最近のテレビコマーシャルでよく見られるのは「菌がこんなに!除菌しましょう!」というもの。
「台所のスポンジは菌がいっぱい、○○○で除菌しましょう。」「ポットの茶渋には潜伏菌が!除菌しましょう。」「トイレの飛び散り汚れの中には潜伏菌が!さっぱり拭き取ってトイレにポイ!」「泡で洗って子供も手洗い上手。」「水拭きだけでは汚れを塗りつけるだけ、テーブルはアルコール除菌しましょう。」等など。
言葉は違っているかもしれませんが、これらのような清潔に対する強迫観念を植え付けるようなコマーシャルが溢れています。
コマーシャルのせいかどうかはわかりませんが、最近かなりショッキングなことをある人から聞きました。その方の話では大学生の息子さんが、友人の中には他人の握ったおにぎりを食べない(食べられない)人がかなりの人数いると話しているというのです。
一方コンビニなどのおにぎりならば人の手で握っていないので大丈夫、食べられるということです。
私は、逆ではないのか!!と心の中では思いました。ご飯にさえ添加物が入っている添加物だらけのコンビニ食なのにと思ったからです。
驚いた私はいろんな人に聞いてみました。
ある学生は「自分は全く気にしない。菌なんてどこにでもある(いる)ものじゃないかと思うから」といいました。
40代のある人は、数年前に騒ぎになったO-157の食中毒事件以来神経質になるのは当たり前、当然のことと言い切りました。
これまで私の中で食中毒対策は次のようなものでした。
バクテリアやカビはあらゆるところに存在しており、完全に避けることは不可能であるということ。
菌はエサ、湿度、温度があれば増えるが、一定以上増えなければ体に悪影響は与えないということ。
但し注意すべき菌があるということ。
注意すべきものは大きく3つと考えていました。
① 牛、豚、鶏、鶏卵に付いているサルモネラ菌
サルモネラ菌は熱で殺菌すれば問題ありません。
② 黄色ブドウ球菌
これは化膿した手の傷などから感染することが多いので、傷のある手でおにぎりを握らないこと。
③ 魚介類に寄生するアニサキス、豚肉に寄生する有鉤条虫
刺身用として売っている魚介類は大丈夫でしょうが、自分で獲ったものなどは要注意。十分に加熱すること。
豚肉は生で食べない。しっかり火を通すこと。
しかし病原性大腸菌O-157はちょっと特殊な菌のようで、今までの常識を覆すものでした。低温に強く、冷凍庫内でも生きているというこですし、酸に強く胃の中でも生き残るということです。感染力は強く、100個程度でも発病するという特徴があります。
これまで薬によって多くの人の命が救われてきたのは事実ですが、薬を使いすぎることによって薬に耐性を持つ病原菌が新たに出てきたり人間の方が薬によって病原菌に冒されやすくなったり、医学が発達していくことで逆に新たな問題を生むこともあるように思います。
私たちの生活環境の中には多くの微生物が存在しています。さらに私たち自身の体の表面や体内にも無数の菌(常在菌)が住み着いています。
常在菌がバランスよく平衡状態を保っていれば大きな問題は起こらないものを、除菌、除菌と薬品類を使いすぎることでそのバランスが崩れてしまっているのではないでしょうか?
清潔は大事なことですが、すべての菌に神経質になるのはいかがなものでしょう?