NEWネイル☆

ゃっと爪替ぇましたぁ
今回ゎ
プレッピーを意識したMIX柄でっす
と思ぃつく限りの柄を盛り込んでみましたぁ

アィスブルー×ピンクがメィンのガチャピン
カラーなので
春っぽく
そして
ワンポィント
ゎまたしても自分
↓
ネイルに合わせて
プレッピースタィルに着せ替えしてみました
チョット気取ったポーズがポィントでつ

永遠の姉妹 第32話『止まらない狂気』
「社長、お客様がいらしております」
社長室にいた滝の元に、秘書が告げに来る。
「一体、誰だ?今日の午前中には、特にそんな予定は入ってなかったはずだが…」
「それが…」
訝る滝に秘書が耳打ちしようとした瞬間、社長室のドアが開いた。知香子が立っている。
「あっ…お客様。困ります…」
秘書の制止を振り切り、知香子は滝の前まで進み出た。
「これは、知香子お嬢様。しばらく見ないうちに、ずいぶんとお綺麗になられて…一瞬どなたか解りませんでしたよ」
「えぇ…」
滝は、秘書に退室を促す。秘書は躊躇いながらも知香子と滝に頭を下げ、社長室を後にした。
社長室には、知香子と滝のふたりきりになる。
「今日は、どのようなご用件で?失礼ですが、知香子お嬢様とお話するようなことはないと思いますが…」
「あんたの顔を…拝みに来てやったのよ。パパに、へらへらと媚び諂うしか脳の無かった小判鮫のはずのあんたが、一体どんな顔してその椅子に座っているのかをね」
知香子は、不適な笑みを浮かべながら言った。
「いやあ…へらへらと媚び諂うしか脳のない小判鮫とは、ずいぶんなお言葉だなあ」
滝は、鷹揚に受け流す。
「今に見ていなさい。明智光秀の三日天下よろしく、あんたをその座から引き擦り下ろしてあげるわ」
「相変わらず、知香子お嬢様は気性が激しくてらっしゃる。しかし、私も簡単にはそんなことを許しませんよ。長年…こんな日が来るのを虎視眈々と狙っていたんですから」
滝の言葉に、知香子が吹き出した。
「…何だ。何が可笑しい!?」
滝は、不快感を露わにする。しかし、知香子は高笑いを続けた。
「残念だけど…あんたは社長の器じゃないわ。せいぜい、寂れた小売店の親父がお似合いよ」
「き、貴様…この俺を愚弄するつもりか!?」
思わず、滝が声を荒げる。
「あたしは、もう十年近くも夜の六本木で生きてきたわ。それこそ、大企業の社長や重役だってたくさん見て来た。その中に、あんたみたいなちんけな小悪党はひとりだっていなかったわ」
「な、何だと…」
「文不相応な野望は、身を滅ぼすってことよ。これから…それを教えてあげるわ。首でも洗って待っていなさい」
知香子は、そう言い残して社長室を出た。知香子がつけていた香水の甘い残り香が、滝の鼻孔を刺激した。
「何か…緊張するわ」
知永子は、言いながら背すじを伸ばした。
「大丈夫だよ。何も取って食われるわけじゃないさ」
知永子の緊張を解すように、和彦が笑う。
週末の土曜日、知永子は和彦に連れられ、和彦の母那代子との顔合わせの為に、品川にある和彦の実家を訪れていたのだ。やはり、緊張は隠せない。
和彦は、知永子の肩を叩きながらチャイムを鳴らした。待ちかねたように、那代子が顔を覗かせる。
「はじめまして。和彦さんとお付き合いさせて頂いてる、倉内知永子と申します」
知永子は、那代子に向かって深々と頭を下げた。
「そんなに堅苦しい挨拶なんて止めてちょうだい。あなたにお会いできるのを、楽しみにしていたのよ。さあ、上がって上がって」
那代子は、笑顔で知永子を出迎える。
「それにしても、綺麗なお嬢さんね。」
那代子が、知永子を誉めそやした。知永子は頬を染め、かぶりを振る。
「彼女とは今の会社で知り合って、三年前から付き合ってるんだ」
「あら、そんなに前から?この人ったら、何にも教えてくれないんだもの」
那代子は、知永子に向かって微笑みかけた。
「母さんには、きちんと報告したくてね。実は、俺達結婚を考えているんだ」
「ええ…」
知永子と和彦は、互いに顔を見つめ笑う。
