WOM 12月
(このコラムは、2017年11月に執筆。Wom Bangkok12月号に掲載されたものです)
とうとう12月、今年最後の月となりました。
私のこの一年を振り返ってみると、アグレッ シブというよりは、コンサバティブ、(defensive守勢的)だったように感じます。
それ はタイ国が一年喪に服していた事に多少なりとも影響を受けていたということでしょうか?
ともあれ先月喪が明け、タイも新しい未知なる一歩を踏み出しました。
この1ヶ月、より良 き来年に向かう日々にしたいと思います。
先日、駐妻の友人の1人が、ランチの時に呟いたひと言が、数日頭の中に残っていました。
「仕事が辛そうな旦那を見ても、何も出来ない自分。働かず家にいて(駐妻だからね)悪い な、と思う事もある」と...。
その時私は上手く彼女を励ます言葉が見つかりませんでした。
私は、現在駐妻でもなければ、働かずに家にいて庇護してもらった事がないので、羨ましい な、と思う気持ちが少々。
それ以上に、「健康で若いのに働かない、稼がない」事に、罪悪 感を感じてしまう気持ちにシンクロしてしまったからです。
外で働いていない事に対し、引 け目を感じてしまう専業主婦の方も一定数いて、逆に「家を守っている」と誇りを持って完 璧に主婦業をこなす方もいます。
または、適当に手を抜きながら与えられた環境を謳歌する 主婦もいるでしょう。
これはもう個人の性格としか言いようがないのですが。
いずれにせよ、全ての現在の状況は自分達が選んでいる、という事です。
愚痴を言う夫も、
何も出来ないと嘆く主婦も、
外で働く主婦も、
不本意だとしても変えようとしないのであれ ば、それはそれを選んでいるのだと思うのです。
良い悪いという意味ではなく、自己否定や 罪悪感を感じる必要はないのです。
多分、その友人の夫は働き、稼ぎ、家で仕事の愚痴を言 うのが好きなだけで、妻にそれを肩代わりして欲しいわけではない、と思うのです。
感謝され、認められ、褒められたいのかも。
自分が養える力がある事、金銭的に家族を守れる男だ と誇りたい。
妻は「偉いね、ありがとうね、お陰様、嬉しい」で良いのではないでしょう か?!
または将来のために何かを見つけ、今から取り組み、「稼ぐこと」の下地を作るのも ひとつ。
家庭は社会の縮図、強い者が弱い者を守っているようでいて、同時に、弱い者の存在によっ て強い者は支えられているのではないでしょうか。
強さ弱さは善悪ではなく、その時々で変 わったり、流動的なもののように感じます。
どちらか片方ということは有り得ず、目に見え る形や意味を超えて、互いに支えあい、守りあっているのだと思うのです。
そしてどんな状況もなるべくしてなった現在があるとしたら、それは心の奥底であなたが求 めた通りになっているという事です。
人生は思いのまま。
日々は優しい。