彼がそう言ったこと

良かったなんて思えない。思いたくない。

 

だめだ、もう完全に彼のことでいっぱい。

 

でもそう言われちゃったらそこまでだ。

ずっとうつむいていたけど、横にいる彼の目ををみてちゃんと言おう。

そうだねって。

 

私が彼の顔見ようとしたら

黙っていた彼が

 

『りかちゃん 』

って名前をよびながら私を抱きしめた

 

会ったらだめだよねって言ったのにそんなのずるい。

だめだよ、もうこんなことされたら振り払えない。

 

でもだめ、彼を押して突き放す。

 

『りかちゃんが嫌だったらもうしない、だめだってわかってるのに、

りかちゃんと会えなくなるなんて、考えたくない。こんな立場で

何してるんだってわかってるけど、それでも離したくないんだ

 

下を向いてる私

彼が私の首筋から耳もとに手をかける

 

『りかちゃん、、こっち向いて、

嫌なら、そう言って 』

彼が優しい声で言う。

 

 

彼の唇が私の頬に触れそうになって

 

小さな声で彼に

 

いや、、、

と言うと、私の頬に軽くキスをした。

 

もう戻れない。

少しでもいい、

そばにいたいとそう思ってしまいました  

 

 

 

 

 

 

 

彼が

 

だけど もういっかい、、、

って私が最後まで言う前に私の腕をつかんで

自分のほうに寄せた。

 

 

それが妙にどきどきして

自分で言う前にされたことで余計に胸が熱くなった。

 

初めて感じた彼のぬくもり。

父ちゃんじゃない男性にこういう状況で

抱きしめられたのはもちろん初めてだし、 「男の人」 を感じたのは

久しぶりだった。

 

 

顔が見れないので彼の腕にうずくまる様にしてしばらくいると、

彼がここじゃ危ないから歩こうと言った。

 

 

駅の近くに公園があって、そこのベンチにひとまず座った。

 

彼も私もきっと酔っていて気持ちが高ぶっていたんだ、

座ると少し冷静になる。

 

私もそうだけど、、、

やっぱり彼もいけないことだってわかっているし、

これ以上進むのは良くないってきっと頭ではわかっている

そんな風に感じた。

 

お互い趣味も合って一緒にいると心地よくて楽しくて

恋人だったらどんなに楽しいだろうって思う。

 

でも私たちは違う。

 

『りかちゃん

ごめんね。りかちゃんと知り合ってから、3ヶ月以上たって

初めて会って、その後にこんな気持ちになるなんて

思わなかったんだ。

一度会ったらもう一度会いたいって思ったし、今日会えるのもずっと

楽しみにしてた。りかちゃんの笑顔がずっと心にあって、毎日頑張れた、

家で辛くても知り合ってからずっと支えになってた、でもいけないってわかってる、、、

 

もう、会ったらだめだよね、、、』

 

 

彼が話すのをやめた。

 

 

 

 

私はそうした方がいいって頭ではちゃんとわかっているのに、

心ではそう思っていなかった。

 

 

 

心がついていけなくて

だから言葉にならなかった。

 

 

やっぱり彼はそう言う気がした。

 

ほらね、

良かった

 

 

そういう彼でよかったって 

 

うん、よかったじゃん。

 

 

 

安心したのに、もう会わないほうがいいよそうだよね!

 

って言えない

 

言葉がでてこない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どれくらい時間がたったのかわからないくらい。

 

 

彼に抱き寄せられて

心臓が飛び出しそうだった。

 

びっくりしたけど、びっくりしたけど

そうされたかったのかもしれない。

 

仕事柄、外国の人とか

女性男性かまわずハグは当たり前だし

ほっぺのキス?

も日常茶飯事だけど…

 

 

父ちゃんとは3年以上レスでスキンシップもなかったし

抱きしめられるってこんなにも優しくあったかく安心するんだって

心がこころがきゅって音がする

 

ドキドキから安心して心地よくなった。

 

彼が私を離し

 

『ごめん、、りかちゃん小さくて

壊れちゃいそう 

だけど、帰したくなくて、抱きしめずにはいられななかった』

 

 

「うん、帰らなくちゃいけないや。

 ・

 ・

 ・

 

 だけど もういっかい、、、、、」

 

彼にそう言っていた。

 

 

彼と知り合って3ヶ月、

 

もう戻れない止められない気持ちを

この日確信した。