる時期、どれも一人ひとり違います。それと同じように、怖れが和らぐ時期にも、大きな個人差があるのです。
小学校高学年で暗闇を怖がっていても、それが「遅れている」わけではありません。その子なりのペースで、心と脳が育っている最中なのです。周りの子が平気そうに見えても、比べる必要はまったくありません。反対に「わが子は想像力が豊なのかも」と違う才能を発見してあげることは重要です。
「うちの子は、まだ暗闇が怖い。でも、いつか自然と治るんだな」そう思って、ゆったりと構えていてください。その安心感が、子どもにとって何よりの支えになります。
「治る」とは、どういうことか
ホラー映画の実例から
ここで、少し視点を変えてみましょう。「怖れが治る」とは、具体的にどういう状態になるのかを、ホラー映画を例に考えてみます。
怖くて見られなかった子ども時代
ある人は、子どもの頃、ホラー映画がまったく見られませんでした。テレビでホラーの予告編が流れるだけで、チャンネルを変えていた。友達が「面白いよ」と言っても、絶対に拒否していた。暗闇とホラーは、その人にとって最も避けたいものでした。
これは、決して珍しいことではありません。子どもの脳は、ホラー映画のような強い刺激を、現実の脅威として処理してしまうことがあります。映像で見たものが、夜、暗闇の中に蘇ってくる。だから、子どもがホラーを避けるのは、自己防衛としてとても理にかなった行動なのです。
ふとしたきっかけでの変化
その人が、大人になってから、ふとしたきっかけでホラー映画を最後まで見る機会がありました。きっかけは、友人に誘われたからかもしれないし、話題になっている作品を話題づくりで見たからかもしれない。とにかく、「逃げずに最後まで見る」 という経験をしたのです。
すると、どうなったか。映画が終わっても、現実には何も起こらなかった。 暗闇の中に怪物が出てくることもなければ、幽霊に追いかけられることもない。映画の世界と現実の世界は、はっきりと区別されている。そのことが、頭ではなく、体で理解できたのです。
今では笑って楽しめる
そして今、その人はホラー映画を笑いながら楽しめるようになりました。もちろん、突然大きな音が鳴ったり、画面に何かが飛び出してきたりする「ジャンプ・スケア」 には、今でも驚きます。心臓がドキッとする。でも、それは「驚き」であって「怖れ」ではありません。驚いた直後に、「ああ、びっくりした」と笑える。怖れが、驚きと笑いに変わっているのです。
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これは、非常に重要なポイントです。「治る」とは、怖れをまったく感じなくなることではありません。 ホラー映画の定番パターンに驚くことはあっても、それが現実の脅威ではないとわかり、笑って楽しめる。これが、怖れが治った状態です。
つまり、怖れそのものが消えるのではなく、怖れとの関係が変わるのです。暗闇が怖い子どもも、同じです。暗闇を「怖くない」と感じるようになるのではなく、「暗くても大丈夫」とわかるようになる。それが、成長による変化です。
親ができること
怖れを否定せず、安心を積み重ねる
では、親はどう関わればよいのでしょうか。大切なのは、怖れを否定しないことと、安心を少しずつ積み重ねることです。
やってはいけないこと
まず、避けたい関わり方からお伝えします。
次回に続きます。
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