通夜と葬式は
死因が死因なため、親兄弟だけで自宅でやりたかった。
しかし義父が親戚中を呼んでしまい
親兄弟だけでって言ったでしょう!
来るっていうのに断れるか!
断れよ!
こんなやり取りがあったっけ。
でも結局みんな来て、狭い我が家に50~60人来たのかな?
香典袋を数えればわかるか・・
まあ床が抜けなくてよかった。

集まったのは9割以上妻の親戚だ。
ウチの家庭状況を知ったのか、誰一人として俺に文句は言ってこない。
それでも身内が自殺したんだ、俺に対する目つきは何か言いたげだ。
言ったのは病院で義弟だけだが
それも通夜に入る頃には、俺にとても献身的にしてくれた。
事実、俺が妻側の親戚で唯一信じているのはこの義弟ただ一人である。
はっきりいって他はどうでもいい。
それに妻が自殺する原因のいくつかがこの人らにあると思っているので
恨みの対象者でもある。
だからと言って死ぬほどのことではない。
やはり一番の怒りの対象は、我が妻である。
来るはずのない親戚たちが来て、だんだん大きい葬式になりそうだ。
そんな中、俺が一番心配していたのはお金だった。
生活費は全て妻に渡していたので、財布に入っていたお金は数千円だ。
ウチにいったいどれだけあるのかも知らない。
いや知っている。
あるわけがないのだ。
貯金なんて使い切ってしまっているのはわかっている。
どうしようと落胆していたら
皮肉にも、集まってほしくない親戚の香典で全て賄う事ができたのさ。