海外旅行は、単に楽しむために行くのではありません。

 

不登校になった子どもとその親。

 

子どもへ何か変化のきっかけをあげたいと考えるとき、海外旅行を利用することができます。

 

国内旅行にはない、文化的な刺激や、緊張感が大きな変化をもたらすことがあります。単なる旅行ですが、親ができる対処としては1つの有効な方法になります。

 

すぐに実行できるアイデアであり、不登校になった子どもでも親と一緒に海外旅行へ行くことを嫌と言わないことが多く、比較的容易に行動を起こせることから、効果も実感できることが多いです。

 

行き先選びは重要ですが、基本的なアイデアとしては簡単です。できるだけ日本とは環境が大きくことなる国を選ぶことです。文化的にも、言語的にも異なる国が効果的です。

 

 

そのような国での体験は、子どもの視野を広げ、異なる社会や文化、その中で生活をする同年代の子どもを知り、多少でも学校に行きたくないという自分の気持ちを理解し、見直す機会となるでしょう。

 

しかし、いくつかの点に注意が必要です。

 

シンガポールや台湾。ハワイへは行きません。親としては面倒な場所が効果的です。

英語圏ではなく、非英語圏がお勧めです。

 

アジア各国では、台湾、香港、韓国、シンガポールを除いた国がお勧めですが、無理やり危険な国に行くということではありません。

 

タイは、バンコクやビーチリゾートでなければお勧めです。
治安が安定しているラオスは、物価も安くお勧めです。

また、カンボジアは観光地としてもお勧めなので、親が楽しみながら子どものために行動ができる国でもあります。

 

できれば、旅行会社のパッケージツアーではなく、往復航空券を購入し、現地のホテルは3☆程度を目安に予約します。

 

 

その場所での行動は、現地で考えても良いでしょう。事前に近郊の観光地へ公共交通を利用して日帰りするプランを立てても良いです。ホテル内や現地の旅行会社で手配できる日帰りツアーでも良いですが、その場合は日本語対応のツアーではないこと。

 

英会話が苦手な親なら、その苦労を子どもと一緒に乗り切る体験になります。


ポジティブな影響
 

1)視野の拡大

 

異なる文化や生活環境に触れることで、物事の見方が広がります。

 

自分の置かれた状況を客観的に見ることができるようになります。


2)共感力の向上

 

貧しい環境で生活する子どもたちを目にします。その中で、自分と比較したり、自分が存在する意味などを考えることがあります。

 

現地の人と接することで、他者への共感や理解が得られることがあります。これは日本で得られることはありません。

 

3)自己成長
 

親が困るような言語的にも、環境的にも困難な状況を一緒に体験すること、親の苦労する姿を目の当たりにすることで、自分自身の強さを認識することが起こります。

 

自分ならできるという自信を感じたり、「自分ならこうする」という適応力発揮すること、そういった自分の考えを認識する機会となることもあります。

 

ただし、注意すべき点がいくつかあります。

 

 

1)心理的負担

 

混沌とした社会や貧困の現実を目の当たりにすることは、特に感受性の強い子どもにとっては大きなストレスとなる可能性があります。

 

このストレスは良い影響を与えることが多いですが、あえてその社会と比較した時に、自分をさらに小さく見てしまうことがあります。

 

その結果、あえて「考え」を止めることが起こります。

 

これを防止するには、子どもに意見を聞き、その意見でその日の行動を決めるということを行ってみることが必要です。

 

親に連れまわされるだけではなく、自分で道を決め、その結果を実感することです。

 

自分が決めたことから感じるストレスは不登校になった時点ですでに感じているので、それを異なることで再現し、その中で結果を見つめ直すというプロセスを体験します。

 

これは、問題に立ち向かい、それを乗り切る練習にもなります。

 

👇子どもむけ、英語の本の紹介です。すでに名作の仲間入りです。

Where the Red Fern Grows

 

2)安全面

 

もちろん、各種の安全には注意しましょう。

 

衛生面でのリスクも考慮する必要があります。

 

しかし、それはごく普通のことです。

 

日々生活していく中で、日本においても危険な場所はあります。

 

旅行前に十分な情報収集と準備が必要ですが、過保護な対応になりすぎないように心げけましょう。

 

次回は、海外旅行ではないアイデアを書いていきます。

 

不登校の子どもに対する親の対応は、年齢や性別によって異なる場合があります。

 

大まかな内容ですが、ちょっとまとめてみます。

 

それぞれ、どのような違いがあるかを理解して、子どもへの対応を考えてみましょう。

 

女の子と男の子という枠組みは今の時代問題が多いのですが、不登校という心理的な

内容になると、まだまだ男女という大きな枠組みで話しを進めていかないと、対処方法が無数にあり、適切な対応に行き着きません。

 

