季語短歌24-1-29 | ひろちん。のエスキス

ひろちん。のエスキス

廣珍堂と同じひと

  先週 X(旧Twitter)で詠んだものです。一部推敲・詠み直ししています。

 1,  = 悴む(かじかむ) =

 悴んだ自販機ふるえる0時過ぎ間違えて押す隣のボタン 


 2, = 雪兎(ゆきうさぎ) =

 雪兎つくりし君の手の丸さ古き校舎に保存されをり 


 3, = 冬北斗(ふゆほくと) =

 甘口のカレーは出来て君の背の窓には冬北斗がまたたく 


 4, = 寒造(かんづくり) =

 寒造り始まるといふ蔵の前、笊(ざる)蟒蛇(うわばみ)が夜の行進 


 5, = 埋火(うずみび) =

 埋火は雪見障子へさらさらとハタキをかくる音に眠りぬ 


 6, = うつ田姫(うつたひめ) =

 小夜更けて粉雪甘く降り来るをシュークリームで受くるうつ田姫 


 7, = 冬野(ふゆの) =

s  終点のバス停はただ冬野なり京都市北区柊野別れ 



・寒造(かんづくり):寒中の水を用い醸造する酒をいう。この酒の味は旨く腐りにくいことから寒造と呼ばれる。

・埋火(うずみび):灰の中に埋めた炭火のこと。

・うつ田姫(うつたひめ):春の佐保姫、秋の龍田姫同様、冬をつかさどる姫である。