さて。前に書いた通り、ソフト事業から進めて行くわけですが、三原にはもともとイメージされていたハード事業が3つありました。これは私が赴任する前から、時には専門家を交えながら地元で話し合われていたものです。
- 山脇邸活用事業
- 港湾エリア商業施設の魅力向上
- シネパティオ再生事業
何とかしたいと思いつつ話し合いや交渉を続けていたものの、補助金を活用する以外のことは考えられておらず、自己資金調達の目処もない状態でした。
こうした事業を念頭に置き、ソフト事業やネットワーク形成に取り組みます。
こうしたハード事業を立ち上げる場合、誰がお金を出すか、誰が運営するかという課題が立ちはだかります。補助金を活用するとしても簡単ではありませんし、仮に補助金が受給できても半分は自己資金が必要となります。また、施設整備後のの経営も考える必要があります。
山脇邸活用事業は、歴史的な建物を維持するために、建物を維持する費用を稼げるテナントさんが必要でした。観光協会がイベントを開催してメディアに露出する、まちづくり会社がテナントと資金を確保する、と役割分担をしました。いきなり何も動きがない物件を活用するのはハードルが高い。そして、三原市の大和町で営業する道の駅に注目し、調査事業を並行しつつ入居交渉をスタート。まちづくり会社も増資、銀行借入を行い、更に補助金を活用しつつ開業にこぎつけました。もちろん、家主さん、テナントさん、商工会議所さん、設計プロデュース、施工会社さんの多大なるご理解とご支援があってのことです。
(cafe/restaurant yogansu yamawaki)
港湾エリア商業施設魅力向上、三原の老舗レストラン、かねしょうさんのリノベーションです。私の着任前に、まちづくり会社がビルに建て替える提案をし、決裂した案件でした。再度、オーナーさんの将来ビジョンをお聞きしつつ、たたき台となるご提案をさせていただきました。こちらは補助金を活用することもなく、テナントの誘致もオーナーさん自らが交渉されました。これまでの歴史とブランドを守りつつ、新しいパワーテナントさんの入居により、周辺に活気がでています。
(かねしょう、SAKANAZA夜景)
そして最後に、シネパティオ再生事業。
これは、着任時にはすでに事業化に向けて継続的に検討が進んでいる状態でした。メインの機能がカフェと文化教室、総事業費を見た時点で事業の成立が困難であることが明らかでした。しかし、関係者の強い思いで、事業会社を設立し調査を実施。それでも採算がとれる見込みが立ちませんでした。まちづくり会社では、事業の不成立を見込みセカンドプランを準備していましたので、当事者である事業会社の合意を得て<なけなしのお金をはたいて>調査事業を実施したものの、最終的には事業会社さんとの調整が白紙に戻り、、、。布石として入居いただいていたアーティストさんとそのネットワークの皆さんにはずいぶんご迷惑をおかけしました。そして、同じく活用を目指して実施してきたソフト事業、たくさんの方々がご協力くださった産業廃棄物の片付け…。次の事業に活用すればよいと頭ではわかっているものの、なかなか気持ちの切り替えができませんでした。
(みんなでお片付け)
誰がどんな魅力をつくるのかについて、像が結べない場合は事業化を見送る必要があると思っています。例えば、駅前の商業ビルの核テナントだった食品スーパーが撤退し、まちづくり会社が野菜を販売する店舗を経営しろ、という声がありました。三原の農業、野菜は魅力的です。駅前で買えると私も嬉しい。でもそれは、このまちの、まちづくり会社の仕事だろうか。そうは思えなかった。
結果的に、その3年後、現在はまちづくり会社が支援した<みはらの美味しい野菜プロジェクト>のメンバーが、毎週月曜にこだわり野菜を販売しています。
こんな風に、三原では、まちづくり会社が事業を展開するのではなく、まちで事業をする人を探してくる、繋げることによって、街の資源を活用した事業が展開されていくことを目指しました。まちづくり会社は、どこも人的資源が不足しています。三原も、私のほかには、パートさんが1名いるだけの会社です。やるべき事業と、やらない事業を判断せざるを得ません。












