両親を連れて神戸の有馬温泉にやってきた。


金の湯という外湯があり、これが有馬温泉として有名らしい。

金の湯に入るため、父(80才)とともに宿の外に繰り出した。

大浴場で自分の手術痕をさらすことについて、以前より気持ちの消化をしつつある。

金の湯という茶色の湯につかっていた時のこと。前から開胸痕のある男性がやってきた。70歳代くらいの男性だった。

術前であれば他人の開胸痕を観察するのは失礼だと思うし見たいものでもない。でも術後だと他人の開胸痕は気になる。

色味、現状の肌との馴染み具合、開胸幅やご本人の気持ちの消化具合など色々気になる。悪いこととは思いつつ観察させていただいた。

勝手な見たてでは術後5年は経っていて手術痕の色味がかなり馴染んでいた。

さらには左胸上に10cm程横向きの手術痕もあった。

おそらくペースメーカーか除細動器をいれた痕だ。だが、膨らみはなく機器が胸に埋まっているようには見えなかった。

これがどういうことなのかはよくわからなかった。

それから、ご本人が手術痕を見られることを気にしているようには見えなかった。

これが実際どうなのかはよくわからない。見られたくないが普通にしているだけかもしれない。

先方も僕の開胸痕を観察するのだろうか。

いや、僕は茶色の濁り湯につかっており、気付かれようがなかった。あえてその方に僕の開胸痕が見えるように立ち上がるつもりもなかった。

今後、大浴場で開胸経験者同士が出会ったらどう振る舞うべきだろうか。

声はかけないが軽い会釈ぐらいはするかもしれない。(お互い大変でしたね)ぐらいの意味だ。