そこで8月6日に、この茹だるような暑さを避け、涼を求めて根尾川(木曽三川の一つ、揖斐川の支流)の源流部を訪ねることにした。国道157号線を北上し本巣市根尾能郷地区を過ぎた所で、折悪しく、これ以遠「通行止め」となっている。源流部への迂回路は、一旦樽見まで戻り、根尾東谷川に沿って上大須へ、そこから越波地区を通るルートもあるが、一部未舗装や車幅ギリギリの断崖路などもあって、道路状況や距離、時間的にも無理なので、源流部へは断念した。そのため急遽予定を変更、能郷から山口地区までの約28kmの中流域を上流から下流に向って散策することにした。
この中流域は、R157に並行して走る樽見鉄道の車窓を流れる山あいの豊かな自然と渓谷美が楽しめる区間であり、鮎釣りや落ち鮎を捕獲する観光ヤナ(簗)場、川遊び、カヌーなど、夏を中心に観光客で賑わうところでもある。
長島地区の能郷橋の下。深い淵は川の底まで透き通ってくっきり見える。よく澄んだ清冽な流れである。

長島地区の能郷橋下流側。深いところは碧緑色で澄んだマリンブルー。

長嶺地区の共栄橋上流側の清らかな流れ。ここは県道270号線を経て徳山ダムに向かう、馬坂トンネルの9km手前の地点。

長嶺の共栄橋上から金原円勝寺善勝法師由緒地(坊頭落し)を望む。覗き込むと吸い込まれそうだ。

門脇地区の大門橋上流で、ここは鮎釣りの好ポイント。 毎年9月の第3日曜日に、市の無形民俗文化財に指定されている「門脇の雨乞踊り」が、門脇の八幡神社で行われる。大門橋には立派な門脇の雨乞踊りの標札が取付られている。

根尾川は樽見地区で根尾東谷川、根尾西谷川に分流するので、この地点は根尾西谷川。神所地区の根尾中学校西側の橋下流側。ここは戦国時代の根尾の土豪根尾右京亮の館跡(大井の殿屋敷)の説がある場所である。切り立った岩壁、エメラルドの水面が織りなす絶景。

水鳥地区の「根尾谷地震断層観察館」の500m下流、八千代橋横の流れ。深いエメラルド色に輝く水面は鏡のように美しい。

高尾地区の金原ダムに設けられた魚道で、鋭角ターンがある階段状の難易度が高そうなスロープ魚道。金原ダムは、昭和4年(1929)竣工、水路式水力発電所の金原発電所の取水施設のあるダム、堤体高14.3m。昭和38年(1963)の河川法により高さが15m以上ある堰堤が法律上のダムで、金原ダムは正確には堰堤になるが名称は金原ダムとなっている。

魚道の上段部分(左)と下段部分(右)を真上から眺める。階段式魚道の所々に流れの緩い遡上を助けるために設ける工作物が造られている。ここで一休みし、次に向って遡上していくのだろうか!

鍋原地区の金山橋下流側の景色。どっしりとした大きな岩肌と深い淵の碧瑠璃色の自然造形が美しい。

佐原地区の老健・根尾川ガーデン前の風景。この辺りは川幅も広く、鮎釣りの人達も多く見られる。

佐原地区の里山ジビエ会横の清冽な流れの様子。急流が岩に突き当り深い淵を造形し、渦を巻く水流はエメラルドグリーンに輝く。

山口地区の万代橋下流の風景。ここは人気の鮎釣りスポットで、釣り人も多い。この辺りの川沿いには、観光簗(鮎料理店)が数多くあり、根尾川の美味しい鮎が味わえる。

山口地区の山口頭首工の上流側の風景。白鷺と川鵜(カワウ)が群生している。カワウは1日に約500g捕食するという大食漢。根尾川筋漁協でもカワウの食害から漁場を守る対策に取り組んでいるが、被害額も深刻という。

岐阜県本巣市根尾高尾 金原ダムのMAP
《今回訪れた能郷から山口地区までの中間地点、他の地点はスクロールされたい。》