今(9月頭)の試合に出場している野手の方で気になるのがまず吉川だ。
ただこちらは復調の兆しが見えてきた、という良い意味で気になっているのだが、体調不良から数試合スタメンを外されていたのでもしや原監督に見限られるのでは?と余計な心配をしていたのでほっとしている。
今年の巨人の試合で、良い意味でも悪い意味でも得点の鍵を握っていたのは吉川だったと思っている。
以前にも触れたが、基本的に吉川はチームバッティングが得意では無い。
1、2番であったり、8番だったりと打順の落ち着かない吉川だったが、先頭打者として出塁して欲しい場面でも、確実に得点圏に送りたい場合でも、ランナーが溜まっていて1点取ればサヨナラといった場面でも大きく構えて長打狙いの姿勢は変わらなかった様に見えるのだ。
長打力もあり、高めの球ならばホームランに出来る力はあるのだが、下手に飛距離が出るために外野の取り易いフライで終わることが多いのである。
ベンチとしては吉川に求めているものは長打ではなく、その打順の役割や試合の状況を考えたバッティングのはずなのだ。
最近の門脇のバッティングはまさしくそれであり、今年の巨人に絶対的に欠けていたピースなのである。
その役割を門脇が担えるようになることで、吉川の出番が減るのではないかと私は不安に思っていたのだ。
だが、門脇を始め中山や北村がセカンドで好プレイを見せていたが、それでも私は二塁の守備は吉川以外に考えられないと思っている。
神業の様なファインプレーに目を奪われがちだが、守備範囲の広さと堅実で安定した守備こそが吉川の良さであり、そういった守備職人を外す事はチームにとって影響が大きすぎるのだ。
吉川には、長打を捨てろとは言わないまでも低い弾道の打球を徹底してくれれば門脇と吉川の二遊間コンビで打線を繋ぐ役割が確立出来ると思うのである。
重量打線と言えば聞こえは良いが、吉川を含めほぼ全員が同じ様な長打狙い打者ばかりだったことが今年の巨人の問題だったと私は思うのだ。
このところ低い弾道の打球で出塁していることもあり復調の兆しとしたのだが、今後もこの姿勢を維持してくれるのか期待したいところだ。
逆に心配なのが秋広である。
ずっとクリーンアップを打っていた秋広だが、このところ下位を打ったり先発を外れたりと精彩を欠いている。
初球の外角低めの真っ直ぐを簡単に見逃したりする消極さも気になるが、疲れなのか、それとも自信を無くしているのか、とにかくスイングに力が無いのだ。
一時期大振りで凡打をが増えていた事も気にはなっていたが、このところは軽打でレフトに流し打つ秋広の持ち味である柔軟さは戻って来ている。
ただ、以前の様な軽くスイングしたように見えるのに鋭く打球が飛んでいくパワーがすっかり陰を潜め、ただ当てるだけのバッティングに終始している様に感じるのである。
流石に研究されて攻めが厳しくなっているのは仕方の無い事だ。むしろ相手に警戒されている様になった事を誇るべき事である。
打率はある程度維持する必要はあるが、ツーストライクまでは思い切りよく振る大らかさも今の秋広には必要なのだろう。
まだ今年伸びてきたばかりの選手であり、単なる大振りで打てない訳ではないのだ。このスケールの大きな才能を潰さない様に焦らず丁寧に育ててほしいと思うのである。