昨日の出来事で既に「旬」ではないが、リヨンのおはなしを少々書き残しておこう。

 

曇天の湾岸をぶっ飛ばして東へ。

船橋・栄町の〝怪物〟オペティ・ヘルの移籍会見を覗いてきた。

 

縦・横・奥行きと相変わらず分厚い「立方体」に、柔和な笑顔での登壇が、なんとなくオペティの移籍への本音を物語る。

 

大きな理由はスクラム。

「フランスのレベルの高いリーグで成長を目指したい」と更なる進化を求めての決断だという。数年前から日本以外のさらにハイレベルなリーグでの挑戦は頭の隅にはあったという。チームやエージェント、さらに仲間からの誘いを認めているが、「まだその当時は、僕自身にそこまでの実力はなかった」と説明する。この発言からも判るのは、スピアーズとジャパンでの進化があったからこそ、結果的にオペティを海外へと後押しすることになったということだ。

 

そのジャパンでのプレーが〝ショーケース〟となり、海外強豪クラブの目に留まることになったのも間違いない。本人、笑顔で詳細は語らなかったが、複数海外クラブからのオファーがあったことは認めている。その中で、繰り返しになるが、スクラム強化には最適という判断で、フランスが誇るグルメタウンでのプレーを選んだ。

 

受け入れ先のクラブにも少々触れておこう。

 

スピアーズの公式リリースでは「LOU」。通称、略称だが、先に書いたように所謂リヨンだ。正式名称は「リヨン・オランピック・ウニベルシテル」。創部は1896年と、パリに次ぐ大都市のクラブに相応しいが、実力的には歴史のほとんが〝中堅〟という印象だ。この日の会見でも、スピアーズ関係者と「オタク(クボタ)が強くなり始める前の位置づけくらいかな」なんて雑談をしていた。現時点でのフランスTOP14でも、14チーム中11位という実力だ。

 

この順位を考えると、オペティにとってポジティブ要素は「プレー時間」だ。トゥール―ザンを退団した齋藤直人は、世界最高峰の#9と同じチームでプレーすることで、自身の成長を目指したが、プレータイムという観点では苦戦を強いられた。「学び」か「プレー時間」か――。この議論に正解はないが、自分が何を求めて強豪クラブに挑むかによってその価値は変わるものだ。

 

個人的には、より高いステージでプレーするなら、いかに長くピッチに立ってプレー出来るかは、選手個々が得るものを考えると相当価値のあるものだと感じている。もしオペティが、他の名立たる強豪クラブ以上に、リーグ11位のチームでプレータイムを稼げるとしたら、その恩恵はかなり大きなものになるだろう。まぁ、その成長が、オペティをさらなるフランスの強豪や、プレミアシップなどでの挑戦へと後押しするなら、日本代表とスピアーズにとっては大きな損失になるかも知れない。それでも、数シーズンとはいえ日本でインパクトを残した選手が、さらにステップを上がって行けるとしたら、その選択肢を尊重するべきだろう。個人としては、信条的にも心情的にも「個」を優先するべきだという価値観だ。

 

リヨンのハナシに戻るが、23年RWCでは、9月28日にトゥールーズで日本vsサモアの一夜明けで、そこそこ強行軍でこの町を訪れ29日のNZvsイタリアを観戦した。残念ながら試合会場のPO=パルク・オランピックはサッカーの本拠地だが、完成10年あまりの6万級スタジアムは壮麗な建造物ではあった。ただし記憶に焼き付くのは、試合後の〝事件〟だ。

 

