ESLは「英語ができないダメな生徒」が入るクラスではありません。

それは、確実に飛躍するための「最強の学習環境」です。
 

勘違いされる方が多く、ESLは恥ずかしいと感じることが多いのが現実です。さらに、子どもがESLクラスからできるだけ早く抜けだすことが重要だと勘違いされる親も多くいます。今日は、インター校で成績を伸ばす秘策ESLの活用方法を説明していきます。

 

ESLとは

 

インターナショナルスクールを選ぶ際、多くのご家庭がカリキュラムや施設と並んで注目するのが「ESL」の有無です。ESL(English as a Second Language)は、英語を母語としない生徒のためのサポートプログラム。しかし、「英語が苦手な子が行くクラス」と短絡的に捉え、ネガティブなイメージを抱いているとしたら、それは大きな誤解です。むしろ、ESLの質と方針こそが、お子さんのインター校生活の成否を分ける、最も重要な要素の一つと言えるでしょう。

 

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「授業についていく」以上のギャップを埋めるESL

 

ESLが必要なのは、「難しい単語を知らない」という表面的な英語力だけが理由ではありません。本当の課題は、より深いところにあります。

教科横断的な言語運用能力:歴史の授業でディベートする時、科学レポートで仮説を述べる時、それぞれに適した言葉の選び方や論理の組み立て方が要求されます。日常会話ができても、この「アカデミックな言語」に慣れていないと、内容以前の部分でつまずいてしまうのです。このレベルの英語は、小学生のころから必要なスキルなので、一般的に考えられている「インター校小学校は勉強をしない」のイメージとは異なりますね。どんな勉強をするかの違いが大きいです。

文化的なニュアンスの理解:ユーモア、比喩、あるいは先生の間接的な指示。これらを理解するには、言語の背景にある文化的文脈を知る必要があります。ESLは、単語や文法だけでなく、こうした「教室で使われる生きた英語」を学ぶ場でもあります。

小学校でも高学年になるほど、学習内容は高度になり、このギャップは広がります。中高ではさらに高度になり、ギャップは拡大していきます。

 

ESLサポートがない環境では、「授業の内容を理解する」ことで精一杯になり、本来の力を発揮して「良い成績を取る」段階にまでなかなか到達できません。結果として、数年が過ぎても学習面で苦労が続くというシナリオが想定されます。

 

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ESLがもたらす、3つの圧倒的アドバンテージ


一方で、質の高いESLプログラムは、単なる「足並み揃え」ではなく、お子さんに明確な競争優位をもたらします。

効率的な英語力の飛躍:特に「書く力(ライティング)」は、独学で習得するのが最も難しいスキルです。ESLでは、論文の構成、適切な表現、学術的な文体を、専門の先生から体系的に学べます。これは、すべての科目で求められるレポート作成能力を一気に高める最強の近道です。

全科目の成績を底上げする個別サポート:優れたESL教師は、英語の先生であると同時に、効果的な「学習のコーチ」です。歴史のエッセイの構成を一緒に練り、科学の実験レポートの表現を添削する。このような教科横断的な個別指導は、通常の授業では得難く、結果として他の科目の成績向上に直結します。

安心して学べるコミュニティの形成:ESLクラスには、同じように英語に奮闘する多様な国籍の仲間が集まります。この環境は、「自分だけが遅れている」という孤独感や恥ずかしさを軽減し、互いに励まし合える安心の居場所になります。ここでできた友人は、学校生活の心強い支えとなるでしょう。

 

普通クラス内の友人、部活の友人、さらにESLでの友人。インター校では友人は多いほどよいものです。

 

海外大学 合格の 手引き

 

学校選びの核心は、「ESLの哲学」を見極めること


したがって、学校選びで問うべきは単なる「ESLの有無」ではなく、そのプログラムの質と教育哲学です。

サポートは、生徒を通常クラスに「放り込む」までの短期的なものか、長期的なアカデミックスキル向上を視野に入れたものか。

ESL教師と通常クラスの教師の連携は密か。お子さんの総合的な成長をチームで見ているか。

プログラムのゴールは、単なる「英語習得」ではなく、「英語を通じて成功する学習者を育成すること」か。

ESLとは、英語力という「道具」を研ぎ、同時に「学び方」そのものを教えてくれる、貴重なリソースです。お子さんがインター校という挑戦の場で、自信を持って走り出し、最終的に周囲と肩を並べ、さらには追い抜いていくための「確実な足場」。それが、真の意味でのESLプログラムの姿なのです。

