前回からの続きになります。

 

前回はマニュアルクラッチのお話でしたが今回は遠心クラッチ等の話です。

 

遠心クラッチはノーマルでも強化クラッチでもクラッチ板は2枚タイプです。

違いは内部の重りの数とスプリングの強さの違いです。

 

遠心クラッチの場合はほぼ一次クラッチ、要するにクランクシャフト右側に直接ついているタイプが殆どです。

タイカブや中華エンジンの中でまれに二次クラッチタイプが有るようですが現在ではほぼ見かけません。

 

社外の遠心強化クラッチはほぼ純正カブ90と同等の様です。(メーカーさんいわく)

なのでクラッチ板が二枚タイプだとある程度ウエートとスプリングを強化しても排気量とパワーには限界が有ります。

一次クラッチの場合スペース的な問題も有るのでクラッチ板の枚数と内部ウェートの数にも限りが有りますので・・・

 

一般的には使用するシリンダーヘッドにもよりますが遠心クラッチの場合100cc位が限界と言われています。

パワーで言うと10psだと滑る感じです。

某メーカーさんいわく、100cc位のレギュラー系ヘッドでもしばらく乗ると滑ると言う話です。

 

マニュアルの強化3枚タイプのクラッチでも現在の106ccヘッド付きボアアップキット(10-12ps)で限界だとメーカーさんも言われています。

 

以前のメールで某元プロの記事を書きましたがあの方が124ccの遠心クラッチエンジンを出品していましたがおそらくクラッチがすぐに滑ると思います。

 

遠心強化クラッチの場合、ハイパワーと大排気量にある程度は耐えられますが半面、シフトした瞬間の反動が大きくなる様です。

 

遠心クラッチでこれからボアアップ等を考えられている方は色々な面でも考える必要が有るかと思います。

 

 

 

 

 

今回はエンジンのパワー(排気量)と強化クラッチの関係を書きたいと思います。

 

まずクラッチの話から・・・

 

 横型エンジンのクラッチはATは別にして大きく分けて2種類あります。

まずカブやシャリーなどに使われている遠心クラッチとマニュアルクラッチの2種類が有ります。

 

遠心クラッチはカブやシャリー、初期のDAX、モンキーなどに使われていますが要はハンドル左にマニュアルクラッチレバーが無い物でシフトペダルをそのまま踏んでシフトするタイプです。

画像はセル付きですが遠心クラッチです。(クラッチカバーの形を見比べてください)

 

マニュアルクラッチはハンドル左手にクラッチレバーが有りレバーでクラッチの入り切りを操作してシフトチェンジするタイプです。

カバーの形が違うの分かりますか?

 

どちらもノーマルのクラッチは内部にクラッチ板と言うパーツが有りマニュアルがクラッチ板が一枚遠心は2枚のクラッチ板構造になっています。

ボアアップ等した場合ノーマルクラッチだとパワーに負けてクラッチが滑りますので良く聞く強化クラッチに皆さん変えられますが・・・

 

遠心クラッチの場合ノーマルが2枚クラッチ、強化タイプも2枚クラッチですが違いは内部におもりが付いていて、そのおもりの数の多さと内部のクラッチスプリングの強さでノーマルか強化かの違いです。

 

マニュアルクラッチはノーマルが1枚、強化クラッチは2もしくは3枚クラッチになっています。

 

マニュアルクラッチには又2種類あり、一次クラッチと二次クラッチが有ります。

違いは一次クラッチがノーマルと同じクランクシャフトの右側にクラッチが付いています。

 

二次クラッチはノーマルの画像にある左側の大きなドリブンギアの位置、ここはミッションギアのシャフトになりますが、この部分にクラッチが付きます。

画像は武川のスペシャルクラッチと言われる物です。

 

強化タイプのマニュアル一次と二次クラッチの大きな違いですが・・・

マニュアルクラッチの場合一次タイプはスペースと構造上通常は2もしくは3枚タイプが殆どです。

二次クラッチはクラッチカバー自体がノーマルとは別な専用カバーを使用するのでスペース的に3枚以上のクラッチ板取付が可能です。

社外だと3枚から最近では6枚と言う物も有ります。

純正だとCD90が二次クラッチですがクラッチ板は4枚です。

 

クラッチは板が多ければそれだけハイパワーに耐えられて滑りにくくなるのが一番の違いです。

一次と二次の場合同じ3枚クラッチでも一次はクランクシャフト直に付いていて二次はミッションシャフトに付いていますがクランク直だとエンジン回転数が1万回転だとクラッチも同じ回転で回ります。