主催者側からは、遅い時間帯に中心地までのメディア用シャトルバスがあるというインフォメーションがあったが、予定の時間を過ぎても一向にバスはやってこない。イタリアンのベテランジャーナリストも同じ〝罠〟にかかっていたが、そもそもフランス人の話を100%信じるのは間違いなのだ。だがそれでも、ご丁寧にメディアインフォメーションにも書かれていたことだ。そんな状況の中で、日付も変わった時間帯になり、既にスタジアム内外もゲームの後始末、清掃のするスタッフ程度しか残っていな状況になった時に、数名の帰宅しようとしたWR(ワールドラグビー)、組織委スタッフと遭遇。状況を説明すると、諸々連絡をとった挙句に、「どうやらシャトルはないようだ」と説明するのと同時に、「申し訳ないので、俺たちの車でホテルまで送るよ」と思わぬ提案をもらった。

 

おそらくホスト側としても、メディアに「噓の説明をされた」と書き立てられるのは得策ではないという思惑もあったのだろう。深夜のリヨンをかなり懇切丁寧に降りたい場所まで送り届けてくれた。実はこのリオンのNZ戦翌日はアルゼンチンの〝事前偵察〟も兼ねてvsチリを取材する魂胆だったため、深夜のリヨン駅で時間を潰して朝イチの列車でナントに向かう計画だった。そのため、ホテルではなくリヨン駅まで送ってもらい、始発を待ったのが事の顛末ではあった。

 

かなり脇道に逸れてしまったが、スタジアムのハナシに戻ろう。

ラグビーは、やや小ぶりなスタッド(ドゥ)ジェルランが本拠地ではあるが、それでもキャパシティは4万超となかなかのもの。観戦し易さでは、むしろこちらの器のほうがベターかも知れない。願わくは、オペティがリヨン人の不確かな情報で深夜~未明に路頭に迷うことがなければいいのだが…。

 

そして、ファンは気になるオペティの移籍の詳細だが、結論から書くと完全移籍になる。府中のワーナー、原田のような、いわゆるレンタルで日本国内での契約を継続しながらの挑戦ではないのだ。代理人マターということもあり、本人はあまり詳細には触れなかったが、2年契約というよりはむしろ1プラス1、つまり2シーズン目はオプションないし要相談という内容だという。

 

勿論、本人は「戻って来てスピアーズでプレーしたい気持ちはある」と話しているが、その気持ちに偽りがない一方で、彼が望むような活躍が出来れば〝復帰〟の可能性は遠ざかるという皮肉な現実もあるだろう。そして「代表」については、今回メンバーから外れているように、当面はリヨンでの順応に注力することは、エディーとも相談済みだという。気掛かりは、ジャパンがオペティもプレーするヨーロッパへ出向く秋のテストウィンドウに参加が出来るのか。そして、育ったオーストラリアが舞台となる1年後に、桜のジャージーを着るのか。全ては、新天地でプレーを始めてから見えてくるだろう。

 

 

 

今季のリーグワンは、長く日本ラグビーを支え、盛り上げてきた男たち、個人的には様々な形で長い付き合いになった選手たちが、数多くジャージーを脱いだ。

 

その中で、コラムに書いたのは、この男だった。

 

 

 

 

コラムの中でも触れたが、あの一言への〝回答〟をしなければならないという気持ちもあった。だがそれ以上に、完璧な聖人君主でも極悪人でもない、独特の人間臭さは書き残す価値は十分あると判断した。勿論、今季の引退者の多くは同様に人間臭い男ばかりでもあるが。

 

垣永真之介というラグビープレーヤーの全てを書き尽くしたというものでは到底ないが、東京にやって来てから見つめてきた足跡はなんとか認めた。多くの選手同様に、その活躍を新聞記者として、フリーランスライターとして充分には文章に出来なかった申し訳なさは痛切に感じる。そんな罪滅ぼしとまではいかないが、最後の〝一行〟は活字で残しておきたかったし、残すべき存在だっただろう。

 

パッションを持ちながら、ヘンにウエットにならず、どこまで真剣でどこまで受け狙いか――というコメントが次々と口を突く。だが、本気か冗談かは問わず、その言葉には、偽りのないストレートな思いが籠る。自分の想ったこと、感じたことを表現する――それは言葉でもだが、コラムでも紹介した行動=事業でも、特有の感受性を感じさせる。そんな話ぶりも、カッキーの大きな魅力かも知れない。

