そんな中、気分転換にどこかへ出掛けようと思っていたところ、地元の山県市北部にある北山地区の「北山の豊かな文化一冊に(峡の村北山の記憶)」の冊子制作が話題と新聞報道で知った。北山地区といえば、山に囲まれ、伏流水で有名な「円原(えんばら)川」が流れる豊かな自然が残る地域である。
そこで、コロナ禍での外出に躊躇ったが、夏休みも終わり、平日なら訪れる人も少ないのではと手前勝手な判断のもとに、9月6日に北山地域の円原川を訪ねることにした。
山県市街の北部を流れる約8kmほどの円原川は神崎川に合流したのち武儀川となり、最終的には岐阜市を流れる長良川に注ぐ、まさに清流長良川となる源流の一つである。透き通った水流は「ぎふ・水と緑の環境百選」にも選ばれ、「日本一美しい伏流水」として近年、夏の岐阜の風物詩の一つに数えられつつある山県市の新しい観光スポットである。写真は円原集落の北野神社横の渓流で、浅瀬と深い淵、岩に張りつく苔の様子。
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残念ながら、令和2年7月の大雨により、円原地内(伏流水の湧水ポイント手前)において落石および土砂崩れが発生した。そのため、令和3年度から山の崩落した箇所の治山工事が実施され、現在全面通行止めとなっている。事前に通行止めは判っていたが、市のHPで確認したところ、伏流水の湧水ポイントへ通り抜けることはできないが、その手前までの道中でも川へ降りることができる場所や川霧・光芒の撮影が楽しめるとあったので、出掛けることにした。しかしながら、やはり円原川は豪快な音を立てゝ地中から湧き出る伏流水が核心なので、来年、再訪したいと思っている。
神崎地区の合流地点(右斜めに流れるのが円原川、左下が神崎川本流)と行き先案内図、通行止め案内看板。
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円原川下流域の道路はかなり狭い。神崎集落から約0.5km遡ると階段状の流れが現れ、清冽な流れは渓谷ならではの美しさだ。
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急流が岩に突き当たり深い淵を造形し、渦を巻く水流はエメラルドグリーンに輝く(左)、実際に対岸まで渡れる橋上から真下を覗くと川底までくっきり見える抜群の透明度だ。
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山々に挟まれた円原川周辺一帯は、石灰岩質の白い岩場と緑の苔(淡水藻)がよく見られる。深い緑と流れの早い爽やかな渓流は、マイナスイオンの宝庫だ。
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川の底まで透き通ってよく見え、対岸の樹影も美しく映り込んでいる(円原集落の北野神社横で)。
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渓流に生育する淡水藻(川海苔)が、一層秘境のムードを醸し出している。川海苔とは山間の渓流の岩上に生え、緑色の葉状体で柔らかく干のりにする。しかし自然の苔を踏み荒らさないよう足下には注意しなければならない。
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川原に降りて、撮影に余念がない熱心なカメラマン。
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通行止めで湧水ポイントへは行けないので、仮設の伏流水々汲み場が設置されている。伏流水とは流れる水が一旦地中に潜りこみ、再び岩間から湧き出る現象のこと。円原川は付近が石灰岩質の岩場であり、約2kmほど地中に潜る間に浄化されていることが水質の美しさの原因と考えられているという。
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通行止め工事標識、現在、これより上流へは行けない。
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以下、帰路にスケッチしてきた清流神崎川の様子。神崎川は武儀川の支流で、長良川の源流域の一つ。美山地区北部を流域とする約15kmの清流で円原川が注ぎ込む川でもあり、その流れはどこまでも透明で深いところでは翡翠のようなエメラルドグリーンに輝く。あまりにも美しいその姿は、最近では「神崎ブルー」とか「癒しの清流」といわれて注目を浴びている。透明な水の秘密は、石灰岩質の地層から湧き出た水が多いことがその理由の一つと考えられている。その清流に癒されるために、夏には多くの人がこの川を訪れる。川に降りることができるポイントもいくつかあり、釣りや川遊びを楽しむ人の姿で賑わう。
下日原地内の神崎川本流。深い淵は碧緑色、浅いところは川底まで透き通って見える。
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「バーベキュー自粛」のお願いが掲示された橋上から、神崎川を見下ろす。深い淵は透明なコバルトブルー、これが「神崎ブルー」か(片原地内)。
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マリンブルーのような深みの澄んだ水面と左上に吊り橋が見える(片原地内のグリーンプラザみやま横)。
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透明度抜群で川底の砂利もくっきりと見える(片原地内のグリーンプラザみやま横)。
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岐阜県山県市神崎100 北山交流センター付近のMAP