「もちろん、あたしは賛成よ。あなたが選んだ女性だもの…賛成に決まっているじゃない。お父さんが亡くなって以来、女手ひとつであなた達を育ててきたけど…ついにあなたも自分の所帯を持つのね」
リビングに飾られた亡き夫の写真を見つめながら、那代子は感慨深げに呟いた。
「そうと決まったら、一日でも早く知永子さんのご両親にもご挨拶に伺わなくちゃ」
「その事なんですけど、実は…」
「…実は、彼女のご両親はもういないんだ。長年、俺達と同じようにお母さんとふたりで暮らしていたんだけど、つい先日お亡くなりになって…」
知永子の言葉を、和彦が引き継ぐ。
「まあ、可哀想に…」
那代子は、知永子の手に自らの手を添えた。
「…これからは、あたしのことを実の母親だと思ってちょうだい。うちはふたりとも息子でしょ。昔から…娘が欲しいと思っていたのよ」
那代子は、知永子の手を握り言う。
「お母様…ありがとうございます」
知永子は涙を流しながら、那代子の手を握り返した。
「まあ、そんな…泣かないでちょうだい。ほら、涙を拭いて」
那代子は、知永子にハンカチを差し出す。
「すいません。お母様の言葉が、あまりにも暖かくて…」
知永子は、ハンカチで目を押さえながら必死で笑顔を作った。那代子の優しさが、胸に沁みる。
<和彦の母那代子の優しさに触れ、知永子は自らの心が解れていくのを感じる。
知永子の束の間の幸せは今、絶頂を迎えようとしていた。>
「知永子さん…」
帰り際、知永子は和明に呼び止められた。
「あら、和明さん。久しぶりね」
「結婚おめでとうございます」
和明は、知永子の左手に輝く婚約指輪をちらりと見ながら言う。
「ありがとう。でも、何だか照れるわ」
「実は…知永子さんに話したいことがあるんだ」
和明は、那代子と和彦が近くにいないのを確認しながら囁いた。
「…何かしら?」
和明は、知香子との経緯を説明する。
「…まさか、知香子がそんなことを…」
和明の話を聞き終えた知永子は呟いた。
「ああ…彼女は異常だ。気をつけた方がいい」
「解っているわ。でも、わたしは決めたの。和彦との愛を貫くって」
知永子は、きっぱりと言い切る。
「彼との愛を貫いて見せるわ」
和明の目を見据え、ゆっくりと繰り返した。
「さすがに不味いだろう、そんなこと…。犯罪じゃないか」
仁は、知香子から差し出されたナイフを突き返す。
「何を怖じ気づいてるのよ!このナイフで、お姉ちゃんの顔をちょこっとだけ傷つけてくれればいいのよ」
知香子は、仁の顔を覗き込み言った。再び、ナイフを仁の方へ差し出す。
「あの男のことは、もう諦めたらどうなんだ。お前なら…他にいくらでも男なんているだろう」
「嫌よ!あたしは、和彦がいいの。あの人以外の男とだなんて…考えたくもないわ。虫酸が走る!!」
仁の言葉を遮るように、知香子が叫んだ。苛立たしげに、机を蹴りつける。
「でも…」
「仁。あんた、何か勘違いしてるんじゃない?あたしは、あんたからの説得を受けるつもりなんて、微塵もないのよ。あんたは、あたしの指示に従って動いていればいいの!」
「…知香子」
「…ねえ、やってくれるでしょう」
知香子は、仁の顔ぎりきりまで顔を近づけ言った。
「…あっ…あぁ」
知香子の迫力に圧倒された仁は、熱に侵されたように呟く。
「…お姉ちゃん、待ってなさい。もう…金輪際和彦に顔向け出来なくなるよう、その顔をずたずたに引き裂いてやるわ。…逆整形のオペの時間よ」
鋭いナイフの光を見つめながら、知香子は邪悪に笑った。
つづく
社長室にいた滝の元に、秘書が告げに来る。
「一体、誰だ?今日の午前中には、特にそんな予定は入ってなかったはずだが…」
「それが…」
訝る滝に秘書が耳打ちしようとした瞬間、社長室のドアが開いた。知香子が立っている。
「あっ…お客様。困ります…」
秘書の制止を振り切り、知香子は滝の前まで進み出た。
「これは、知香子お嬢様。しばらく見ないうちに、ずいぶんとお綺麗になられて…一瞬どなたか解りませんでしたよ」