 

同時に、エリート畑を突き進んできた経歴の中でも、ファン、選手への眼差しは決して下向きにならない。ここは根っからの人間性も大きいが、ラグビー選手としてのキャリアの後半の苦節も影響しているのかも知れない。コラムでも紹介した立川ハルさんとのラジオの下りは、そのおかげでファンの声をダイレクトに聞けたこと、そんな声に有難みを感じたカッキーの感受性がそうさせているのだろう。

 

まぁ向上はほどほどに、概ねはコラムに書き残したので、拙文ご一読を。

 

 

 

認識されてるのはいかほどの人たちか…。

 

なんてエラそうに書く前にオマエがしっかり書いておけと怒られそうだが、東芝ブレイブル―パス東京は唯一定期的に「定例会見」を行ってきたチームだ。

 

「なんじゃそれ⁉」

 

という輩もいるかも知れないが、まだに文字通り「定例の会見」だ。

6月11日に府中くんだりまで行ってきた。

薫田真広社長(兼GM)が事業面を中心に、会社の状況や取り組み、新たな戦略を語り、状況に応じてHCやキャプテンが登壇して、チームの近況や前節の振り返り、次戦への意気込みを語る。先ずは強面(失礼)社長のシーズン総括の挨拶を。

 

「クラブとしましては3連覇がかかったシーズンでしたが、結果は中々満足いかない1年だった。初めての7連敗も喫しましたし、開幕と最後の埼玉パナソニックワイルドナイツとの2試合をみても、決して満足いく試合じゃなかった」

 

この発言は、GMという立場を踏まえたものだったが、社長としてのコメント、つまり事業面での説明は興味深いものだった。親会社(東芝)からの提供資金こそ非公開だが、毎回、事業に関わるそこそこ踏み込んだ数字も明らかにしているのが、このチームの定例の特徴でもあるが、この日公開された数字=2025-26年収支の一部をお伝えしておこう。

 

 

【2025-26年シーズン事業売上高】

総額 11億970万円 154%

(スポンサー、母体企業支援除く)

《内訳》

スポンサー収入 7億5300万円  210%

チケット収入  1億9800万円    98%

(1試合入場者数     12781人      126% ※リーグ最多)

グッズ収入      8800万円    87%

ファンクラブ収入   4470万円  126%

アカデミー収入    2600万円  124%

※%は前シーズン比

 

 

売上が2桁億円というのは、スポーツビジネスを広く見渡せば大した額ではないかも知れないが、薫田社長が「聞いたことは無い、おそらくウチだけだと思う」と語ったように、ラグビー界ではエポックな数字だろう。ラグビーもようやく20億、30億という数字を目標に掲げる時代になった。

 

錚々たる――という表現はすこし持ち上げ過ぎだろうか。

しかし、薫田社長も「グラウンドの結果に反し、事業の数字では成長出来た。数字狙いにいって取れたという意味では事業スタッフよくやった」と評したようにリーグ6位、準々決勝敗退に終わったチームとしてはかなり善戦と見ていい数字だろう。昨季まで連覇を遂げていたチームという恩恵を踏まえた上でも。

 

マイナス成長となったのはチケット収入とグッズ販売。ここはチームの不振が如実に表れたようだ。見方を変えれば、成績的にはかなり落ちたところで、下落をこの程度に抑えることが出来たのは上々かも知れない。

 

収益のバランスがスポンサーに大きく依存しているとも解釈出来るが、ここはリーグワンという事業の現状が反映されている面もある。先ず、致命的にチケット総数=座席数が少なすぎる。確かに集客力(ホストゲーム)もリーグ最高位のこのチームでも1万2000人台程度ではるが、2万~3万人というキャパのスタジアムが安定的に確保出来ない国内&ラグビー事情では、この数字を拡大するには、そこそこの努力が求められる。

