今回はエンジンのパワー(排気量)と強化クラッチの関係を書きたいと思います。

 

まずクラッチの話から・・・

 

 横型エンジンのクラッチはATは別にして大きく分けて2種類あります。

まずカブやシャリーなどに使われている遠心クラッチとマニュアルクラッチの2種類が有ります。

 

遠心クラッチはカブやシャリー、初期のDAX、モンキーなどに使われていますが要はハンドル左にマニュアルクラッチレバーが無い物でシフトペダルをそのまま踏んでシフトするタイプです。

画像はセル付きですが遠心クラッチです。(クラッチカバーの形を見比べてください)

 

マニュアルクラッチはハンドル左手にクラッチレバーが有りレバーでクラッチの入り切りを操作してシフトチェンジするタイプです。

カバーの形が違うの分かりますか?

 

どちらもノーマルのクラッチは内部にクラッチ板と言うパーツが有りマニュアルがクラッチ板が一枚遠心は2枚のクラッチ板構造になっています。

ボアアップ等した場合ノーマルクラッチだとパワーに負けてクラッチが滑りますので良く聞く強化クラッチに皆さん変えられますが・・・

 

遠心クラッチの場合ノーマルが2枚クラッチ、強化タイプも2枚クラッチですが違いは内部におもりが付いていて、そのおもりの数の多さと内部のクラッチスプリングの強さでノーマルか強化かの違いです。

 

マニュアルクラッチはノーマルが1枚、強化クラッチは2もしくは3枚クラッチになっています。

 

マニュアルクラッチには又2種類あり、一次クラッチと二次クラッチが有ります。

違いは一次クラッチがノーマルと同じクランクシャフトの右側にクラッチが付いています。

 

二次クラッチはノーマルの画像にある左側の大きなドリブンギアの位置、ここはミッションギアのシャフトになりますが、この部分にクラッチが付きます。

画像は武川のスペシャルクラッチと言われる物です。

 

強化タイプのマニュアル一次と二次クラッチの大きな違いですが・・・

マニュアルクラッチの場合一次タイプはスペースと構造上通常は2もしくは3枚タイプが殆どです。

二次クラッチはクラッチカバー自体がノーマルとは別な専用カバーを使用するのでスペース的に3枚以上のクラッチ板取付が可能です。

社外だと3枚から最近では6枚と言う物も有ります。

純正だとCD90が二次クラッチですがクラッチ板は4枚です。

 

クラッチは板が多ければそれだけハイパワーに耐えられて滑りにくくなるのが一番の違いです。

一次と二次の場合同じ3枚クラッチでも一次はクランクシャフト直に付いていて二次はミッションシャフトに付いていますがクランク直だとエンジン回転数が1万回転だとクラッチも同じ回転で回ります。

二次クラッチの場合クラッチからギアシャフトへ駆動が行く際ギアでワンクッション減速されるので同じ1万回転でも少ない回転数で回ります。

なので同じ3枚クラッチでも二次クラッチの方が滑りくくなります。

 

二次タイプのマニュアルクラッチでは乾式と言う物もあって、通常横型エンジンは湿式、要するにクラッチがオイルに浸かっているタイプでがこの乾式はオイルに浸かっていないタイプで湿式よりさらに滑りにくい構造です。

通常マニュアル式はワイヤーでクラッチを操作しますが油圧式の物も有ります。

 

長くなりましたで次回は遠心クラッチ等話を書きたいと思います。