季語短歌24-7-15 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 孑孑(ぼうふら) =

 子供用バケツに淡くぼうふらの揺れ始めたる塾の日の暮れ 


 2, = はったい =

 はったいの麦の匂いに誘われて渦のなかへとぼくらは溶けた 


 3, = 寝冷(ねびえ) =

 開け放つ窓より寝冷えの腹の熱流れて暑き軒を彷徨ふ 


 4, = 泉(いずみ) =

 ハイキング途中に泉あらはれて「やられた」と鳴る水筒の水 


 5, = 熱中症(ねっちゅうしょう) =

 オーバーツーリズムも焼いて熱中症店先で燃える多言語の群れ 


 6, = 伽羅蕗(きゃらぶき) =

 伽羅蕗が焦げつきさうな気配して厨へ向かふノースリーブよ 


 7, = 夏の山(なつのやま) =

 サンダルにミニスカートで夏の山、天保山より低き日和山 



・天保山は4.2m、日和山は3m。