8月後半から9月にかけて、CS進出に向けて大事な時期でありながら歯痒い試合の多い巨人だが、見ていて色々と心配になることがある。
まず個々の選手で心配と言えばやはり戸郷だ。
以前にも触れた通り、私は今年の戸郷は決して調子が良いわけでは無いと思っている。
それでも10勝目をあげたのは流石だと思っていたが、このところ足踏みが続いているのが非常に気になるのだ。
9月1日のベイスターズ戦では4回5失点で今季最短KOと不本意な結果ではあったが、球自体は良かったし、岸田のリードの影響か真っ直ぐとフォーク主体の本来の投球で攻めた投球が出来ていたと思う。
まあ今回に関してはベイスターズ打線が調子が良すぎたので致し方ないとは思うのだが、加えて戸郷の球が良過ぎた事で打ち損じが凡打にならずファウルになった球が多かったのもツキの無さというか巡り合わせの悪さを感じたのだ。
ただ、そういった部分は差し引いても何故これ程変化球を見極められたり、簡単に打ち返されているのか戸郷自身も調子は悪くないと感じていたはずなので不思議で仕方がないのではないだろうか。
私が気になったのが前回の登板に引き続き真っ直ぐの精度が悪く、要所で決めたい球がことごとく外れてカウントを悪くしたり、甘くなって打たれたりしていたことだ。
今年は最初から無駄なボール球による球数の多さが気にはなっていたのだが、それ以前に真っ直ぐ自体の球威も良くなかった。その為丁寧にかわす投球を意識していた事が功を奏していた様に思う。
逆にこのところ球の球威が戻って以前の強気の投球になってきたところで制球の悪さが際立ってきたのである。
エースに必要な資質のひとつは要所で投げ損じの無いコントロールだと思っている。制球の定まらないエースなど存在しないのだ。
あと、もうひとつ気になっていることがある。
これはあくまでも私個人の印象なのだが、最近直球の球筋が以前に比べ妙に素直になった様に感じるのだが気の所為だろうか。
以前はもう少し真っ直ぐが暴れているような、ややシュート気味のイメージがあり、そこに凄みを感じていたはずなのである。
最近は直球の球速表示は戻って来たのに、その割には真っ直ぐを打たれている様に感じるのだ。
元々、戸郷はアーム式の投げ方でサイドスローに近いスタイルだ。実際にはそう見えるだけで上から投げてはいたのだが、今年は意識して肘を使って上から投げているように見える。
ただ、それでも上から投げ下ろすタイプの投手に比べれば伸びのある球は投げ難いはずなのだ。
私はそれを補っていたのがクセのある球筋だと思っていたので、それが無くなって見極めがしやすくなっているように感じるのである。
意外に真っ直ぐを捉えられる事が多く、それが気になって力が入り、制球が乱れるという悪循環に陥っているのではないかと思うのだ。
繰り返すようだが、あくまでも素人である私の印象である。
プロの目から見れば他に理由があるのかもしれないのだが、どちらにしろ復調してきているのにそれが勝ちに結びつかないのはさぞかし辛い事だろう。
名実ともにエースと呼ばれる様に早く凄みのある戸郷に復活してもらいたいのである。