1月末のコラムをさてどうするか?

思いを巡らせる中で、やはり、このヒトのことを書き残しておこうという選択は、そんなに難しい判断ではなかった。

 

鈴木彩香さん

 

日本女子ラグビーのパイオニアと形容していいだろう。

もちろん、この形容が相応しいのは、岸田則子さんであり、JRFUの浅見敬子副会長なのは間違いない。

彩香さんの場合は、お二人たちがようやく築いた土台の上で、華やかに、そして力強くピッチの上で輝いて、女子選手の可能性を切り開いたという意味での開拓者だ。

 

 

 

 

それまでの女子選手にはない華麗なプレーと、少し目立ちたがり屋さんの性格を併せ持つアスリート。コラムでは触れなかったが、会見で自分自身の子供時代を「クソガキ」と表現していたキャラクターは、負けん気の強さも背景にあったはずだ。

 

会見途中までは、どこかの機会に単独インタビューでも…と考えていたが、会見で彼女が語ったことは、インタビューなしで十分なボリュームとクオリティがあった。

特に、女性アスリートとしての苦悩や難しさ、そして社会で活動していく一人の大人の女性としての視点や姿勢には、彼女のような足跡を残してきた女性だからこそ説得力のあるものを感じさせられた。

 

 

▲会見で一番の笑顔は、沢山の恩師、仲間からのビデオメッセージを見ていたとき

 

 

同時に、トップ選手として駆け続けた時間は、パイオニアだからこその過酷で孤独だったのだろうとも感じ取った。

 

すこし体とハートを休める必要はあるだろう。新婚生活も含めてだ。

 

だが、彼女がご自身の経験値や、ここまで思いを巡らせたものを、後輩たちへ注ぎ、社会で生かし、実現していくのは、まさにこれからだ。

それは、必ず多くの第2の鈴木彩香にとっては貴重な羅針盤になる。

 

 

 

 

とりあえずはお疲れさま。

 

そして、後半のキックオフが楽しみでならない。