「えぇ…」
滝は、秘書に退室を促す。秘書は躊躇いながらも知香子と滝に頭を下げ、社長室を後にした。
社長室には、知香子と滝のふたりきりになる。
「今日は、どのようなご用件で?失礼ですが、知香子お嬢様とお話するようなことはないと思いますが…」
「あんたの顔を…拝みに来てやったのよ。パパに、へらへらと媚び諂うしか脳の無かった小判鮫のはずのあんたが、一体どんな顔してその椅子に座っているのかをね」
知香子は、不適な笑みを浮かべながら言った。
「いやあ…へらへらと媚び諂うしか脳のない小判鮫とは、ずいぶんなお言葉だなあ」
滝は、鷹揚に受け流す。
「今に見ていなさい。明智光秀の三日天下よろしく、あんたをその座から引き擦り下ろしてあげるわ」
「相変わらず、知香子お嬢様は気性が激しくてらっしゃる。しかし、私も簡単にはそんなことを許しませんよ。長年…こんな日が来るのを虎視眈々と狙っていたんですから」
滝の言葉に、知香子が吹き出した。
「…何だ。何が可笑しい!?」
滝は、不快感を露わにする。しかし、知香子は高笑いを続けた。
「残念だけど…あんたは社長の器じゃないわ。せいぜい、寂れた小売店の親父がお似合いよ」
「き、貴様…この俺を愚弄するつもりか!?」
思わず、滝が声を荒げる。
「あたしは、もう十年近くも夜の六本木で生きてきたわ。それこそ、大企業の社長や重役だってたくさん見て来た。その中に、あんたみたいなちんけな小悪党はひとりだっていなかったわ」
「な、何だと…」
「文不相応な野望は、身を滅ぼすってことよ。これから…それを教えてあげるわ。首でも洗って待っていなさい」
知香子は、そう言い残して社長室を出た。知香子がつけていた香水の甘い残り香が、滝の鼻孔を刺激した。
「何か…緊張するわ」
知永子は、言いながら背すじを伸ばした。
「大丈夫だよ。何も取って食われるわけじゃないさ」
知永子の緊張を解すように、和彦が笑う。
週末の土曜日、知永子は和彦に連れられ、和彦の母那代子との顔合わせの為に、品川にある和彦の実家を訪れていたのだ。やはり、緊張は隠せない。
和彦は、知永子の肩を叩きながらチャイムを鳴らした。待ちかねたように、那代子が顔を覗かせる。
「はじめまして。和彦さんとお付き合いさせて頂いてる、倉内知永子と申します」
知永子は、那代子に向かって深々と頭を下げた。
「そんなに堅苦しい挨拶なんて止めてちょうだい。あなたにお会いできるのを、楽しみにしていたのよ。さあ、上がって上がって」
那代子は、笑顔で知永子を出迎える。
「それにしても、綺麗なお嬢さんね。」
那代子が、知永子を誉めそやした。知永子は頬を染め、かぶりを振る。
「彼女とは今の会社で知り合って、三年前から付き合ってるんだ」
「あら、そんなに前から?この人ったら、何にも教えてくれないんだもの」
那代子は、知永子に向かって微笑みかけた。
「母さんには、きちんと報告したくてね。実は、俺達結婚を考えているんだ」
「ええ…」
知永子と和彦は、互いに顔を見つめ笑う。
「もちろん、あたしは賛成よ。あなたが選んだ女性だもの…賛成に決まっているじゃない。お父さんが亡くなって以来、女手ひとつであなた達を育ててきたけど…ついにあなたも自分の所帯を持つのね」
リビングに飾られた亡き夫の写真を見つめながら、那代子は感慨深げに呟いた。
「そうと決まったら、一日でも早く知永子さんのご両親にもご挨拶に伺わなくちゃ」
「その事なんですけど、実は…」
「…実は、彼女のご両親はもういないんだ。長年、俺達と同じようにお母さんとふたりで暮らしていたんだけど、つい先日お亡くなりになって…」
知永子の言葉を、和彦が引き継ぐ。
「まあ、可哀想に…」
那代子は、知永子の手に自らの手を添えた。
「…これからは、あたしのことを実の母親だと思ってちょうだい。うちはふたりとも息子でしょ。昔から…娘が欲しいと思っていたのよ」
那代子は、知永子の手を握り言う。
「お母様…ありがとうございます」
