さて、今日は昨日の記事の後編を書いていきたいと思います。

まだ昨日の記事を読んでいたないという方は、まずはこちらから。

 

 

ジョコ・ウィドド大統領が「これから著作権料の徴収を強化しますよ!」と発表したというニュースを取り上げました。

#一文で内容はまとめられる

#それでも昨日の記事も読んでね!

 

 

「WAMI: WAHANA MUSIK INDONESIA」の存在

 

インドネシアの音楽界では、というかミュージシャン界隈では楽曲や作品の「著作権料」がちゃんと徴収できる様になったらいいよね」「おれらも、もっと音楽からお金を稼ぐ事ができるのかな」と誰もが口にしてきましたが、著作権料徴収へのハードルは当然そんなに低いものでは無く、その道は困難を極めていました。

 

そこでこれまで一番存在感を持って、いわゆるインドネシアで著作権料のことを表す「Royaliti: ロイヤリティ」と呼ばれるものを徴収しようとして頑張ってきたのが「WAMI: Wahana Musik Indonesia」という団体でした。

 

 

以前のブログ(消えちゃったけど・・・)に、年に一回の「WAMI」の総会に初めて出席して、めちゃくちゃ広いホテルのボールルームの会場で、誰も知り合いがいない中でちょこんと円卓に座って、ひたすら食べ放題の食べ物を食べていたら、いつの間にかラッキードローの抽選が行われており、一等の「YAMAHAの電子ドラム」当選者の名前は・・・

 

「HIROAKI KATO!!!!」

 

とか呼ばれて、よく聞いてなかったので何が起きてるのかよくわからずに壇上に登ったら、その電子ドラムを頂いてしまいました・・・って記事を書きましたが、その「WAMI」です(笑)

 

僕の楽曲も基本的にはこの「WAMI」に預けてあって、毎年少額ではありますが「ロイヤリティ」が入っています。

本当に微々たる金額なので、「電子ドラム」の方が遥かに高いのですが、まあメンバーになるのに年会費とかもないし、預けていないよりは預けておいたほうがいいよねということで、預けてあります。

 

ただ、この「WAMI」という団体、その組織の構成を見てみるとトップにインドネシアのレジェンドシンガー「Titiek Puspa」さんが会長として立ち上がってるんですよね。

「WAMI」が立ち上がった当初はミュージシャンがミュージシャンの為に立ち上げたロイヤリティ徴収機関です!といった触れ込みで、多くのミュージシャンが「Titiek Puspa」さんの名前もあって、自分の作品を預けました。

 

ただ、やはりこれまで自由に音楽をかけて、「著作権料」なんて知らんがな!という意識の下で動いている社会にあって、各方面と掛け合って著作権徴収を体系化し、アーティストに還元していこうというような動きは相当に難しいだろうと考えざる得ず、やがてアーティスト側もさして期待しないような状態になってしまいました。

 

ちなみにこの「WAMI」は日本の「JASRAC」と提携しているそうです。

どのくらい機能してるのか、どういう協定なのかはわからないですが、、、。

#9番目にJASRAC

 

 

「LMKN: Lembaga Manajemen Kolektif Nasional」の存在

 

そして、今回ジョコウィ大統領から明言されたのが、「これからは政府主導で著作権徴収に力を入れていきます。徴収に関しては『LMKN』に一任します」とのこと。

 

「LMKN: Lembaga Manajemen Kolektif Nasional」

訳すと、「国家集合的管理団体」となるでしょうか。

ここが政府主導の著作権管理団体と言うことになります。

 

それは日本の法務省が公開しているこちらの資料にもはっきりと説明がなされています→ http://www.moj.go.jp/content/001263744.pdf

興味がある方は読んでみてください。

#ページで言うと230ページに記載ありです

 

この団体の歴史を辿ると、2015年には現在の「LMKN」の元になる団体が発足していて、現在の形になったのは2019年1月からということになります。

 

#インドネシア語ですが読める方はどうぞ

 

そう、ジョコウィ大統領は2021年3月31日に改めて「著作権徴収を強化していく方針」と発言したものの、それは「LMKN」という著作権管理団体がたった今、立ち上がら位ました!!とかいう発表では決して無く、、、以前からある「LKMN」の活動に本腰を入れていきますよ、という合図なのです。

 

ということで、歌手のマルセルがTwitterでこう発言しています。

 

 

要約すると「ロイヤリティの徴収と分配はもう随分長いこと行われているよ。2021年の政令56番はそのシステムをより強化して、その徴収と分配をさらに適切に的確に行える様にするものだ。メディアの皆さん、この件について一部だけを切り取って書くのはやめてくれ。」というもの。

 

そう、みんなが騒ぎ出したのはメディアが急に「著作権徴収が始まるぞ!!!」みたいに報道したからであって、本当はそうではなくそのプロセスは長い時間を掛けて行われてきているんだよ、でも、これからさらに本格化するかもね、ということなのです。

 

さて、ここからどうなっていくかは神のみぞ知る、、、なのですが、少なくとも大統領がこの発言をしたからには「LMKN」は本気で動かざるを得なくなるので、これから様々なルール作りが行われていくことと思います。

 

この団体のメンバーには政治家、法律家、弁護士、IT関係の専門家、コンサル、そしてミュージシャンと様々なメンバーが名を連ねています。

気になる方はこちらをチェック。

 

 

個人的にはこれまたレジェンドミュージシャン「Ebiet G. Ade」さんが入っていたり、Kla Projectの「Adi Adrian」さんが入っていたり、さらには「WAMI」の代表「Titiek Puspa」さんにも楽曲を提供をしていた名作曲家「James F. Sundah」さんあたりがいるのが面白いなとは思っています。

 

最年少は恐らくバンドSAMSONSのギタリスト「Irfan Aulia」かなと思います。

僕と同い年の38歳です。

 

というわけで、既存の著作権管理団体の「WAMI」との関係性はどうなっていくのか、この先著作権徴収がどのように進んでいくのか、自分の楽曲を託している身として、これからもなにか動きがあればリアルにここでお届けしていきたいと思います。

 

かなりニッチな情報だとは思いますが、異国で活動するってこう言うことだよと一緒に楽しんでもらえたら嬉しいです。

 

それではあなたにとって、

今日が昨日よりちょっとでもいい日でありますように。

 

ひろ。

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若手人気バンドEclat Storyと歌う加藤ひろあきオリジナル曲「Bahagia Itu Sederhana 〜幸せはやってくる〜」、宜しくお願いします!