季語短歌24-6-10 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 薔薇(ばら) =

 花屋ではまたたく薔薇の棘を取り無防備のまま花束つくる 


 2, = ごり汁(ごりじる) =

 東の茶屋でごり汁含みつつ女郎の声をいにしへに聞く 


 3, = 新馬鈴薯(しんじゃがいも) =

 小ぶりなる新馬鈴薯の箱を置くスーパーの前は北海道に 


 4, = 緑(みどり) =

 電車では淡い緑のブラウスがラッシュのなかに風を与えて 


 5, = バナナ =

 お見舞いにバナナを三本持ってきて「小さいけど」とくすくす君は 


 6, = 芒種(ぼうしゅ) =

 いくつかの農機具の音糧として土は熱を溜めゆく芒種 


 7, = 栗の花(くりのはな) =

 山肌に晴れを知らせて栗の花若きざわめきいま噴き出でよ