基本的なアプローチは共通しています。理解してあげるように、努力すること。よりそい、親としての過去を振り返り、子どもとの関係を見直し、親と子どもが一緒になって環境を変えて、やり直すことです。リセットではありません。明日からの行動を変えることです。

 

以下に、中学生と高校生、男の子と女の子それぞれに対する対応のポイントをまとめます。

 

 

中学生の場合


男の子は、小学生のころの自信を失い、自己肯定感が低下しがちです。

 

親は子どもの努力や小さな成功を褒めることが大切です。

 

親との会話が少なくなっているなら、もっと一緒にいる時間を増やし、子どもから話せる時間を作ること。つまり、子どもが話してくれているなら、さえぎることなく話を聞く姿勢を持ちましょう。


女の子は、クラス内の女の子同士の人間関係のトラブルが原因で不登校になることが多いと言われます。

 

スクールカーストと、小学校から知っている同級生などの変化に自分をかさね、自分を否定していきます。

 

親は共感し、それを解決する手段がないかを探し、許可してあげることが重要です。簡単に言えば、化粧や髪型などですね。

 

校則もありますが、柔軟に。

 

また、学校以外の居場所や活動を見つけ、その中で友達を見つける手助けをすることも大きな変化をもたらします。

 

次に高校生の場合


男の子は、進学への不安やプレッシャーが原因で不登校になることがありますが、それは一部です。多くではありません。

 

思ったように体が動かないこと、これは思春期にも影響しています。

 

つまり、自分はサッカーがうまくなりたいけど、思ったように上達しない。勉強も同じですね。頭で考えて、想像している自分との乖離が明確になる時期です。

 

これにショックをうけたり、現実を理解して、それが嫌になる時期です。

 

親は子どもの将来についていったん現実的になりましょう。

 

具体的な目標設定をしなおし、それに向けてサポートすること。

 

身体的特徴や、特技などから新しいことに挑戦する機会をあげてみて。

 

女の子は自己肯定感の低下や人間関係の問題が影響し続けます。

 

この時期、女の子は勉強が逃げ道になることが多く、不登校だから勉強から離れるのではなく、あえて、学校に頼らないで塾などで詰め込み学習を進めてみることもお勧めです。

 

その場合でも、まずは子どもに意見を聞いて、希望を聞いてというステップが必要です。


共通の対応
 

話しを聞く。話してくれないなら、一緒に過ごす時間を増やす。

 

僻地や、苦労する環境への旅行をする。

親も嫌な場所への旅行を子どもと一緒にする。

 

それが子どもとの信頼関係を築き直すことにつながります。親が失敗する、苦労する、努力している姿を見せることも必要です。旅行はそれができる機会にもなります。

 

例えば、英語が苦手な親がフライトチケットだけを購入して親子で海外旅行すれば、英語と格闘している姿を見せることができます。子供の方が英語が聞き取れるとか、一緒に苦労して乗り切ることはその後の展開を大きく変えていく経験になります。

 

軽登山も同様の効果があります。テントをもって、2泊程度の登山旅行です。初心者用のルートも多くありますが、準備が必要ですから、海外旅行より難易度は上がります。

 

専門家の助けを借りるだけでは解決できないことが多い不登校。

 

その原因は複雑で多岐にわたるため、専門家もアドバイスが足りないことが多いです。専門家は、専門の学習をして専門家になっていますが、その学習では解決できていないので、カウンセリングがかならずしも良い変化をもたらすとは限りません。

 

通信制高校があるじゃん!2024-2025年版 (日本の通信制高校のすべてがわかります!)

 

それでも、スクールカウンセラーや心理士に相談してみることでわかることもあります。

 

自分の子どもです。今まで10年以上一緒に暮らしています。それでも、成長とともにお互いのコミュニケーションがずれていって、理解できていないことが多くなります。

 

ゆっくり対応して、ゆっくり考えてあげてみて。

親も、仕事、仕事と逃げるだけではなく、転職すらして子どものために一緒に乗り切る努力を見せる必要があるのかもしれません。

 

不登校になった子ども。

 

理由も明確ではなく、親もカウンセラーも特定の理由がわからないケース。

これがほとんどです。

 

つまり、対処の方法は、心理的なカウンセリングが主体となりますが、実際のところ、簡単に効果はでません。

 

親の覚悟が必要なこともあります。

 

不登校に陥る子どもたち: 「思春期のつまずき」から抜け出すためのプロセス

 

親だって、今までの人生を振り返ると、学校や勉強だけではなく、何かに嫌気がさして、手につかなかったことがあるはず。そんな経験がない親にとっては、理解不能となってしまいますね。

 

例えば、掃除

 

 

や洗濯でもそうです。家のどこかをキレイにしたいのに、永遠にできないとかも、同じことです。

 

クローゼットの中はキレイに整理されていますか?

