・・・つづき。
そして直会会場へ。
今年が第11回の合同稽古である。
11年の間に,学生は卒業し,就職し,結婚し,子供が生まれて親になる。
今年は赤ちゃんや子供達が歩き回り,走り回り,大変な騒ぎであった。
来年あたり,託児所が必要になるだろう。
恒例となった直会でのスピーチ。
私の第一声は「御列席の皆様,新年 明けまして おめでとうございます」である。
それに何の疑問もなく「おめでとーございまーす」と応えてくれる。
「合同稽古が年末であり,年始である」
これが浸透しているのだ。
年始の挨拶に続いて,宮城野と大和でそれぞれ,今年1年の間の出来事を報告。
織り交ぜたギャグは2度スベり,3度目で盛り上がった。
「ご夫婦で熱心に通っていた門下生は,夜の稽古も熱心で,ついにご懐妊となりまして・・・」
「・・・」
「・・・これがホントのスベり正面打ち一教」
「・・・」
「えー今年も順調なスベり出しを迎えまして」
「わははは」
これも毎年恒例。
「のんぶ分かったか!
ああやってスベるんだ!」
と内田さんの大声に,会場全体が爆笑に包まれる。
その後,何の準備もしていないであろうのんぶの冴えないスピーチに続き,細小路さんの流石は大御所というスピーチで直会はお開きとなった。
・・・
そして二次会へ。
いよいよのんぶ祭開催である。
「のんぶ,ここ空いてるぞ」
と内田さんの横の空席を勧める。
「ダメっすよ。私も学習しましたから。」
と断られる。
チッ。
これも毎年恒例。
昨夜私を怒らせた事は忘れてはいない。
必ずのんぶを泣かせるとエニックスの堀井さんに誓ったのだ。
### ドラクエ風ここから ###
♪チャララララララララ,ズッチャッズッチャッズッチャッズッチャッ♪
すずき と さかたに と うちだ があらわれた。
のんぶはとりかこまれた!
すずき のこうげき
「内田さん,のんぶがね,コイツはね,12回通ったんですよ。」
さかたに のこうげき
「内田さん,のんぶは水戸にも通いましたよ。コイツは強くなりましたよ。」
うちだ のこうげき
「のんぶ,お前1年間がんばったもんな」
つうこんのいちげき !
のんぶがなみだぐんだ!
のんぶはうごけない!
うちだ のこうげき 「な,のんぶ」
さかたに のこうげき 「な,のんぶ」
すずき のこうげき 「な,のんぶ」
ぶわっ。
のんぶ は ごうきゅうした!!
のんぶ は げきちんした! |
### ここまで ###
おおっ,これは面白い。
「もう一回やりましょう。
今度は泣くまでの時間で,ワールドレコードを狙います!」
と言って再びドラクエモードへ。
### ここから ###
♪チャララララララララ,ズッチャッズッチャッズッチャッズッチャッ♪
すずき があらわれた。 のんぶはまだないてない! すずき のこうげき 「のんぶ,内田さんがね,電話で『アイツ,がんばってるからな』って言ってたぞ」 のんぶ は ごうきゅうした!! 「はやっ」 しゅういは ばくしょう に つつまれた! ♪チャラララッチャッチャッチャ~ン♪ のんぶは にだん に しょうだんした! こうげきりょく が 10 あがった! ぎゃぐのすべりかた を おぼえた! みやぎのポイント が 1000ふえた! のんぶ は あたらしいかだい を だされた! |
### ここまで ###
うんうん,分かる。分かるよ。
私も飲み会の席で上長に「鈴木はがんばってるからな~」と言われて,人目もはばからず号泣した事がありましたから。
鈴木は一度だけ水沢の道場へ行った事がある。
遠かった。高速を使っても,3時間近く掛かった。
のんぶは,強くなりたい,あの人たちに認めてもらいたい,その一心であの距離を,何と12回以上も通ったのである。
水戸に至っては,さらに遠く,宮城を越えて,福島を越えて,茨城である。
その距離を,のんぶは通ったのである。
毎回ボロボロになるまで投げられ,散々ダメ出しを食らって来た。
稽古が終われば身体を作るためと称し,散々メシを食わされた。
仕事を調整し,家族との時間さえも調整して,稽古に通った。
その1年間のがんばりが認められ,免状という形となり,内田さんの暖かい言葉となったのである。
それは取りも直さず「道友として認められた」という事の証である。
制御できない感情,自分ではコントロールできない感情,それが「涙」となって溢れ出る。
今日は思いっきり泣いたらいい。
私はもう,のんぶに「教える」事はしない。
今後は「一緒に稽古する」のである。
次に流すのは「涙」ではない。
ともに「汗」を流そう。
・・・
のんぶを無事泣かせた私は,席を移り,巌さんとお話し。
「この男はよか男ですたい」
冗談で九州弁で語りかけたら
「おー鈴木さん,まるで九州人ですね」
と誉められ,ちょっと照れる。
鳥大時代にあった事を色々と聞かせてもらう。
時折涙ぐみながらも語ってくれる巌さん。
あぁそうか。
内田さんは「灯台」なんだな。
「そっちに行っちゃいけねぇよ」
「ほれ,こっちだ」
「そうそう,そのまま,まっすぐ行け」
そんな感じで自らが光り,迷い込んできた船に進路を示し,その後も自分で進めるように道を照らし続ける。
そんな「灯台」なのだろう。
縁あって内田さんと出会い,人生の大事な転機には決断する勇気をもらった。
そしてその後も迷わぬように照らし続けてもらい,今がある。
そんな集まりだから「組織化」などせずとも栄え続けるのだろう。
・・・
楽しい時間はあっと言う間に過ぎる。
内田さんに別れの挨拶。
「大変名残惜しいのですが・・・いつものやつをお願いします」
照れ隠しにいつものサヨナラ三教をお願いする。
もちろん,今年もガッチリと決めてくれた。
これでまた1年頑張れる。
私にとってもまた,内田さんは「灯台」なのである。
だから毎年,1100キロの距離を越えて,はるばる仙台から通ってくるのである。
また来年,来よう。
そう誓った。
2008年 第11回 岡山合氣修練道場合同稽古満喫編 おわり。