知永子は涙を流しながら、那代子の手を握り返した。
「まあ、そんな…泣かないでちょうだい。ほら、涙を拭いて」
那代子は、知永子にハンカチを差し出す。
「すいません。お母様の言葉が、あまりにも暖かくて…」
知永子は、ハンカチで目を押さえながら必死で笑顔を作った。那代子の優しさが、胸に沁みる。
<和彦の母那代子の優しさに触れ、知永子は自らの心が解れていくのを感じる。
知永子の束の間の幸せは今、絶頂を迎えようとしていた。>
「知永子さん…」
帰り際、知永子は和明に呼び止められた。
「あら、和明さん。久しぶりね」
「結婚おめでとうございます」
和明は、知永子の左手に輝く婚約指輪をちらりと見ながら言う。
「ありがとう。でも、何だか照れるわ」
「実は…知永子さんに話したいことがあるんだ」
和明は、那代子と和彦が近くにいないのを確認しながら囁いた。
「…何かしら?」
和明は、知香子との経緯を説明する。
「…まさか、知香子がそんなことを…」
和明の話を聞き終えた知永子は呟いた。
「ああ…彼女は異常だ。気をつけた方がいい」
「解っているわ。でも、わたしは決めたの。和彦との愛を貫くって」
知永子は、きっぱりと言い切る。
「彼との愛を貫いて見せるわ」
和明の目を見据え、ゆっくりと繰り返した。
「さすがに不味いだろう、そんなこと…。犯罪じゃないか」
仁は、知香子から差し出されたナイフを突き返す。
「何を怖じ気づいてるのよ!このナイフで、お姉ちゃんの顔をちょこっとだけ傷つけてくれればいいのよ」
知香子は、仁の顔を覗き込み言った。再び、ナイフを仁の方へ差し出す。
「あの男のことは、もう諦めたらどうなんだ。お前なら…他にいくらでも男なんているだろう」
「嫌よ!あたしは、和彦がいいの。あの人以外の男とだなんて…考えたくもないわ。虫酸が走る!!」
仁の言葉を遮るように、知香子が叫んだ。苛立たしげに、机を蹴りつける。
「でも…」
「仁。あんた、何か勘違いしてるんじゃない?あたしは、あんたからの説得を受けるつもりなんて、微塵もないのよ。あんたは、あたしの指示に従って動いていればいいの!」
「…知香子」
「…ねえ、やってくれるでしょう」
知香子は、仁の顔ぎりきりまで顔を近づけ言った。
「…あっ…あぁ」
知香子の迫力に圧倒された仁は、熱に侵されたように呟く。
「…お姉ちゃん、待ってなさい。もう…金輪際和彦に顔向け出来なくなるよう、その顔をずたずたに引き裂いてやるわ。…逆整形のオペの時間よ」
鋭いナイフの光を見つめながら、知香子は邪悪に笑った。
つづく
永遠の姉妹 第31話『宣戦布告』
「悪いな。いきなり呼び出して」
和彦は、待ち合わせのバーに現れた知香子に声をかけた。知香子は、和彦の隣のスツールに腰かける。
「いいのよ。それより何の用かしら?」
「実は…彼女と一緒に暮らし始めたんだ」
和彦は、知香子から目を逸らしながら告げた。
「…どうゆうこと?」
「最近、彼女の唯一の身内に不幸があってね…彼女を独りにはしておけないと思って、俺のマンションに呼び寄せたんだ」
「それで…」
「正式に、結婚しようとも思ってる。だから…」
「…別れてくれって言いたいの?」
知香子は、和彦の言葉を引き継ぐ。
「あぁ…。知香子、君には本当に済まないことをした」
「嫌よ!」
知香子は、きっぱりと言い切った。カウンターに、グラスを打ちつける。
「あたしは、絶対に嫌!!別れないわ」
「知香子…」
「さんざんあたしの体をを抱いて弄んでおいて、彼女と結婚したいから別れてくれだなんて、そんな都合のいい話がどこにあるって言うのよ!」
知香子は、大声で喚き散らした。周りの客達が、ふたりに好奇の目を向ける。
「…本当に済まない。君には詫びのしようもないが、どうか許して欲しい」
和彦は、知香子に向かって深々と頭を下げた。
「絶対に、許さないわ。たとえ…この身が骨と皮だけになったって、あなたにしがみついてやる」
「知香子…お願いだから、俺と別れてくれ!!」
