・・・つづき。
講習会の講師は,ディーラOBや,ディーラ勤務の現役整備士であるが,講義のほとんどは,ディーラOBによって行われる。
つまり,ほとんどの講義を,年配の講師が担当するのである。
分野こそ違えど,私もプロの講師である。
講師の目で見ると,確かにベテランで経験豊富なのは分かるのだが,それがイマイチ受講生に伝わらない。
得意な分野は饒舌に話してくれるが,そうでもない分野は小声で早口になる。
どこがポイントなのかも分かりづらい。
「私hが代わりに講義しましょうか?」
喉元まで出かかったこの言葉を,何度飲み込んだ事か・・・。
それでも辛抱強く講義を聴いていたのだが,どうしても確認したい事があり,休み時間を待って,講師が用意したレジュメの図を差しながら質問してみた。
「この図なのですが,回転方向はこの方向ですよね?」
「いや,それはどっちだかは決まらないんですよ。」
???
質問の意図が伝わっていないのだろうか?
「いや,この方向に電流が流れるのですから,回転方向は決まってますよね?」
「『いや』じゃなくてね,そういう質問をしてくる事自体がダメなんです」
私は「確認」したのであって「質問」したのではない。
私がフレミング左手の法則を知らないとでも思っているのだろうか?
これで完全に吹っ切れた。
時間が勿体無い。
バカ正直に講師の話を聞いていたら,講習会の試験はもとより,国家試験の合格さえも危うくなる。
その日から,講義を横目で眺めつつ,自力で勉強する事に決めたのであった・・・。
・・・つづく。