 

同時に、開幕戦でチームが実施した「4万人プロジェクト」のような取り組みでは、どうしても収益以上に集客を重視するため、地元小学生などの招待の比率が高まり、結果的にチケット収入にも影響するからだ。

 

そのため、まだまだ事業化過渡期のリーグワンでは、やはりスポンサー収入に依存せざるを得ない。理想としては、この売上の中でリーグ側の収入や分配が、チームに還元されることが増えれば。このリーグの収益性は、NTTグループ等の大口なスポンサーでリーグも善戦する一方で、放映権など海外リーグでは大きな収入になるフィールドに開拓の余地がある。ま、ここらのハナシはまたあらためて。

 

ピッチ上の総括はトッドさん自らが登壇。優勝から6位へ転げ落ちたシーズンを受けて、こう発言している。

 

「望んだ結果にはならなかったが、来季へ向けてこの4項目を準備していきたい」

 

その4項目は、

①     セットピースの改善

②     ハイボール

③     スキル、遂行力の改善

④     ディシプリン

 

④ディシプリンに関しては数シーズンに渡る課題で、今季もワーストの235。勝敗にも大きく響いた。伝統的にはスクラムにこだわってきたチームだが、その破壊力は年々薄れ、ストーバーグは獲得したもののワーナーのような「高さ」を欠いたのも響いた。注目は②。従来、トッドさんがこのチームに落とし込んだスタイルは、パス重視のボールを展開するラグビー。しかし、シーズンを重ねる毎に相手は「基本蹴ってこない」という防御を敷くことで、強みを期待通りに生かせない試合も何度もあった。リーグワン参画チームの、相手の戦術に対する対応力はシーズン毎に高まっているのも響いた。③の遂行力の低さも、この防御し易いチームに転じたことも大きな要因だ。勿論、ここまでもキック0で戦ってきた訳ではないが、アタックバリエーションにキックを増やすことで、自分たちの強みを生かせることが出来れば、再び対戦相手の〝厄介度〟は高まるはずだ。

 

トッドさんの振り返りの中で、こう語っている。

 

「前シーズンまでに感じないプレッシャーがあった」

 

様々に想像は出来るものだが、本人に具体的にどんな部分がチームにプレッシャーとなったのかと聞くと、こんな説明をしてくれた。

 

「連覇した2シーズンはリーグで一番ボールをキープして攻め続けて、キックは最小でした。でもことしは一番ではなかった。相手にアタックを分析され、読まれる中で、どこかで手詰まりになる中で蹴る判断に踏み切れるか踏み切れないかと迷いがあった。2連覇をするところで機能していた部分、自分たちを高みに連れて行ってくれた要素を信じ続けるのか、すこし課題は残るが、もしかしたら何か糸口になる戦術を採用するのはというところは、ものすごく難しい判断を1年通して強いられました」

 

この4項目とコメントから想像力を掻き立てられるのは、捲土重来を目指す来季は、勿論いきなりキッキングチームは在り得ないが、トッドさん流のアタッキングチームを貫きながら、キックも上手く混ぜ込みながらのアグレゥシブさ溢れる新生ルーパスを見せてくれる期待感だ。

 

HCマターはここらへんで、会見最後に登壇したマイケル主将にも、自身のパフォーマンスに関してすこし触れておこう。

 

なんども触れてきたが、今季のマイケル。否、今季前からだが、彼の持つポテンシャルとしてはベストじゃないと個人的には感じてきた。今回のシーズンを終えての会見では、こうぶつけてみた。

 

「個人の数字的にはいいものもあるが、観ている側としてはパーソネルベストとは言えないシーズンだと思うが、本人はどう感じているのか」

 

それに対するマイケルは、こんな振り返りをしている。

 

