先日Facebookの「着物ーきものー」グループ内(約3万人登録)の投稿で、このような質問を目にしました。
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私が本格的に「着物」にハマり、「今日は何を着よう」という選択肢の中に自然に「着物」が加わってきたきっかけとなった出来事だった「ゆかた大論争」から8年…。
https://www.kimonoichiba.com/media/column/186/
「ゆかた」はどのくらい普段着としての市民権を得たのか、着物に対する(着物界隈の)人々の考え方はどのように変化したのかしないのか、が垣間見れた瞬間でした。
また、私の中で着物を着ることが日常になる前と後での気持ちや実際の体感による考え方の変化事態もとても面白く、興味深いものであったので、こちらにシェアしたいと思いました。
毎年旬の果物のように、季節ごとに必ず出てくる話題に、①いつから単衣(袷)着物を着るか
と
②ゆかたの着こなしとゆかたを着ても大丈夫な範囲
というのがあります。
実際に着物を着る人の意見と、着ないけれど意見を言う人との間には大きな隔たりを感じます。
実際に着物を着ない人の意見には、実態や体感が伴っていないものが多いように感じます。
また実際に着物を着る方でも、「こうでなければならない」と強く刷り込まれた感覚のある方が、思っているよりも多くいらっしゃるように感じました。
この質問者の方が気にしていらっしゃるポイントと回答から
・人目プラス自分の中のタブー(年齢と交通機関)
・着方→衿つき足袋
の2点に絞られたので、私の思うところをこちらに書きます。
私の中での大前提は
「好きなものを好きなように着たら良い」という考えです。
その上で、どなたかとご一緒する招かれた場所、冠婚葬祭または式典への出席、お茶席などドレスコードのある場合はTPOを重視し、一般常識・歴史・文化・伝統・着物警察が何もどこもつっこまないこと、または説明できることを十分意識して選びます。
カジュアルの定義は人により様々ですし、範囲が広いためたびたび同じような質問や論議に湧きます。
洋服なら起こり得ないので、まず「着物」はまだまだ特別扱いなのだ、ということなのでしょうね。
「ゆかたに衿つきで足袋をはくなら」というご意見が1番多かったように見受けられましたが、これ、実は1番暑いんですよ。
質問者の方は「京都まで新幹線で行き、観光する」とのことでした。ご本人は京都観光が暑いことを経験済みで、「現地はゆかた1枚で歩きたい」が、「年齢的に新幹線の車内でゆかた姿はどうなのか」ということを気にされて、「自分が落ちつかないなら夏着物にしよう」と最終判断されたようです。
猛暑にゆかたを衿つきで出かけるくらいならば、夏着物、その選択肢があれば私もそうすると思います。
冷房の中ならかえって冷えなくて良い、とはいえ多少なりとも冷房の中の前後に外を歩く場合があるなら、猛暑に綿素材やポリエステル+衿つきは本当に危険レベルです。
どうせ衿つきにするなら
正絹や麻など天然素材を選んだ方が汗がこもらず、人目もご自身の中のタブーも気になりません。
人目を気にすることと、自分の中にあるタブーを破ることは、結構勇気が必要です。
実際にやってしまえば、思っていたよりも、他人は自分に注目もしていないものだし、誰にも何も言われないものです。
どちらかというと人目というよりも、自分の中にある
制限を解いていくことのほうが大変ですが、それが解けて自由になると、逆に他人のことも気にならなくなります。
自分の中の制限は、それから自由になった他人にも向かいがちです。言葉にしないだけで…。
ゆかたに衿をつけて着るのはひとつの着こなしとして成立し、市民権を得ていると判断して良いのだと思います。
ただ熱中症にならない自信がある、またはそれができる気候なら、と南国で着物を楽しんでいる私は強く思います。
ゆかたを衿つきで着れる日は真夏は本当に少ないです(笑)
ゆかた1枚でも新幹線だろうと飛行機に乗ろうとも、本来誰の目も気にする必要のないこと。
それが自分に許せない人は自分がしなければ良いだけのこと。
洋服でも着物でも、自分が着心地がよく、自然でいられることが1番。
余計なことに心がざわざわしない状態、それが制限をかけることなのか、かけないことなのかも人それぞれ違うのですから。
もう8月…
ゆかたが似合う
気持ちのよい季節も きっと
あっという間に過ぎ去ります。
どうぞゆかたを ゆかたとして
気持ちよく楽しんで💖