「あたし…和彦を手に入れる為だったら、何だってする。けして、脅しなんかじゃないんだから!!」
知香子は和彦に縋りつき叫んだが、和彦はそれを振り払い
「本当に済まない…」
と言い残してバーを出た。
「絶対に…和彦は渡さない。お姉ちゃんになんか、渡すもんですか。和彦も…あの会社も、あたしのものにして見せるわ」
ひとり残された知香子は、低い声で呻く。唇から血が滲むほど強く噛み締めた。
「おめでとうございます」
知永子と和彦は、同僚達からの祝福を受けていた。後輩のOLから、花束を渡される。
「倉内先輩。婚約指輪、よく見せてもらってもいいですか?」
後輩OLの言葉に、知永子は頬を染めながら手をかざした。
「素敵!!主任、だいぶ頑張ったんじゃないですか?」
後輩OLは、笑いながら和彦を茶化す。
「それで…式はいつになるんだい?」
課長が、和彦の脇を小突いた。
「まだ未定ですが、なるべく近いうちにと思ってます」
「そうかそうか。いやあ、楽しみだね。スピーチは俺に任せてくれたまえよ」
「そんなこと言って…スピーチの途中で泣き出しちゃうんじゃないか?何たって、倉内先輩は課長のお気に入りなんですから」
「それもそうだな。伊原君、我が課のマドンナを射止めたんだ。倉内くんを悲しませたりしたら、この俺が許さないぞ」
後輩OLの言葉を受け、課長がおどけて見せる。
「もちろんです。知永子は、俺が世界中の誰よりも幸せにして見せます」
「いやあ、こりゃあ堪らんなぁ。全く、ご馳走様だよ」
オフィスに、皆の笑い声が響いた。
暖かい祝福の中、知永子は和彦と微笑み合う。満面の笑みを浮かべながら、知永子は密かにある決意を固めていた。
その夜、知永子は和彦がいない隙を見計らって、知香子に電話をかける。何度かのコール音の後、知香子が出た。
「何よ」
知香子の声は、鋭く尖っている。
「その声からすると…すでに、知っているようね」
「…昨日、和彦から別れを切り出されたわ。お姉ちゃんと、結婚したいって。もちろん、あたしは別れるつもりなんて微塵もないけど。何よ、そんなことを確認する為に、わざわざ電話をかけて来たってわけ?」
「違うわ」
「だったら、何だって言うのよ。あたしを…憐れんでるとでも言うつもり?」
知香子は、鼻で笑った。
「それも違うわ。ただ、知香子に言っておきたかったの」
「…何だって言うのよ」
「わたしは…もう知香子に遠慮したりはしない。和彦との愛を貫く決意を固めたの」
宣言するような知永子の口調に、知香子は面食らう。
「…宣戦布告ってわけ?悪いけど、あたしは躊躇なんかしないわよ。知っているでしょう。あたしが…欲しいものを手に入れる為なら、手段を選ばない女だってこと。和彦は、絶対に諦めないわ」
「解っているわ。でも、わたしは負けない。知香子が、どんな卑劣な手段を使って来たとしても、わたしと和彦の絆は壊させないわ。和彦が選んだのは、知香子じゃなくてこのわたしなの」
知永子は、きっぱりと言い切った。知永子の迫力に、知香子は思わず電話を切る。
「くそっ!!」
言いながら、知香子は手にしていたグラスを思い切り床に投げつける。グラスが、激しい音を立てて砕けた。
「お姉ちゃんの分際で、ずいぶんと図太くなったものね。このあたしを本気にさせたらどうなるか…たっぷりと思い知らせてやるわ」
そう言って、再び携帯を手にする。憎悪をたぎらせた瞳で、ある男に電話をかけた。
<知香子は、焦っていた。知永子を追い詰める為に自らが取った行動が、逆に知永子と和彦の絆を強める結果を招いたことに。
ひとりの男を巡る姉妹の愛憎劇は、尚も出口を見失い、更なる混迷へとのめり込んで行くのである。>
「この前も言ったでしょう。俺は、あなたに協力するつもりなんかないって」
強引に知香子に呼び出された和明は、開口一番そう言い放った。
「何を言っているの。このままじゃ、お姉ちゃんとあんたのお兄ちゃんが結婚してしまうのよ!!」
