私たちの周りの空気中、土の中、動植物の表面や体内には無数の微生物が住んでいます。
その中には病原菌もいますが、多くの微生物のおかげで私たちは健康な生活を送ることができるのです。
最も身近な菌は私たちの体自身に住み着いている常在菌です。
人の腸管、口腔、鼻腔、生殖器、皮膚には多くの常在菌がいて、数種類の菌で平衡状態を保っています。
うまく平衡状態を保っているところに新たに病原菌が侵入してきても定着することはできません。
私たちは常在菌と共生することで免疫力が強化されるわけです。
ニキビの原因となるアクネ菌も皮膚に住み着く常在菌の一種ですが、ストレスによる過剰な皮脂の分泌や食べ物の偏りによってニキビができるのです。
また前回の内容と重なりますが、抗生物質を使うことによって常在菌が弱まるとその抗生物質に耐性のある菌が異常に増殖して炎症を起こすことがあります。
また、花粉症の時の鼻洗いは確かに効果的ですが洗いすぎは常在菌のバランスを崩すことになりますし、温水便座も必要以上に使い過ぎると清潔には保てますが新たな問題を起こすことになりかねません。
人の健康に最も関係の深いのが腸内細菌で、善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスがうまく保たれている人ほど健康で長寿だと言われています。
腸内細菌は生活の仕方や食べ物でその構成が変化します。
イギリスの遺伝疫学のティム スペクター教授が、実際にジャンクフードを10日間食べ続けた前と後の腸内細菌を調べた実験があり、その著書「THE DIET MYTH」の中に書かれています。
それによると、ビフィズス菌などの善玉菌がジャンク・フードを食べ続けることで明らかに減少することがわかります。
以上のように、微生物がいかに私たちの生活と深いつながりがあるかということがお分かりいただけたでしょうか。
微生物は人の体だけでなく植物や土壌の中でも重要な働きをしています。
次回は微生物と植物について書きたいと思います。