「過去3年間自分の中ではパフォーマンスは上がって来た。今年は、シーズン前の代表での怪我で、その期間出来なかったものも感じていて、それが影響しているかなと思う。パフォーマンスはシーズン通して少しずつ良くなったと思うが、ベストではないなと。アスタッツは良くても、質はまだまだ上げないといけない。特にコリージョンエリアはかなり下がっている。理由がフィジカルなのか、スキルなのかそこはいま探しています」

 

アスリートの宿命ではあるが、確実に年齢による〝減退〟は免れない。だが、その一方で、リーチマイケルというアスリートを舐めてはいけない。彼の持つポテンシャル、経験値は、まだまだこの男を磨かせるものを備え持つ。何を磨き込み、鍛え上げ、新たに付け足していくのか。この選択を正しくすることが、マイケル再生の大きなテーマになる。ここは、もう一つの〝所属チーム〟日本代表での活躍、そしてチームのパフォーマンスにも大きく影響するだけに、是非、上手く克服して、バージョンアップを求めたい。

 

帰り際には、思わぬ遭遇もあった。

昼過ぎという時間帯もあり、チカバで昼食をと思いながら歩いていると、なにやら複数の人影が…。近づいていくと、大男と標準サイズの外国人。さらに近づくと、見覚えのある風体だ。

 

「どうしたの? チーム会見? どんなこと話すの?」

 

気軽に話しかけてきたのは、5週間程前に府中でのキャリアを終えたリッチー・モウンガだった。一見用心棒風の大男はセタ・タマニバル。この2人だけじゃなく、チームで〝オキニ〟の定食屋に入ろうとしているところだった。

 

「そう。きょうが最後の〇〇屋なんだ」

 

なにやらしみじみと、名残惜しそうに話したリッチー。

プライベートな時間を尊重したかったので、早々に立ち去ろうと「寂しくなるよ」と右手を差し出すと「俺もだよ」と応じてくれた。

 

別れ際の挨拶はお互いに「また会おう!」

立ち去りながら「来年のオーストラリア。その後はまた府中で!」と声を掛けると、ニカっと笑って手を振った。週末に予定されている「ファン感」の後に故郷へと帰る。イベント取材は現状ペンディングのため、場合によっては本当に来年秋のオーストラリアで再会かも知れないが、心の中では、どうせなら日本復帰で再会したいものだと思いながら、昼メシ物色へと気持ちを切り替えた。

 

 

 

リーグワン閉幕を待つように桜のジャージーが動き出した。

 

この日(6月10日)は、宮崎合宿参加メンバーのお披露目。詳細はJRFUのHPで既に確認された方も多いだろうが、年始にリリースされた55人の候補から顔ぶれ35人が発表された。同時にトレーニングスコッド21人も発表されて、13日からの宮崎合宿に参加する。

 

 

 

 

今回の35人。4か月前のスコッド以外からは6人が選ばれている。この期間でのリーグワン等でのパフォーマンスが評価されての〝飛び級〟ではあるが、FB上ノ坊駿介(スティーラーズ)のように「ようやく入ったか」レベルのポテンシャルもいれば、PRイジー・ソード(スピアーズ)や、限られた枠に北條拓郎(ヒート)、渡邊晴斗(近畿大④)の2人が初選出されたSH勢など、まだまだ可能性を見極める必要がある素材も選ばれている。

 

#9は齋藤直人(スタッドトゥール―ザン)以外の3人がキャップ0という異例の若さにはなったが、上村樹輝(スティーラーズ)に関しては優勝シーズンの赤いジャージーのパフォーマンスで十分に齋藤、負傷離脱の藤原忍(スピアーズ)と遣り合える力は証明している。つまり〝1年半後〟は、評価が大きく変わらなければ齋藤、藤原に続く第3枠を、上村を始め、北條、渡邉、そして選外になった土永旭(イーグルス)らが争うことになる。

 

