心臓の手術を受け退院した後、初の人間ドックだった。
行きつけの人間ドック医院では何か様子が変わるのだろうか。
まず着替えるロッカールームについて広めで椅子がある部屋に通されるように変わった。術後しばらくは着替えがしにくい人がいるということなのだろう。
あと、すぐには検査が始まらず、相談室で手術について色々聞かれた。
後はほぼ変わりはなかった。
それにしても胃カメラだけは毎年つらい。経口から経鼻に変えてかなり楽になっている。それでも待合室で自分の名前を呼ばれると死刑宣告されたような気持ちに毎年なる。
毎年、胃カメラが終わるとずたぼろになり放心状態となる。「今年もやり切った」と何度も自分を慰労してつぶやく。
すると妻に毎年言われる。
妻「そんな大したことないでしょ。弱虫だなぁ」
僕の返しは決まっている。
僕「弱虫ちゃうで。むしろ強虫(つよむし)やで」
妻「強虫なんて言ってるのが弱虫なんだよ」
僕「それにしても胃カメラは頑張った」
こうやって会話がぐるぐると回りだす。