日本人が多い・少ないだけで選ぶと失敗するのがインター校です。ESLの充実具合をしっかり見極めましょう。

 

2026年、インター校の現実と希望:バイリンガルへの道は自動運転ではない


明けましておめでとうございます。2026年が、皆様とご家族にとって、実り多き一年となりますよう心からお祈り申し上げます。

 

新年を迎え、新たな目標を掲げるこの時期は、国内・海外で子育てをされるご家庭にとって、お子さんの教育や言語の未来を改めて考える機会でもありますね。

 

今年海外駐在帯同や移住で海外に出発予定の方、国内・国外インター校に入学させようと考えている方、国際バカロレアなどの普通とは異なる教育に関心のある方、帰国子女で大学選びを考えている方、海外大学に興味ある方、そのような皆さまに向けて今年も引き続きいろんな記事を掲載していきます。

 

いつものようにインター校、国際バカロレア校、帰国子女にかかわる話しを主体に、受験や教育、英語問題など匿名の友人たちがいろいろと書き散らかした内容を随時まとめてブログに書き込んでいきますので、よろしくご一読ください。

 

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ご質問などはコメント機能をご利用くだされば、コメントは公開されることなく、私の方に届きます。それに対する返答は近日中にブログ記事内でそれとなく返答する形式です。個人情報などは一切書くことはありません。また、直接メールでの回答はしておりません。

 

今日は、特に「インター校に入学すれば英語が自然に話せるようになる」という幻想について、現実を交えながら考えてみたいと思います。

日本人学校の強み:確固たる基盤の上に築く力
 

海外に住む日本人の子どもたちが通う「日本人学校」では、何よりもまず日本語の確かな読み書きが重視されます。国語の授業は日本と同じカリキュラムで進み、日本の文化や考え方の基盤をしっかりと育みます。放課後はサッカーや野球、水泳などのクラブ活動が盛んで、体を動かしながら協調性や忍耐力を学ぶ機会にも恵まれています。

 

 

英語力について心配される保護者の方もいらっしゃいますが、現地には優秀な塾や個人教師が数多く存在します。イギリス英語、アメリカ英語など、目的に合わせた発音や表現を重点的に学ぶ環境が整っており、多くの子どもたちが着実に力を伸ばしています。重要なのは、彼らが「日本人としての日本語」を持っていること。この土台こそが、帰国を前提にした教育であり、さらには第二言語である英語を効果的に学び、吸収するための礎となっているのです。

インター校の現実:言葉の二正面作戦

一方、インターナショナルスクールに通う日本人の子どもたちは、学校生活のほぼすべてを英語で過ごします。そのため、日本語の維持と発展は、家庭と本人の意識的な努力に委ねられます。日本語塾への通学や、オンライン家庭教師を利用するケースがほとんどです。これは、単なる「お稽古事」ではなく、アイデンティティと思考の根幹を守るための、必要不可欠な投資と言えるでしょう。

しかし、より大きな課題は英語そのものの習得にあります。インター校での学習は、多くの場合、次のような道のりをたどります。

1年目は、授業の内容そのものよりも「英語についていくこと」で精一杯。先生の指示を理解し、クラスメートの会話についていくだけで、一日が終わってしまいます。
 

 

 

2年目になると、耳が慣れてきて会話にはある程度追いつけても、授業の内容はより高度に進んでいきます。単に「英語を」学ぶのではなく、「英語で」数学、科学、歴史を学ばなければならず、その負荷は計り知れません。成績は比較的低調になりますが、算数・数学は上位の成績をもらえる可能性があります。
 

3年目には、過去2年間の英語力の不足が、総合的な学業成績として明確に表れてくることも少なくありません。この段階で多くの生徒が直面するのは、語学の壁だけでなく、「学習の遅れ」という二重の課題です。引き続き成績もあまりよくありません。

多くのインター校では、英語力が十分でない生徒を対象とした「ESL(英語を第二言語とする者向け)クラス」を設けています。ここで基礎を固め、通常クラスに移行するまでに3年ほどかかることは珍しくありません。そして、4年目にようやく通常クラスに移り、平均以上の成績を維持できるようになることは、並大抵の努力では成し得ない大きな達成です。

見落とされがちなIT教育のギャップ
 

もう一つの重要なポイントは、ITリテラシーの差です。多くのインター校では、小学校低学年から一人一台のパソコンやタブレットを用いた授業が日常化しており、課題のリサーチ、レポートの作成、プレゼンテーションの資料作りまで、全てデジタルスキルが前提とされます。日本国内の一般的な教育環境よりもはるかに早くから、そして深くコンピューターに親しむため、入学当初はこの操作や概念についていくだけでも一苦労します。このITギャップは、英語力と同様に、学習の足かせになり得る要素です。

