現在日本人の死因で最も多いものが「悪性新生物」=「がん」である。ではそもそもこの「がん」とはどういうものなのでしょうか。一般の人の中にも家族や知り合い、親戚、中には自分自身ががんにかかったという人は数多いはずです。でも「がん」はどういうものですか?という問いかけにたいし正確に答えられる人はほとんどいないでしょう。また「がん」と「癌」の違いについて、「腫瘍」と「がん」の違いについて正確に答えられる人は医療従事者の中でも多くはないでしょう。
まず腫瘍について説明します。腫瘍とは生体内の細胞が、生体の制御に従わずに勝手に(異常に)増殖し塊を作ったものを意味します。なかには母親の胎内にいる間にすでに作られたもの(congenital )もあります。パターンとしては①正常に近い細胞が正常な部位で増殖したものもありますし、②正常に近い細胞が異常な部位あるいは形態で増殖するものもあります。③一方正常な生体内では通常見られない異常な細胞が増殖したものもあります。①のパターンに属するものは脂肪腫や骨軟骨腫(外骨腫)が代表的で日常診療で最も多く見られるものです。小さなものは治療をする必要はなく、大きくなった場合にのみ治療を(切除)行います。②のパターンは内軟骨腫、骨内脂肪腫、骨内血管腫などがあります。外来でよく見られる粉瘤というのもこれに含まれると見て良いでしょう。これらは本来ある組織では無いところに存在するので、しばしば問題を起こします。内軟骨腫、骨内脂肪腫、骨内血管腫は本来ある骨の強度が低下するために痛みや骨折を起こすことがあります。粉瘤はしばしば最細菌感染を起こします。そのためそういった症状を発生した場合には治療が必要です。また、レントゲン、CTスキャンで異常に映るので悪性腫瘍との鑑別が必要になることもあります。これらの①および②のパターンでは細胞が異常に増殖するもののそのスピードはゆっくりで生命に危険をもたらす事はほぼ無いといってよいでしょう。そのため良性腫瘍に分類されます。