目先の、つまりこの夏からのテストシリーズの勝ち負けを考えれば、昨秋強烈なプレゼンスを見せたFLタイラー・ポール(スピアーズ)、同じく八面六臂の活躍だったCTBチャーリー・ローレンス(ダイナボアーズ)、そしてNo8ファカタヴァアマト(ブラックラムズ)、CTB/WTB長田智希(ワイルドナイツ)ら経験組、代表デビューを目指すLOルアン・ボタ(スピアーズ)ら〝即戦力組〟のコンディション不良による選外は残念だが、エディーは「多くの選手のコンディションは4週間前後で戻る。ワラビーズ戦辺りまでに代表に入れる選手もいるだろう」と、復帰を待ち侘びる。

 

ボタに関しては、LOは有り難いことにワーナー、ホッキングスら200㎝クラスが居並ぶ中で、パワー勝負の局地戦では、やはり他のメンバーにはないボリューム感の持ち主。年齢の難しさはあっても、ネイションズCのような対戦相手(来年の本チャンならvsフランス)には使いたい選手ではある。ただし、エディーの求めるジャパンの完成形が実現するなら、ルアンの機動力は疑問になるかも知れない。

 

35人の中でのノンキャップは10人。RWC2027が近づく中では10人と考えるとやや多い印象を持つが、《主要な顔ぶれ》と捉えると、実はすこし面白みのないほど大変わりのないメンバーでもある。来年のコアメンバーは固まりつつある。むしろ、個々の選手自身のパフォーマンスを基準に考えればリーグワンで〝パーソナルベスト〟とは言い難かったNo8リーチマイケル(ブレイブルーパス)、CTBディラン・ライリー(ワイルドナイツ)ら、本番で上位を倒すには不可欠な力が、どこまで夏のテストシリーズでハイパフォーマンスを出せるかが注目材料でもある。

 

一方で21人が宮崎に呼ばれたトレーニングスコッドに目を向けると、WTBジョネ・ナイカブラ(ブレイブルーパス)、メイン平(ブラックラムズ)ら実績組に混じりSO北原璃久(ヒート)が選出されているのは興味深い。NZ仕込みのファーストファイブエイス。ボールを動かすための引き出しは持っている。サイズをみれば、対戦相手はどのチームも狙ってくる中で、どこまでテストラグビーレベルでフィジカリティーを出して戦えるか。試金石を乗り越えることが出来れば面白い。

 

すこしコラムを構想しているので軽く触れておくが、新しい顔ぶれ(否35人トータル)で注目はSO伊藤龍之介(明治大④)とFB上ノ坊。ここまでの実績では、当たり前の2人だが、会見でのエディーの思い描く戦略を考えると、この2人の存在が更に興味深いものになった。先ずは、そう容易ではないテストデビューを果たせるか。注目のテストシリーズは、尾張でのジャパンXVvsマオリのカーテンレイザーから始まる。

 

 

(追伸)

因みに、メンバー会見前には数週間前のエディーの〝不祥事〟に関する謝罪と質疑応答もあった。あまりエディーを擁護する気はないが、一部SNSで触れた通り、個人的な意見では、些細なはなしだと思っている。この日の質疑も、なんだか子供じみた遣り取りと感じた。勧善懲悪空気が濃い。この時代のモラルでは非難されるのかも知れないが、レフの「?」の笛に、チームのために噛みつけるくらいのコーチのほうがいい。取材する側も本当に問題だと感じるなら〝対岸〟から石を投げるような取材はなんだかな――という心象だ。

 

 

 

月曜日のアワードを持ってリーグワン2025-26は幕を閉じた。

皆さん、どんなXVを選んだでしょうか?