 

 

2026年、新たな視点で学校選びを


これらの現実から導き出される結論は明らかです。それは、「入学時の英語力が、その後の数年間の学校生活の質を大きく左右する」 ということ。インター校への進学を考えるのであれば、単に「英語環境に放り込めば何とかなる」という楽観論ではなく、お子さんの現在の言語力を客観的に見極め、必要に応じて事前準備をすることが極めて重要です。学校選びは、カリキュラムや施設だけでなく、ESLサポートの充実度、多様な生徒への対応歴を慎重に比較検討するべきでしょう。

2026年の初日に、私たちが胸に刻みたいのは、「バイリンガル教育に近道はない」という厳粛な事実です。しかし同時に、それは「綿密な計画と持続的な努力によって、確実に近づける目標である」という希望でもあります。

 

お子さんの言語環境を選択するこの決断は、家族全体の未来を形作ります。この新年を、現実を直視し、しかし未来への希望を捨てず、お子さんに最適な道を改めて話し合う機会にしていただければと思います。

今年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

年の瀬にこそ大切にしたいこと〜学びは机の上だけじゃない〜
 

年末の寒い空気の中から光が柔らかく差し込む季節。カレンダーも残り少なくなってきました。一般入試などの受験を控えたご家庭では、最後の追い込みに忙しい日々かと思います。でも、ふと窓の外を見れば、そこにはかけがえのない「生きた学び」のチャンスが溢れていることに気づきます。

世代を越えたつながりが育むもの
 

寒さが身に染みるこの時期、温もりのある時間を作ってみませんか。おじいちゃん、おばあちゃんが近くに住んでいるなら、ぜひ会いに行きましょう。遠く離れているなら、ビデオ通話で顔を見せてあげてください。小さなお子さんでも、今は直感的に使えるアプリがたくさんあります。

「でも、何を話せばいいの?」そんな心配は無用です。子ども自身が電話口で、「今日学校でね…」と自然に話し始めるものです。国際電話でも、同じこと。世界とつながる実感を一緒に味わう。これも立派な国際理解の第一歩です。

面接などでだまらない練習にすらなります。

 

👇帰国子女、インター校、国際バカロレアなどの教育話し

 

寒さも、学びの素材になる

「寒くて外に出る気がしない」そんな日こそ、少し勇気を出して外の空気を吸いにでかけてみましょう。オーストラリア在住の方なら、逆に暑さの中での外出を。肌で感じる気温、吐く息の白さ、空気の乾燥――これらの感覚は、言葉を学ぶ上で貴重な財産になります。

「寒い冬の朝」と書く時、実際に寒さを体験した子どもは、より鮮明で具体的な表現を選べるようになります。英語のライティングでも、感覚的な描写が豊かになるものです。五感で感じた経験は、どの教科書よりも確かな学びの土台を築いてくれます。面接の受け答えにもいかされていきます。

勉強の形は一つじゃない
 

「1月に向けて、と思ったら勉強の話かと思いきや…」そんな声が聞こえてきそうですが、実はこれらすべてが深い学びにつながっています。

 

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【医学部専攻担当者が明かす】総合型選抜・IB選抜 最終合格者の「出願直前数カ月前~5日間」で差がつく行動 合格率を17%上げた最終チェックリストと5つの作業

 

確かに、寒い中外で勉強するのは大変かもしれません。でも最近人気のキャンプスタイルなら、可能性が広がります。簡易テントにヒーター、焚き火が許されるキャンプ場では、炎の揺らめきを前に算数の問題集と向き合うのも一興。自然の中で学ぶことで、記憶にも特別な彩りが加わります。

そして家に帰った時、「ああ、家って暖かくて快適なんだ」と改めて実感する。その気づき自体が、感謝の気持ちや、環境について考えるきっかけになります。

バランスの取れた年末を

受験勉強も大切。でも、家族と過ごす時間、自然と触れ合う時間、異なる世代と話す時間――これらのすべてが、子どもの心と知性を育みます。12月の残り少ない日々を、バランスよく過ごしてみてください。

机の上の学習だけが「勉強」ではないのです。年末のひとときが、お子さんにとって、温かな記憶と共に深い学びの時間となりますように。

 