二次クラッチの場合クラッチからギアシャフトへ駆動が行く際ギアでワンクッション減速されるので同じ1万回転でも少ない回転数で回ります。

なので同じ3枚クラッチでも二次クラッチの方が滑りくくなります。

 

二次タイプのマニュアルクラッチでは乾式と言う物もあって、通常横型エンジンは湿式、要するにクラッチがオイルに浸かっているタイプでがこの乾式はオイルに浸かっていないタイプで湿式よりさらに滑りにくい構造です。

通常マニュアル式はワイヤーでクラッチを操作しますが油圧式の物も有ります。

 

長くなりましたで次回は遠心クラッチ等話を書きたいと思います。

 

一流のプロ?でも知識の無さは致命的です。

 

今回相談者様がOH等を依頼した自称プロの方の話になりますが・・・

 

その方はヤフオクでチューニングしたエンジンを売っている方で自称元ワークスのチーフメカだっだそうで、普通のプロより技術等はすごいのだと思います。

 

HP等も見ましたが個人的には尊敬する方と思っていました。

残念ながら今回の色々な事で正直がっかりと残念に思います。

 

今回は私の所感です。(少し辛めなコメントしています)

 

今回の件は二回目のOHを依頼する前から依頼者様と相談等のやり取りをしていました。

依頼者様が指摘した部分のアドバイス等もしています。

 

今回の依頼者様のようなある意味被害者が出ない事を思い今回の書き込みをいたしました。

 

 まずオイル漏れは絶対に起こらないとは言い切れない部分も有りますが粗悪ガスケットならばあり得ます。

依頼者様も同じ事を感じておられていた様ですがプロなのにパーツの見極めが出来ていないかと思います。

私も中華パーツやガスケット使いますがあそこまでひどい物は見れば分かりますし使いません。

まして依頼者が希望しているパーツは使わないとダメですし仮に使わない状況ならばしっかりと説明等して了解を得てから組付けするのが常識ではと私は思います。

中華ガスケットが吹き抜けし又同じ事がおきないよう対処するため依頼者様がキタコ製を指定したのに又中華ガスケットを使うなど普通ではあり得ないと思います。

 

 知っていて使用しているのか、知らないで使用しているのか・・・

どちらにしてもパーツの見極めが出来ていないと思います。

 

 オイルポンプにしても最初から12Vポンプだったのか今回のOHで12Vに変えたのかは依頼者様も確認していないので分からないと言われていましたが、クランクのダメージ等を見てもこのような内容だと最初のOH&ボアアップ時すでに12Vに変えられていた可能性も大だと思います。(依頼者は自身で付けた6Vポンプをそのまま使うと聞いていたそうです)

仮に最初のボアアップ&OHで6Vポンプを使っていたとすればプロが推奨するクランクシャフトは寿命が3千キロ持たないと言う事になるかと思います。

 

今回シフトアップの新品クランクを依頼、使用していますがオイルポンプの取り付け、クランクケースの加工等の不備で新品だったクランクですがコンロッドのクリアランスが新品とは思えないほど広くなっていて消耗していたそうです。

原因は6Vクランクケースの12Vポンプ変更時の加工がしておらずポンプの機能がほぼ無い状態でオイルが回らなかったのが原因です。

OH後50キロ位テストしているそうですがこの50キロであれだけのクランクダメージは普通ではほぼあり得ない所です。

 

 再OH時タペットクリアランスの広がりが有り、その際ヘッドのカムとロッカーアーム摩耗が原因と言いつつ依頼者へ最終的な原因報告もしておらず再OHも同じ位のクリアランスになっていたと言う事はプロのタペット調整はいつもあのクリアランスになっていると言う所かと思います。

ちなみにヘッドのカム、ロッカーアームは焼けが多少有ったが摩耗等異状なかったそうです。

OH後テスト走行するそうですがわざわざするテスト後にクリアランス等の再確認をしていないと言う事かと思います。

テスト走行も良いと思いますが再確認は必要だと思います。

 

 最初に使ったプロ推奨クランクシャフトは交換が必要との事でシフトアップを希望したら振動が出るとか言われたそうですが正直私も使用しているのでとアドバイスして結果シフトアップに、テスト走行では振動も無く良好と言っていたので依頼者様と爆笑でした。

 

 前書き込み内容以外にも腑に落ちない点がいくつか有ったそうです。

*まずOHしたにもかかわらずクラッチ内部の清掃がされていない。

*網製オイルフィルターがゴミだらけ。

*シリンダーは大きなものでは無いが傷とピストンのこすれ後がそのまま。

*オイルポンプ内部も傷だらけ。

*ピストンピン止のCクリップ位置が普通では考えられない(常識的な位置ではない)位置になっていた。

*バルブタイミングが初期と再OHでは全然数値が違う。

 