「俺は…知永子さんが本当に幸せになるんだったら、それで構わない」
「綺麗事なんか言わないで!あんた、お姉ちゃんのことが好きなんでしょう?」
知香子は、和彦に詰め寄る。
「確かに…俺は知永子さんのことを愛してる。でも、それと同じくらい…知永子さんの幸せを願っているんだ。知永子さんを幸せに出来るのは…悔しいけど、俺じゃない」
「解らないわ…」
知香子は呟いた。
目の前にいる男の言葉が、心底理解できない。愛する男が自分以外の女と幸せになることを願うこと以上の苦しみが、この世にあるのだろうか。
「あなたには…確かに解らないだろうね。結局、あなたは愛されない自分自身に苛立ってる。玩具屋の店先で愚図ってる、駄々っ子と同じだ」
「ふん。そんなこと言ったって、結局は負け犬の遠吠えじゃない。あんたは、いくじなしの腑抜け野郎なのよ」
「そうかも知れないな。でも、俺はそれでいいんだ」
知香子の精一杯の皮肉に対しても、和明はさらりと笑顔で返す。
「とにかく、俺はあなたと手を組むつもりはないし、むしろ…あなたがあのふたりの仲を引き裂こうとするのなら、徹底的に抗戦するつもりだ。俺は、全身全霊をかけて、ふたりの愛を応援していくよ」
和明は、そう言って知香子の前から去った。
知香子は、その場に立ち尽くす。怒りに、わなわなと体を震わせながら。
つづく
和彦は、待ち合わせのバーに現れた知香子に声をかけた。知香子は、和彦の隣のスツールに腰かける。
「いいのよ。それより何の用かしら?」
「実は…彼女と一緒に暮らし始めたんだ」
和彦は、知香子から目を逸らしながら告げた。
「…どうゆうこと?」
「最近、彼女の唯一の身内に不幸があってね…彼女を独りにはしておけないと思って、俺のマンションに呼び寄せたんだ」
「それで…」
「正式に、結婚しようとも思ってる。だから…」
「…別れてくれって言いたいの?」
知香子は、和彦の言葉を引き継ぐ。
「あぁ…。知香子、君には本当に済まないことをした」
「嫌よ!」
知香子は、きっぱりと言い切った。カウンターに、グラスを打ちつける。
「あたしは、絶対に嫌!!別れないわ」
「知香子…」
「さんざんあたしの体をを抱いて弄んでおいて、彼女と結婚したいから別れてくれだなんて、そんな都合のいい話がどこにあるって言うのよ!」
知香子は、大声で喚き散らした。周りの客達が、ふたりに好奇の目を向ける。
「…本当に済まない。君には詫びのしようもないが、どうか許して欲しい」
和彦は、知香子に向かって深々と頭を下げた。
「絶対に、許さないわ。たとえ…この身が骨と皮だけになったって、あなたにしがみついてやる」
「知香子…お願いだから、俺と別れてくれ!!」
「あたし…和彦を手に入れる為だったら、何だってする。けして、脅しなんかじゃないんだから!!」
知香子は和彦に縋りつき叫んだが、和彦はそれを振り払い
「本当に済まない…」
と言い残してバーを出た。
「絶対に…和彦は渡さない。お姉ちゃんになんか、渡すもんですか。和彦も…あの会社も、あたしのものにして見せるわ」
ひとり残された知香子は、低い声で呻く。唇から血が滲むほど強く噛み締めた。
「おめでとうございます」
知永子と和彦は、同僚達からの祝福を受けていた。後輩のOLから、花束を渡される。
「倉内先輩。婚約指輪、よく見せてもらってもいいですか?」
後輩OLの言葉に、知永子は頬を染めながら手をかざした。
「素敵!!主任、だいぶ頑張ったんじゃないですか?」
後輩OLは、笑いながら和彦を茶化す。
「それで…式はいつになるんだい?」
課長が、和彦の脇を小突いた。
「まだ未定ですが、なるべく近いうちにと思ってます」
「そうかそうか。いやあ、楽しみだね。スピーチは俺に任せてくれたまえよ」
「そんなこと言って…スピーチの途中で泣き出しちゃうんじゃないか?何たって、倉内先輩は課長のお気に入りなんですから」
「それもそうだな。伊原君、我が課のマドンナを射止めたんだ。倉内くんを悲しませたりしたら、この俺が許さないぞ」