“帰国子女”という言葉に隠された、私たちの多様すぎる現実
 

「帰国子女って英語ペラペラでしょ?」
「海外に住んでたんだ、うらやましい!」

こうした一言で片づけられてしまうことほど、私たち帰国子女にとって息苦しいものはありません。それは、私たち一人ひとりが背負ってきた複雑で多様な経験を、一言のレッテルで覆い隠してしまうからです。

実のところ、「帰国子女」というカテゴリーに収まりきらない多様性が、このグループの中には存在します。かつては、親の海外勤務に伴い、小中高校生の時期に連続して1年以上海外で生活し、日本に戻ってきた子どもを指すことが多かったこの言葉。しかし今日、その解釈は大きく広がり、時には曖昧になっています。

本当に理解すべきは、一口に「帰国子女」と言っても、その内実は千差万別だということです。

 

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1. 「海外経験」の質と量が、人を形作る


海外経験が人生に与える影響は、単なる「あった/なし」では測れません。最も大きな要素は、どの年代で、どれだけの期間を過ごしたかです。

低学年での短期経験:例えば小学1-2年生の1年間。この時期は言語習得の面では柔軟かもしれませんが、日本の基盤がまだ固まっていないため、帰国後の「日本社会」への適応に独特の困難を感じることがあります。ただし、まわりもまだ幼いため、あっというまに日本生活になじみ、海外経験を忘れてしまいます。

思春期での長期経験:反対に、中高生の多感な時期を丸3年、5年と海外で過ごすと、価値観や振る舞い方の根幹が日本の同世代とは異なってきます。現地校で自分の意見をはっきり述べる訓練を積んだ結果、日本の「空気を読む」教室文化に息苦しさを覚えるのは、当然のことかもしれません。質問することがない教室で質問をしたくてもできないことは大きなストレスに変わります。

 

ある調査では、帰国子女の77% が日本に戻った際に「逆カルチャーショック」を感じ、34% がいじめを経験したと答えています。イジメの定義を海外経験則に合わせてのそれですから、じっさいのイジメ被害はさらに多くなります。

さらに、ほぼ全義務教育期を海外で過ごす場合:小中高の12年間すべて、あるいはそれに近い期間を海外で育った若者は、もはや「帰国子女」という枠を超えています。

 

文化的アイデンティティの中心は日本以外にあり、日本語は「外国語」として学んだ、日本人の親(両親)や日本人友達との会話だけで学んだという人も少なくありません。彼らは「日本国籍を持つ、海外で育った人」と呼ぶ方が適切で、私たちは彼らを指す適切な単語すら持っていないのが現状です。

このように、滞在期間や年齢だけでなく、通った学校が現地校、日本人学校、インターナショナルスクールのどれだったかによっても、その経験はまったく異なります。非英語圏の現地校に通っていた子と、英語圏のインターナショナルスクールに通っていた子が、同じ「英語が得意」というレッテルを貼られることの違和感は、計り知れません。

 

 

2. 社会が抱える「帰国子女はこうあるべき」という幻想


このような多様性があるにもかかわらず、日本社会、特に大人や雇用の場では、未だに一枚岩のイメージが振りかざされることがあります。

「帰国子女は英語ができて当たり前」「自己主張が強く、協調性に欠ける」。こうした決めつけは、私たちの個性や苦労を無視するだけでなく、企業が多様性という宝物を見逃す原因にもなっています。海外で培った異なる視点やスキルは、画一的なチームに革新をもたらす貴重な資源であるはずなのです。

さらに悪質なのは、「帰国子女は○○だ」という揶揄や、妬みを含んだからかいです。これは単なる知識不足ではなく、時には「いじめ」の形をとり、相手を傷つけ、孤立させます。帰国子女という、本人にはどうすることもできない背景を理由にしたこうしたコメントは、何の建設性もありません。それが会社における上司の年齢である40代、50代にも見られます。

3. 多様性を「強み」に変える視点へ

 

では、私たちはこの状況をどう変えていけばよいのでしょうか。鍵は、「ラベル」ではなく「個人」を見ることです。

 

 

教育の現場で:教師は、クラスに帰国子女が入ってきた時、まず「この子がどんな経験をしてきたのか」に耳を傾けてください。日本語の支援が必要な子もいれば、むしろ日本の暗黙のルールに戸惑っている子もいるのです。画一的な対応ではなく、個別の理解が、その子の学校適応を決めます。