 

それができていないし、本当はキレイにしていたいと思った人。それが不登校の気持ちに似ています。

 

庭の雑草は刈り取られて、いつもキレイですか?花が咲いていますか?

 

網戸はキレイですか?

 

コップの茶渋は?

 

不登校の気持ちを理解するときに、想像力や、同調してあげるだけでは意味がありません。

 

自分のことをよく考えてみて、同じような気持ちが存在しないかを考える必要があります。

 

そんな関連性がありそうな気持ちを感じたことがない、そんな人生を送ってきたという親であれば、いくらカウンセリングを受けても不登校を理解することは難しいでしょう。

 

不登校の子どもが再び学校に行きたくなった場合、親として注意すべきポイントの話しです。

 

行きたくなったというより、行こうと思った程度のことが多いです。

あまり大きな期待をしてしまわないように、最初の1日で終わることも多い、再登校です。

 

まずは、親と子どもが会話できる状態であれば、再登校に歓喜しないようにしましょう。

 

無理しないでもよいことを伝えます。さらに、学校に行ってみて、ダメだと思ったら帰ってきてよいことを伝えましょう。

 

つまり、その日は一日自宅待機か、いつでも連絡が取れるようにし、連絡がきたら待ち合わせして子どもと一緒に帰宅やそのまま外出しましょう。

 

 

まず、相談できるなら、何時から何時まで学校にいられるかを決めます。強制ではありません。授業の時間割を確認する必要もあります。

 

つまり、そのためには事前に学校と連絡をとる必要があります。

 

学校の担当者としっかり相談して、学校にもあまり迷惑がかからない範囲でお願いをしましょう。

 

学校がどこまで柔軟に対応するかは学校次第です。学校に強制したり、大きな声でイライラと命令はしないようにしましょう。

 

親も相談できる人に相談をしておくことは最も重要です。

 

👇子ども向け英語の本の紹介。あまり古い名作を勧めることはないですが、これは良書。

The Adventures Of Tom Sawyer: The Original 1876 Edition With Complete 162 Illustrations (A Classic Novel Of Mark Twain)

 

親自身が相談できる人に状況を伝え、日程を伝えておくこと。

 

親は悩みつつ、いらいらしたり、不安になったりして不登校の子どもを支えています。話せる相手がカウンセラーでも両親でも構いませんが、口にだして相談できる相手がいることが重要です。

 

夫婦の中でも共有しましょう。相談できる相手が外にいなければ、夫婦の中で言い争いにならないように意識しながら、冷静に話しましょう。

 

不登校の子どもを支えるためには、親もサポートを受けることが必要で、それがないと親も鬱になったり、家庭内で問題が大きくなる傾向があります。

 

 

不登校になった子どもが突然、学校に行くと言い出したら、注意する点があります。

 

まず、なぜ突然学校に行こうと思ったかを考えましょう。

 

率直に話せる関係になっていれば、聞いてみるのが良いです。

なかなか会話が成立しない、引きこもっているような状態であれば、聞いても答えてくれないでしょう、


大きく分けて、3つのケースがあります。

 

まず、周囲の期待に応える為。

 

これは、親の期待に応えるだけではなく、オンラインゲームの中でつながる誰かに自分は不登校だと話をして、その中で自分だけが学校に行っていないと気づくことからも起こります。

 

👇インター校にも不登校生徒はいますよ。特殊なことではありません。転校する時の方法も重要です。

 

期待とは異なりますが、他の人からも「なぜなのか?」と思われていることを気にしているからです。

 

子どもも、周りと比べて自分だけ特殊だというのは避けたい気持ちがあります。

それが後押ししていきます。

 

つまり、周囲から刺激を受けた状態です。

周囲からの刺激は、周囲からの期待とほとんど同じです。

 

でも、親によってはかなり口うるさく「学校に行こう」と言い続けるので、この場合の親の期待というのは、親からの圧力、親からの言葉の強さから逃れるためという逃避も含まれます。

 

 

そもそも不登校が逃避であった場合は、さらにその現状から逃避することになり、ますます対処が難しくなります。

この場合は、子どもが状況や理由を話してくれないことも多く、なかなか気づきません。つまり、なぜ不登校になったのかの理由を親が全く知らない場合はカウンセリングも難しく、対処が困難です。

 

3つ目として挙げられることは、単なる一時的な気持ちです。

 

これは、単純ですが、不登校になった理由が、特定の環境や人物から逃げたい・避けたいと思っていない場合は、一時的な気持ちでの再登校が起こります。

 

次回は、学校へ登校を再開する前に親が注意する点をまとめます。