3月22日。
日曜日。
2級ガソリン自動車整備士の国家試験の日である
(2級ではなく二級と書くらしいが,ここでは2級で統一する)。
自動車整備士になるには,決められた年数の実務経験を積み,国家試験を受験して合格する事が必要である。
私は工学部の機械工学科出身(優秀な成績ではなかったが・・・)なので,実務経験は通常の半分でよい。
そのため,3級合格から3年ではなく,1年半の実務経験で2級の受験が可能なのである。
自動車整備士には「検定試験」と「登録試験」がある。
前者は学科+実技を受験,
後者は実技免除の学科のみ受験である。
ただし後者の実技試験が免除されるには,自動車整備振興会主催の講習会に参加し,これを修了しなければならない。
この講習会は,月・水・金の週3回。1回あたり3時間。
それが11月~3月まで休みなく続く。
回数にすると,40回以上通わなければならない。
あまり遅刻してしまうと出席とみなされず,欠席となってしまう。
欠席が多ければ修了できない。
「必須」の回は欠席が許されない。
「中間試験」や「修了試験」に合格しないと修了できない。
試験には実技試験も含まれる。
講習会の日は残業できないので,早々に工場を閉めて出かける事になる。
そのしわ寄せは,講習会のない日に「残業」となって表れる。
講習会があろうがなかろうが,帰宅が21時近くという日が続く。
毎週月金に行っていた宮城野の稽古も,土曜日だけに実施しなければならない。
毎晩夜遅くの帰宅。
好きな合気道の稽古もままならない。
心身ともに疲れる。
もちろん,講習会を修了しただけではダメで,国家試験にも合格しなければならない。
そこまでして2級を取る必要があるのか・・・と思うかもしれない。
技術的には,自動車整備士であろうとなかろうと,作業はできる。
しかし自動車整備工場には「整備主任者」を必ず任命しなければならない。
整備主任者になれるのは2級以上の資格を持つものだけである。
つまり,2級に合格しなければ,工場を続けていく事はできないのである。
こうして2級ガソリン自動車整備士への挑戦が始まったのであった。
・・・つづく。