着物に込められた思い | 台湾で着物を楽しむ♫ hirokoの海外ブログ 〜4度目の結婚生活と着物のこと〜

台湾で着物を楽しむ♫ hirokoの海外ブログ 〜4度目の結婚生活と着物のこと〜

4度結婚したオンナの、「幸せ」の追求と日々。
5年間のタイ、バンコク生活から2018年末に台湾、台北に移住し、海外生活続行中です。
日常着として「着物」を愛用、旅行含め「着物」に関するあれこれを綴っています。
ライター・ラジオD J は、しばらくおやすみです。

 

私は着物を売った事がある。

 

一度も袖を通していない、嫁入りの時に持たせてもらった、訪問着一式、色無地一式と、喪服一式だ。

 

一式とは、長襦袢、着物、帯、帯揚げ

帯締め、草履、バックが、それぞれの着物に合わせて誂えたものだった。

 

 

訪問着は伯母からの結婚祝いだった。

それ以外は、それらを入れる桐ダンスの婚礼家具一式(ここでも一式💦)両親が揃えてくれた。

 

もう1人の叔母からは、小紋などの普段着物数枚と、ゆかた、をいただいた。

 

黄八丈だけは、中古だったが、何故か嫁ぎ先で数回着た。(多分自己流で、自宅で良い奥さんを演じたくて着たように記憶している)

 

かれこれ、30年近く前の話になる。

(遠い目…)

一度目の結婚の時の話だ。

 

 

 

 

3年前に、ここタイにきてから、

youtubeで習い、自分で着物を着れるようになったのだが、

そんな過去にも…本を見たりしたのだろう…忘れてしまった過去だが、

 

「ゆかただけは毎年自分で着ていた」のは、その頃からきているのかもしれない。

 

 

その一度目の結婚生活を終わらせる時には、多分持って出た…はず。

 

昔は、今のように着物を売っても二足三文という認識はなく、万が一嫁ぎ先で困った時には質屋に…という事なのだと勝手に理解していた。

(いつの時代だ?(笑) 本当に世間知らずで嫁に出たんだなぁと、今さらながらつくづく…)

 

本当のところは、嫁ぎ先で恥をかかないように?ハレの日に着るものとして持たされたのかな?

 

で、まさかの二度目の離婚の際に、現金化しようと、それらを箪笥ごと売ったのでした(>人<;)

 

まさかの二足三文( ̄◇ ̄;)

その場で査定してくれた方と喧嘩になるところでした。

 

特に着物好きな伯母が選んでくれた訪問着は、当時の私にはわからないなりにも、良いものだと言われて持たされたので、その着物の美しさが、申し訳なさと哀しさとでより際立ち、涙が出ました。

 

でも当時、新品の着物を箪笥ごと持っていても、この先も着ないだろう、と判断したんです。

 

 

だからなのか、

 

今になって、着物にハマり、

アンティークや中古や、新古の美品を手にすると、

あの時の気持ちがふと蘇る…

 

 

これは、どんな人がどんな思いで仕立てたものだろう。

 

どんなシーンで着ようと、誂えたんだろう。

 

 

嫁入り道具として実家から持ってきたものかもしれない。

 

人生の門出だからと奮発して用意されたものなのかも。

 

 

着た回数が少なかったとしても、袖を通さなかったとしても、着物には持ち主だけが知っているストーリーがある

 

 

そんな風に感じるようになり、

 

今は、タンスの肥やしにはしないからね、と

着倒す気持ちで購入している…。

 

 

きっと、日本全国、箪笥の肥やしの着物たっくさんあるんだろうな~~。

 

で、着物あるある、都市伝説に、

 

着物を着ていたら、好きだと周知されたら、

 

友人知人などから

着物が譲られて集まってくるという、

都市伝説?!

 

本当だった❗️

何と

私のところにも

「譲りたい」

「着て欲しい」

「捨てるのも売るのも出来ない…」

と、少しずつお話がくるようになった。

 

都市伝説ではなかった!!!

 

そうなんだよ、そう!

売ったところで、100万したものが、1000円になれば良い方。

酷いと500円にすらならない。

 

どうなっているんだろう??

 

価値って(>人<;)

 

リサイクルや何たら市で、ものすごく安く着物を買った、という自慢をたまに聞く。

私はまだそういう場所で買ったことはないのだが…

 

タイ、バンコクにもそんな場所はある。

3000円くらいで売っているのだ。まとめて買うと更に安くなる。

 

買い物上手な方は是非とも利用したらよいだろう。

 

私は、どうやらひと山いくら、という中からはうまく探す事が出来ない…。

 

だいたいお店が決まっているのだが、

アンティーク着物を購入する時は、多少高くても、その着物のストーリーの値段なのだと思うようにしている。

 

 

とにかく、着ても着ても、着ても、まだ眠っているんだと思う。

 

 

 

 

 

 

私は、着物を素敵に着こなしている人を見ると、

「ああ、素敵だなぁ」

「着物って、いいなぁ」

と思う。

 

だから、私もそれを目指して着ている。

私を見て、

「いい感じだなぁ」

「着物着たいなぁ」

と、思う人が増え、箪笥の着物を着始めたり、

買ったり、誂えたり、という人が増えたら嬉しい。

 

それは、

あの時、

あの着物の持つストーリーごと、

あの着物に込めた思いごと、

二足三文で、売ってしまった自分への

償いのようなものなのかもしれない。

 

 

 

きっと、私の袖を通さなかった着物は、誰かのハレの日を華やかに彩っている、と信じたい。

 

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