 

一応、受賞者を書き留めておくが、発表前の〝先出しじゃんけん〟で既に本ぶろぐに上げているヨシダチョイス=メディア投票は、いつも通りかなり相違のあるものに。

昨今の選考をみると、より多く違っている方がいいとも感じるので、昨季の5人から10人へと増加はいい傾向だろう。

 

で、アワード会場での〝情報〟を。主に来季リーグについてだ。

 

来季に関しては、12月中旬の開幕、6月初旬の閉幕、大会フォーマットは変化なし。プレーオフ6チーム制も変更なし。但し、カンファレンスの形態は、交流戦カードのアンバランスさを踏まえて修正の方向だという。

 

閉幕=決勝に関しては、その後のRWCプレシーズンで、代表強化にはすこし前倒しでいいかと思っていたが、従来のカレンダーで。

入替戦試合方式は検討中だ。

 

個人的にはプレーオフ3位決定戦は廃止でいいが、どうやら継続。

RWCでの3決は百歩譲ってアリとしても、クラブリーグではどうか? いくらラグビーの試合での負傷はやむを得ないとはいえ、選手ファーストなら、例え数パーセント、コンマ数パーセントでも、このゲームで次シーズンや選手生命に関わるような怪我の可能性があるなら、リスクは避けるべし。

今季の3決のアンフォースドエラーの多さだけでも、この試合に臨む選手の難しさを証明している。

 

シーズン前の「ライジング」も継続だが、参画チームは増加の見通し。試合数は変更なしという。将来的には現行の〝交流戦〟レベルの形式をリーグ戦化して、その成績をリーグワンへも反映させたいという。確かに、大会のヴァリューを高めることはアリではあるが、重要なのは本チャンのリーグワン。あまり本気度の高いプレシーズンを科すことでチーム、選手にリスクや過度の負荷をかけるのは疑問だ。

 

リーグワン誕生から危惧している、ホストエリア以外、つまり日本の都市圏以外の大半の地域でのリーグ及びラグビー自体の普及は、来季もあまり、否かなり期待は持てない。

 

随時、都市圏外のチームの参入を促していくというが、そのレベルにあるチームが存在するのかと考えれば非現実的だ。東海林専務理事は、この〝地方置いてけぼり〟現象については、既存チームの「セカンダリーエリア」への期待を語ったが、これも既存のセカンダリーエリアの状況では、そもそもエリア数からして効果的な普及、ラグビー空白地帯の減少にどこまで繋がるかは疑問だ。

 

厳しく書けば、絵空事の地方普及ばなしをしている間に、リーグは5シーズンを過ぎている。つまり地方〝放置〟も5年が過ぎている。1シーズン、2シーズンでホストチーム、試合開催のない空白地域を埋められないのなら、JRFUとも連携しながら、代表、リーグワンチーム・選手にも協力を得ながら空白地帯での普及活動に力を注ぐべきだろう。

 

 

League One2025-26 BestXV(■=ヨシダチョイス)

PR① C・ミラー(ワイルドナイツ)■高尾時流(スティーラーズ)

H O    M・マークス(スピアーズ)

PR③ O・ヘル(スピアーズ)■P・ライアン(ブラックラムズ)

L O B・レタリック(スティーラーズ)

              H・ホッキングス(サンゴリアス)■E・ハアンガナ(Wナイツ)

F L A・サベア(スティーラーズ)■T・ポール(スピアーズ)

              T・コストリー(スティーラーズ)

No8 マキシファウルア(スピアーズ)■W・ララトゥブア(スティーラーズ)

S H TJペレナラ(ブラックラムズ)

S O 山沢拓也(ワイルドナイツ)

CTB  T・イオアサ(スティーラーズ)■J・クリエル(イーグルス)

              A・レイナートブラウン(スティーラーズ)■R・トンプソン(Bルーパス)

WTB 竹山晃暉(ワイルドナイツ)■J・ナコ(ダイナボアーズ)

              M・テレア(ヴェルブリッツ)■メイン平(ブラックラムズ)

F B C・コルビ(サンゴリアス)■S・スティーブンソン(スピアーズ)

 

MVP B・レタリック(スティーラーズ)

新人賞 上ノ坊駿介(スティーラーズ)