暫く、このコーナーへの投稿がありませんでしたが、今回は古典管・・
直熱5極出力管の47です。これまで47のアンプについては、46三結/47三結の兼用アンプ等として紹介していますが、47真空管そのものについては投稿していませんので、あらためて47真空管の紹介とアンプの製作例3台を紹介します。
47は1929年に開発されたナス管の247が始まり・・それまでバイアス電圧が深く、ドライブしにくかった直熱3極管とは異なり、バイアス電圧がプレート電圧250Vで16.5Vと低くドライブしやすい直熱5極出力管です。
構造的には、第3グリッドが管内でフィラメントの中点に接続されています。そのため自己バイアス回路でのカソード抵抗はフィラメントのハムバランサー又は2本の固定抵抗(15~30Ω位)の中点からカソード抵抗とバイアス・コンデンサーを繋ぎます。(フィラメント電圧が2.5Vと低いので、ハムバランサーではなく、固定抵抗2本の中点からで十分。ハムはでません)
■47真空管の規格はこちらです。
42と言う真空管は、この47から発展したものと考えていいでしょう。直熱管のこの47を傍熱管にしたものが2A5で、2A5のヒーターを2.5Vから6.3Vとしたものが42と思えば良いと思います。この42をGT管にしたものが6F6です。特性の似た真空管ではST管では41、GT管では6K6、MT管では6AR5があります。
そんな47ですので、アンプの設計はフィラメント電圧は2.5Vですが、基本的な回路は42や、6AR5とほぼ同じでOKということになります。
■47を3極管接続にして46の3極管接続アンプと兼用にしよう!
47の第3グリッドだけを取り除いたような、見た目のそっくりな46という真空管があります。この46はデュアルグリッド3極管で第2グリッドを第1グリッドにつなぐとB級動作アンプに、また、第2グリッドをプレートにつなぐとA級動作として45に少しだけ似た特性となり、3極管として昔から45代用としても製作例があります。
面白いことにソケットは同じ5本足のUYで、46の第2グリッドとプレートのソケット、つまり2番ピンと4番ピンを繋いで3極管接続にした46アンプを作り、47をそのまま挿し換えると自動的に47の3極管接続になります。
46の3極管接続と47の3極管接続では、特性が少し異なるのですが、そのまま挿し換えてもOK。
47の5極管接続のアンプでは、何ともレトロな若干ブーミーなラジオ声のような音のアンプになりますが、47の3極管接続では、がらりと音が変わりクリアーな音になります。ただし46の3極管接続よりは若干、硬い音になるように聴こえます。
■47アンプ製作例の紹介
これまでシングル/パラ・シングル/プッシュプルと3台のアンプを製作しています。このうちパラ・シングルは解体し、今はありません。
①プッシュプル・アンプ
②パラ・シングル・アンプ (解体しているので回路のみ)
※上記の①②のアンプの詳しい記事は画面右側のテーマ
46・47アンプ集から見てください。
③シングル・アンプ
このシングル・アンプは昔5球スーパーに使われていた6Z-P1と同じ特性のUYソケットの3Y-P1との兼用として製作した5極管接続のシングル・アンプで、前記のようにレトロな音で、ジャズに合いそうです。
アンプの写真と回路図等の詳細は、こちらの投稿記事を見てください。
---- お願い -----
このブログでは、同じ回路のアンプの製作を、おすすめしているものではありません。また、アンプの試聴結果は、個人的な感想です。したがって、このブログ内記事の回路図等は、参考にしないで下さい。同じ回路のアンプを、お作りになるのは自由だとは思いますが、全て自己責任の上、製作くださるよう、お願いいたします。投稿者としての責任は一切持ちません。真空管アンプ製作は、高電圧等による感電死や、火災、火気事故、シャシー加工時での怪我など、注意が必要です。安全第一で楽しいアンプ作りをしましょう。
では、今日は、このへんで・・・HIROちゃんでした。 (^^♪