本編に入る前に告知です。

加藤ひろあきが、上智大学文化人類学専門の福武慎太郎教授、西野恵子さんと共に翻訳したインドネシアの小説「珈琲の哲学」が絶賛発売中です。

インドネシアの現代ベストセラー作家「Dee Lestari」のキャリア初期の短編種ですが、映画化されて大ヒットした短編「Filosofi Kopi」が収録されている一作。

「あなたとインドネシアを繋ぐ、人生と愛のテーマ18篇」をどうぞお楽しみください。

 

 

さて今日は、一昨日ジャワ島とバリ島に発令されました「緊急公衆活動制限」の初日となるので、その模様をいくつかニュース記事を紹介しながらお話ししたいと思います。

 

「緊急公衆活動制限」の内容についてはこちらの記事をまずはお読みください。

 

 

まずは初日のジャカルタの様子をインドネシアのメディア「Tribunnews」の映像で見てみましょう!

 

 

ご覧になって頂ければわかると思いますが、普段は車とバイクで溢れるジャカルタのど真ん中を走る目抜き通り「スディルマン通り」が、がらんと静まり返っています。今日は土曜日なのでそもそも会社に行く人はいないのですが、映像の中にある銅像と噴水がある地域は「グランドインドネシア」と「プラザインドネシア」という人気のモールが二軒立ち並んでいて、土曜日・日曜日はモールへ入る車で渋滞しているエリアです。

それが、今日は車もバイクも全く走っていません。というのも、ジャカルタは市内63カ所で交通規制を行なっており、スディルマン通りもこの地域も規制対象になっています。

その他にも隣県に通ずる道や高速道路も規制の対象となっており、警察が検問のようなものを設置し、緊急性を要さない越境をなるべく抑える方向で動いているということがニュースの中で紹介されています。

 

今回は完全なロックダウンではなく、社会に必要なインフラやその他エッセシャルワークに認定されているセクターは動いていますし、ロジスティックや飲食店のデリバリーも稼働しているので配達のバイクや車は相変わらず道を走っています。

 

僕の家の辺り(ジャカルタ中央部の住宅街)は現状少し人は減っていますが、子供たちはマスクをしながらですが自転車に乗ってキャッキャキャッキャはしゃいでますし、特に大きな変化はなく動いている印象です。

 

次に中部ジャワ、僕が2006年に留学していた第二の故郷ジョグジャカルタのニュースがあったので見てみましょう。

 

この記事ではジョグジャカルタの有名観光地「マリオボロ通り」「トゥグ」「クラトン」から人が消えてしまったと紹介されています。

この三箇所は同じような場所にあって、ジョグジャカルタ観光をする人であれば誰もが必ず立ち寄る場所で普段は出店や商店が所狭しと並び、お土産を買ったり、このエリア周辺に宿泊する観光客で大賑わいしている場所なのですが、記事内の写真を見て頂ければわかる通り、店は閉まり、人気がなくなっています。

新型コロナウイルスがインドネシアに入ってきてから一年半が経ちますが、この期間ジョグジャカルタも観光客の減少でかなりのダメージを受けていましたが、今回のこの「緊急公衆活動制限」でさらに追い討ちがかかっている印象です。

 

 

また、今回ジャワ島・バリ島に発令されたこの活動制限、その他の地域ではどうなっているのかという記事も出ていました。

 

こちらはジャカルタから飛行機で二時間弱、シンガポールから程近い位置にあるバタム島の状況を紹介する記事です。

バタム島はリアウ諸島という地域に属しているため、今回の活動制限の対象にはなっていません。

島民の50%のワクチン接種が完了しているというこのバタム島。

今回の活動制限を受けて、それを100%踏襲するわけではありませんが、ある程度参考にして独自の規則を設けて今後も感染対策を行なっていくことを表明しています。

すべての商業施設、飲食店等は20:00までとし、これまで認めていた店内飲食は禁止とすることを決定したそうです。

 

そして、最後に今回の「緊急公衆活動制限」の指揮を任されているルフット・パンジャイタン海事・投資担当調整相の初日を迎えてのコメントが出ていたので紹介します。

 

 

「まだ初日だが、活動制限は確実に遂行されている。ジャカルタ、バンドンはOKだ」と発言しています。まずは初日、交通規制やその他の取締りも行えているとの認識のようです。

 

さらにルフット氏は「変異種も多く確認されていて、ここから二週間が山場であり、その期間、薬や酸素ボンベなど医療・医薬品の問題が発生しないよう取り組んでいかなければならない」とも発言しています。

 

なぜこの種の発言が出ているのかというと、もちろんジャカルタの医療体制が逼迫していることは間違いなくて、どの病院も新型コロナウイルス用の病床使用率が90%を超えているというデータもあるのですが、それと同時に「eコマース」サイトで様々な医薬品や酸素ボンベなどが販売されており、その価格が軒並み高騰しているという問題があるからなのです。

 

インドネシアは驚く程、色々な医薬品がネットを通じて手に入ります。

本来は処方箋がないと買えないような医薬品も、eコマースサイトに出回っていたりすることが以前から問題視されており、今回ルフット氏はその取締りを示唆しています。

 

 

インドネシアに住む日本人の方でこれを読んでいる方は、現在病気やコロナを患った場合、病院に入れない可能性も高く、薬などを病院から処方してもらえないなんてことも考えられます。その際、どうぞ違法な医薬品の売買などに十分ご注意ください。

 

まずは一人一人が外出せずに、リスクを負うことなくこの二週間を乗り切るのがベストだろうと個人的には思っています。またインドネシアの様子を引き続き、このブログでも発信していますので、よろしくお願いいたします!

 

というわけで、みなさん安全な週末を!

あなたにとって、今日が昨日よりちょっとでもいい日でありますように。

 

ひろ。