社会人として:職場で「帰国子女枠」で入った同僚がいたら、その「帰国子女」という経歴そのものではなく、その経験を通じて彼/彼女が何を学び、どんな考え方を持つに至ったかに興味を持ちましょう。それは、単なる英語力以上の、かけがえのない強みを発見することにつながります。必要であれば、外国人と同様の接し方が必要になります。日本国籍での先入観は危険です。


私たち自身が:多様な背景を持つ帰国子女同士でも、お互いの経験は異なります。自分と違う経歴を持つ「仲間」の話に耳を傾けることは、自分自身の経験を相対化し、より深く理解する助けにもなります。

「帰国子女」という言葉は、便利なラベルではありますが、その中にいる一人ひとりの人間を説明するには、あまりにも不十分です。私たちは、海外と日本という複数の文化の狭間で育った、多様性そのものの結晶です。

次に「帰国子女」という言葉を口にする時、それが「決めつけ」ではなく、その内側に広がる豊かで複雑な個々の物語への、敬意と好奇心の入り口であってほしいと願います。
 

インター校面接は会話の延長線上にある:普段の対話が最高の準備
 

インターナショナルスクールへの入学を考えるとき、多くのご家庭が最も気にかけるのが面接ではないでしょうか。特にセカンダリースクール(中高生)の受験となると、その緊張はひとしおです。筆記試験では実力がそのまま発揮できるものの、面接で思うように話せなかったときの後悔は「あと少し練習すれば」という思いを強くさせるものです。

インター校面接の本質は「日常会話」
国際バカロレア校を含む多くのインター校の面接は、驚くほど自然な会話形式で進むことが少なくありません。堅苦しい質疑応答よりも、相手の目を見て丁寧に会話ができるか、自然な対話の流れの中で自分を表現できるかが問われます。つまり、特別なテクニックよりも、普段からどれだけ豊かな対話を育んできたかが、そのまま表れる場だと言えるでしょう。

MMI面接から学ぶこと
医学部入試で導入されることが増えたMMI(Multiple Mini Interview)面接をご存知でしょうか。これは架空の状況を提示され、「あなたならどうするか」を考える形式の面接です。

 

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ここで評価されるのは、単純に「法律を守る」とか「感情に流される」という二者択一ではありません。法律や倫理の知識だけでも不十分で、かといって感情だけに頼っても良い結果は得られない。愛や親切心といった人間的な感情と、社会的なルールのバランスをどう考えるか——つまり、常識的でバランスの取れた判断力が問われます。これはまさに「人となり」がよく表れる場なのです。

インター校面接でも見られる「人となり」
医学部入試ほどの重みはないものの、海外のインター校を中心に、このような人格を見る面接が採用されることが増えています。面接官は、答えの正解・不正解だけではなく、考え方のプロセスや価値観の一端を感じ取ろうとしているのです。

最も効果的な準備:日常の会話を豊かにする
対策は、実はとてもシンプルです。特別な面接練習より先に、普段から家庭でしっかりと会話をする習慣を育むこと。これに尽きます。

毎日目にするニュース——社会問題、国際情勢、地域の事件、時には有名人の話題でも構いません。それらについて「あなたはどう思う?」と問いかけ、考えを言葉にさせる練習が何よりの準備になります。

中高生の場合、無理に大人びた意見を言わせる必要はありません。むしろ、子どもらしい視点を持ちながらも、大人が納得できるような考えの筋道が説明できることが大切です。法律の細かい知識や専門用語を知らなくても、普段の生活で培った常識と感受性から、十分に深い対話が可能なのです。

 

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家庭で今日から始められること
もし普段から親子の会話が少ないと感じるなら、まずは小さな話題から始めてみましょう。ニュースで見た紛争、日本で起きた事件や災害について「あのニュース、どう思った?」と尋ねるだけでも立派な対話の始まりです。ワイドショーの話題でも、誰かが結婚したというニュースでも、そこから倫理観や社会の在り方を考えるきっかけはたくさん転がっています。

感情を少しだけ交えて話すことは、面接でも好印象です。完璧に整えられた答えよりも、正直な気持ちがにじむ言葉の方が、人間らしさを伝えられるからです。ここで忘れてはいけないのは、これは医学部入試ではないということ。完璧な答えではなく、等身大のあなたが見られる場なのです。

小さな積み重ねが大きな自信に
毎日10分でも、ニュースについて話し合う。家族の考えを知る。自分の意見を言葉にする。この小さな習慣が、いざという時の面接での落ち着きと表現力につながります。

面接は特別な場ではなく、あなたが今まで育んできた対話力の延長線上にあるもの。今日の会話から、その準備はもう始まっているのです。