 クラッチ内部はオイルカスがたまる仕組みですが構造上バラさないと清掃出来ない物なので普通は開けた時には必ず清掃します。

クラッチ内部のカスはかなり溜まっていたとの事なので最初のOHからの物ではないかと推測(50キロのテスト走行ではあれほど溜まらないです)OH時清掃されていない。

網フィルターのカスはクラッチのカスだと言われたそうですが初期のOHからそのまま使用しているクラッチなのでテスト走行位ではあれほど溜まらないのでおかしいと言われていました。

50キロであのカス黙りじゃー数千キロも走ったら・・・と笑っておられました。

 

 シリンダーの傷はそのままでも普通に走りますが私ならホーニング加工で修正します。

ピストンとのクリアランスが、とか言われる方もいると思いますが組んだデータ見ても問題ないレベルのクリアランスなのでホーニングしても問題ありません。

 

 オイルポンプをバラした様な事を言っていたそうですが(ナットを削ったものがセンターピンの所に入っていた)ピン上下の関係で入れたとの事なのでバラした?

もしかすると初期のOH時に12Vポンプに変えた時入れたままとか(笑)

オイルが循環されていないとすればあの傷もうなづけますが・・・

どちらにしても傷修正はプロレベルのOHならばするものです(私は必ずポンプバラして修正もしくは交換します)

 

 ピストンCクリップ位置の事を言ったら、回るものなのでと言われたそうです。

50キロ程度走った位であそこまで回らないです(ほぼ溝の切れ目位置でした)

普通は切れ目と反対側にCクリップの切れ目を持っていきますのでほぼ180度近く回ったわけですね(笑)

ピストンリングだってあれほど回りません(爆)

ちなみにピストンリングは正常な位置だったそうです(笑)

 

 チューナーの考え方は人それぞれだと思いますがヤフオクの出品エンジンを見ていると思うのですが詳しいデータ表を書いていますがあの圧縮比は普通考えられないと私は思いますし今回の件を他のチューナー仲間達に聞いてもあの圧縮比は普通ではあり得ないと言っていました。

 各メーカーのハイチューニングヘッドやDOHCでも圧縮比は13前後なのに対してプロの圧縮比はほぼ14に近い、14を超えているものも有ったりします。

4サイクルガソリンエンジンでは考えられないとその手に詳しい方(某メーカーの方)が言われていました。

これはネットで調べると色々出てきますので詳しい事を知りたい方は調べてみてください。

 

 バルブタイミングの数値は普通組直しをしても大きく変わるものでは有りません。

まれに変わるとしてもここまで(測定表を拝見しました)変わるものでは無いと思います。

いつも相談するプロの知り合いにも聞いてみましたが同じことを言われていました。

重要なLC、ロブセンターも最初と再OHでは違う数値でした。

 出品物の表を見ても結構アバウトになっている様です。

プロの知り合いに言わせると、調整していると言うよりただ組んでから測っただけでは?と爆笑されていました。

良くありがちで、もしかすると測る環境や設備の不良、測り方に問題が有って毎回違うのかもねー と言う事で爆笑されていました。

 

 プロの知り合いいわく、「バルブタイミングも圧縮比もだが、ハイオク仕様だからウッドラフキーを削って3度進角するなんでポイント点火の時代で考え方が現役時代の産物じゃないかねー」 

オイルポンプの事も 「2サイクル時代じゃカムもオイルポンプ無いからなー(笑)」 とジョークも言われていました。

「要するに知識が古すぎで今の時代にマッチしていないんじゃ」

「パーツに対しての知識も見極めも古すぎでしょー(笑)」 っと言う事みたいです。

 

私も他の方やそのプロの方に色々な事を聞いて、色々勉強にもなりましたし、なるほどーと思いました(笑)

 

 最後に・・・

 

 他のチューナーさん等々からのアドバイスいただいていますので・・・

(私も同意見です)

 

もし6Vクランクケースを12Vにしてある物だったらクランクケースもしくはオイルポンプの修正加工がされているか確認された方が良いと思います。

加工されていない場合今回の様な不具合が出る可能性大です。

最悪クランクの寿命、ヘッド周り駆動部分の摩耗がすぐに来てエンジンから異音、エンジンブローする可能性が有りますので・・・

 タペットクリアランスも確認した方が良いかもしれません・・・

 

 っとの事でした。

 

 最後まで見ていただき有難うございました。