後輩OLの言葉を受け、課長がおどけて見せる。
「もちろんです。知永子は、俺が世界中の誰よりも幸せにして見せます」
「いやあ、こりゃあ堪らんなぁ。全く、ご馳走様だよ」
オフィスに、皆の笑い声が響いた。
暖かい祝福の中、知永子は和彦と微笑み合う。満面の笑みを浮かべながら、知永子は密かにある決意を固めていた。
その夜、知永子は和彦がいない隙を見計らって、知香子に電話をかける。何度かのコール音の後、知香子が出た。
「何よ」
知香子の声は、鋭く尖っている。
「その声からすると…すでに、知っているようね」
「…昨日、和彦から別れを切り出されたわ。お姉ちゃんと、結婚したいって。もちろん、あたしは別れるつもりなんて微塵もないけど。何よ、そんなことを確認する為に、わざわざ電話をかけて来たってわけ?」
「違うわ」
「だったら、何だって言うのよ。あたしを…憐れんでるとでも言うつもり?」
知香子は、鼻で笑った。
「それも違うわ。ただ、知香子に言っておきたかったの」
「…何だって言うのよ」
「わたしは…もう知香子に遠慮したりはしない。和彦との愛を貫く決意を固めたの」
宣言するような知永子の口調に、知香子は面食らう。
「…宣戦布告ってわけ?悪いけど、あたしは躊躇なんかしないわよ。知っているでしょう。あたしが…欲しいものを手に入れる為なら、手段を選ばない女だってこと。和彦は、絶対に諦めないわ」
「解っているわ。でも、わたしは負けない。知香子が、どんな卑劣な手段を使って来たとしても、わたしと和彦の絆は壊させないわ。和彦が選んだのは、知香子じゃなくてこのわたしなの」
知永子は、きっぱりと言い切った。知永子の迫力に、知香子は思わず電話を切る。
「くそっ!!」
言いながら、知香子は手にしていたグラスを思い切り床に投げつける。グラスが、激しい音を立てて砕けた。
「お姉ちゃんの分際で、ずいぶんと図太くなったものね。このあたしを本気にさせたらどうなるか…たっぷりと思い知らせてやるわ」
そう言って、再び携帯を手にする。憎悪をたぎらせた瞳で、ある男に電話をかけた。
<知香子は、焦っていた。知永子を追い詰める為に自らが取った行動が、逆に知永子と和彦の絆を強める結果を招いたことに。
ひとりの男を巡る姉妹の愛憎劇は、尚も出口を見失い、更なる混迷へとのめり込んで行くのである。>
「この前も言ったでしょう。俺は、あなたに協力するつもりなんかないって」
強引に知香子に呼び出された和明は、開口一番そう言い放った。
「何を言っているの。このままじゃ、お姉ちゃんとあんたのお兄ちゃんが結婚してしまうのよ!!」
「俺は…知永子さんが本当に幸せになるんだったら、それで構わない」
「綺麗事なんか言わないで!あんた、お姉ちゃんのことが好きなんでしょう?」
知香子は、和彦に詰め寄る。
「確かに…俺は知永子さんのことを愛してる。でも、それと同じくらい…知永子さんの幸せを願っているんだ。知永子さんを幸せに出来るのは…悔しいけど、俺じゃない」
「解らないわ…」
知香子は呟いた。
目の前にいる男の言葉が、心底理解できない。愛する男が自分以外の女と幸せになることを願うこと以上の苦しみが、この世にあるのだろうか。
「あなたには…確かに解らないだろうね。結局、あなたは愛されない自分自身に苛立ってる。玩具屋の店先で愚図ってる、駄々っ子と同じだ」
「ふん。そんなこと言ったって、結局は負け犬の遠吠えじゃない。あんたは、いくじなしの腑抜け野郎なのよ」
「そうかも知れないな。でも、俺はそれでいいんだ」
知香子の精一杯の皮肉に対しても、和明はさらりと笑顔で返す。
「とにかく、俺はあなたと手を組むつもりはないし、むしろ…あなたがあのふたりの仲を引き裂こうとするのなら、徹底的に抗戦するつもりだ。俺は、全身全霊をかけて、ふたりの愛を応援していくよ」
和明は、そう言って知香子の前から去った。
知香子は、その場に立ち尽くす。怒りに、わなわなと体を震わせながら。
つづく

