私は子供の頃,そろばんを習っていた。
先生が読み上げる数字を,珠をパチパチと弾きながら,足したり引いたり,伝票をめくりながら計算したり,何桁もある掛算や割算を計算したり。
頭の中にそろばんをイメージし,イメージしたそろばんで計算する,いわゆる暗算は今でも役に立っている(2桁の加減乗除が限界だけど・・・)
かなり熱心に通ったのだが,2級の試験に何度か落ちて,それが嫌で辞めてしまった。
それが私が小学校5年生の時の話。
勿体無い事をしたな~と今でも思う。
あれから20数年。
10歳になる私の長男が,今度そろばんの3級を受けるという。
試験の前日。大和入りした私は長男と話をした。
「明日試験だけど,合格するの?」
「うん,練習で280点取ったから大丈夫」
試験科目は「見取り算(加減算)」「乗算」「除算」の3種目。
問題数はそれぞれ10問,20問,20問。
これを30分で解かねばならない。
満点は300点で,8割である240点を超えれば合格。
280点は十分合格点ではあるが,本番でもその点数が取れるかどうかは分からない。
「そっか。でも前の日に一度,練習しておいた方がいいよね。」
そういって私は,問題を公開しているサイトを探して問題をダウンロードし,印刷した。
本番と同様に,制限時間30分である。
1回目。
パチパチと珠を弾く長男。
せっまい教室に,隣の生徒と肘がぶつかる程ぎゅうぎゅう詰になりながら練習した,そんな自分の子供時代を思い出す。
そして30分経過。
採点してみて驚いた。
点数が,合格点を大きく下回っていたのであった・・・。
・・・続く。