先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。
1, = 孑孑(ぼうふら) =
子供用バケツに淡くぼうふらの揺れ始めたる塾の日の暮れ
2, = はったい =
はったいの麦の匂いに誘われて渦のなかへとぼくらは溶けた
3, = 寝冷(ねびえ) =
開け放つ窓より寝冷えの腹の熱流れて暑き軒を彷徨ふ
4, = 泉(いずみ) =
ハイキング途中に泉あらはれて「やられた」と鳴る水筒の水
5, = 熱中症(ねっちゅうしょう) =
オーバーツーリズムも焼いて熱中症店先で燃える多言語の群れ
6, = 伽羅蕗(きゃらぶき) =
伽羅蕗が焦げつきさうな気配して厨へ向かふノースリーブよ
7, = 夏の山(なつのやま) =
サンダルにミニスカートで夏の山、天保山より低き日和山
・天保山は4.2m、日和山は3m。