マニュアル車に乗るなら、シフトチェンジを楽しみながら乗りたいけど、86のミッションはお世辞にもシフトフィーリングが良いとは言えません。KOUKIでは改善されたとか、オーバーホールすると良くなるとか、色々な話はありますが、出来ることならクラッチやオイルで何とかしたいと思っての交換でした。
実際、
ハイパーシングルVF交換後によりイナーシャが減った効果で、空吹かしのレスポンスは非常に良くなり、シフトダウンが楽しくなりました。でも、代わりに、クラッチは重く、こもり音は大きくなり、ギアの歯打ち音も大きくなりました。
一方、クラッチディスクの小径化によりギアが入りやすくなることを期待していましたが、ここはあまり変わらず・・・。イナーシャの影響はあまりないのかもしれません。それよりも、Moty'sのミッションオイルを入れてもらったところ、シフトの入りが良くなりました!
やっぱり、オイルって重要ですね!
その後、シフトが再び渋くなることがあり、停車状態で1速に入らないことが多くなり、信号待ちの後などに後ろのクルマに迷惑を掛けることも・・・。ブレーキを踏まずにクラッチを踏んで1速に入れようとすると、クルマが前に進む・・・ということから、クラッチのキレが悪いと推定。
クラッチラインへのエア噛みやフルードの漏れ、クラッチフォークの曲がりなどを疑って確認しましたが、特に問題ないので、クラッチに原因があると言う結論に。
色々な人に相談した所、「ORCのLightクラッチが良いよ」という話があり、400Lightなら今のパワーならギリギリ大丈夫と言うことで交換を決意。
先回の検討では2番目に挙げていましたが、ディスク径が225mmと言うことで選びませんでしたが、ディスクイナーシャを下げても自分の場合あまり効果が無かったと言うことから今回は225mmでも良いかと言うことで、ORCの400Lightに決定。
早速、エンジンハンガーでエンジンが傾かないように支えておき、ミッションを外します。
外れました。
レリーズフォークとレリーズベアリングを確認。
汚れはありますが、引っ掛かりなどの異常はありません。掃除してグリスを塗って新品のレリーズベアリング、強化レリーズピボット、強化レリーズフォークを取り付けておきます。
次にクラッチ。
外見上は特に異常なし。
次にカバーの内側。
ん? レコード盤のようになってる?
ディスクを確認すると、
メタルフェーシング側をよく見ると、
何とリベットが削れてました。
オルガニックフェーシング側はリベットまでに余裕があるのに・・・
既に寿命? 交換してから4.4万キロですが、少し早くないですかね。ドリフトでクラッチ蹴るとか、ゼロヨンとかやる訳でもなく、毎日通勤で高速を含む80kmを走行してるだけなのに・・・。
フライホイール側も確認。
こっちはカバー側程のレコード盤にはなってませんでしたが、何か色ムラが・・・
拡大してみると、
やはり部分的に変色しています。
推測ですが、メタルフェーシングを使い切り、リベットがカバー側の圧着板に当たって削れ、結果クラッチのキレが悪化したのではないかと思います。
と言うことで、ORCの400Lightです。
パイロットベアリングと、レリーズベアリング、フライホイールボルトは純正新品を用意。
クラッチフォークと
ピボット、
クラッチホースも念のためCUSCOの強化品に交換します。これでキレもバッチリでしょう!
質量はと言うと、
11.6kgでした。純正が15.4kg、ハイパーシングルVFが10.4kgだったので、今までよりやや重たく、純正よりは軽い感じですが、フライホイール外周部に穴を開けて軽量化してあるので、イナーシャは軽い!?
早速、レリーズベアリングを打ち込んだフライホイールを新品のボルトでクランクに取り付けます。ボルトの締め付けは均等に、慎重に。
次にディスクとカバーを取り付けます。
カバーはORC指定トルクでネジロック剤を塗って締め付け、クラッチのスプライン部分にグリスを少量塗っておきます。
そしてミッションをエンジンにドッキング。水平に入れたかったのですが、斜めにしないと入らず、斜めにしたまま格闘していたらその間に大量のミッションオイルがプロペラシャフト差し込み部から漏れてしまいました・・・。
修理書ではオイルを抜くことになっていますが、自分はいつも水平キープでそのまま脱着するのですが、それが裏目に。慣れている所ではプロペラシャフトの先端だけ用意しておき、それを差込んで漏れないようにしていると思いますが、そんな物も持っておらず・・・。
ところが、漏れたオイルを受けた受け皿を見てみると・・・
う〜ん、キタナイ! まだ2万キロしか走ってないのに・・・
クラッチのキレが悪いままに結構乗っていたので、その間にシンクロに負担を掛けてしまったのかもしれません。
と言うことで、急遽ミッションオイルも交換することに。
M405Mも
M403も100%化学合成油の75W-80なのでそんなに大きな差はないでしょうと言うことと、今回2万キロで結構汚れていたので、汚れ具合や
M405Mと
M403の違いを見るためにも少し短めの交換にしてみようと言うことで、このオイルにしてみました。
クラッチホースを交換し、クラッチフルードを入れたら完成!
ECUの学習がまだまだなのでエンジンはモッサリしていますが、クラッチは軽い! 切れる! ドライブがかなりラクになりました。
これでECUの学習が進み、エンジンのフケも良ければかなり良くなりそうです。これで、2000〜3000rpmで少しアクセル踏んだ時の息付きが直ればかなり楽しく乗れるクルマになりそう!
この緑で囲った部分でスロットルは ほぼ一定(黄色い線)なのに、空燃比が一旦9くらいまで濃くなり、その後20くらいまで薄くなる動きがあり(青い線)、その際に前後Gが大きく振れています(オレンジの線)。
前後Gが下がって上がる挙動は「息付き」のように感じられ、シフトアップしてクラッチを繋ぐタイミングでもこれは起きるので、非常に不快なんです。
上記データを見ると、前後Gの変化後に空燃比が20を超えているので、恐らくこの空燃比20以上と言う非常に燃料の薄い状態でエンジンのトルクが下がっているのが原因だと思っています(空燃比は排気ガスで測定しているので、排気ガスがセンサーまで到達する時間遅れと、センサー自体の応答時間があるので、必ず遅れて表示される)。
これも追々。