・・・つづき。
これではダメだ。
点数を見せながら,長男を諭す。
「前日夜にこの点数では,明日の試験は合格できない。
合格するためにはどうしたらいい?」
「う~ん,わかんない」
明らかに集中力を欠いた答え。
見たいテレビがある。
読みたいマンガもある。
それはよく分かる。
だけど,今はそれを許してはならない。
「合格したいか,それともしたくないのか。
合格したいのなら,今夜寝る前か,
明日の朝に練習した方がいいと思う。」
長男は少し考えていたが「今夜練習する」とはっきり言った。
私は決して強制はしていない。
だが長男の力強い言葉には,一寸胸を打たれた。
そして2回目。
合格点240点に対して,220点。
惜しい。だが練習の成果は確実に出ている。
「明日の朝,またやる」
再び長男がはっきりと言った。
自分の子供がやる気を出している。
それを可能な限りサポートするのは親の役目である。
長男が生まれて10年。
父親の役目が来た事を,今,はっきりと自覚した。
・・・つづく。