朝の2時頃
親子連れの方は出発して行きました。
私は最初は3時半頃出発するつもりでしたが
3時半では遅すぎるかもしれない…
気持ちは焦ります。
もう、これ以上寝ている気持ちは
無くなりました。
朝食はラーメンを用意していましたが
食べる気は起きませんでした。
行動食のパンを流し込みます。
パッキングを済ませて
床を箒で掃きます。
予定よりも早く
3時前に出発しました。
結果的に出発を早めて正解でした。
後から思うと、
もっと早く出発しても良かったぐらいです。
満天の星空です。
日本海側の街の明かりが見えます。
日本海の標識が。
確かに目標は日本海です。
今から出発すれば
お昼頃には着けると思います。
これまで歩いてきた栂海新道、
そこを歩き尽くす
夏山登山の最終日、
気合いを入れていきます。
いざ、スタートです。
出発すると
夜明け前なのに
空気は少し蒸し暑さを感じました。
この時間でこれなので
日中は相当な暑さになりそうです。
これから更に標高は下がっていきますから
当然、昨日よりも暑くなる事が
予想されます。
暑さとの戦いがこの時期の栂海新道です。
真っ暗な中を
ヘッドライトの明かりを頼りに進みます。
日本海側の町の明かりが見えます。
夜空を見上げると
星のようなものが一直線に
並んでいるのが見えます。
あれば何であろうか?
進むにつれて
段々と空が明るくなってきました。
黄連の水場の分岐点の辺りが
朝焼けの時間でした。
こちらが水場方面です。
昨日、親不知から来られた方に訊くと
黄連の水場の水は
茶色く少し濁っていました。
私は今朝、水を3Lを背負って
出発しました。
うちの1Lはスポドリです。
ゴールまでの歩行時間を考えたら
水は足りると思い
この水場には寄らずに通過しました。
歩いていて
この辺りを通過した頃が
1番涼しく感じました。
やはり夜明けの時間が1番気温が低いですね。
ここまでは順調でいいペースです。
このペースで進むと
お昼ぐらいには親不知に到着できそうです。
まだまだピークは続きます。
菊石山を過ぎた辺り
ここで日の出が見えました。
空が朝焼けに染まります。
稜線はピークを忠実に辿ります。
これは下駒ヶ岳です。
急登です。
ただ、コースは下り基調で
ひとつひとつのピークは
それ程大きくないのが救いです。
振り返ると
犬ヶ岳が見えました。
だいぶ歩いてきました。
ここまではいいペースです。
やはり、栂海山荘に泊まり
早朝出発して正解でした。
昨日、水を大量に積んだ重いザックで
炎天下にここを歩いたら地獄でしたね。
昨日は宿泊して
食料、水を消費したので
昨日の水場で給水した時に比べて
ザックはだいぶ軽くなっています。
進むにつれて
水は消費していき
ザックは更に軽くなります。
下駒ヶ岳。
片側が切れ落ちています。
次のピークが白鳥山です。
大きく迫ってきます。
白鳥山の手前、水場の分岐点です。
ここも寄らずに行きます。
白鳥山に到着です。
ここまで標準コースタイムを
20分巻いています。
テント泊の重装備の
私的にはいいペースですね。
涼しい時間は身体の負担が
全然違いますね。
小休止してエネルギー、水分を吸収します。
小屋の内部。
綺麗に使われています。
2階もありますが
靴を脱いで上がるのが面倒なので
中は確認しませんでした。
更に進みます。
犬ヶ岳がだいぶ遠ざかりました。
その奥に見えるのが白馬岳の稜線です。
この稜線はこれで見納めでした。
この先、ピークを越える度に
体力が削られていきます。
時間の経過とともに
暑くなってきました。
この先は、暑さとの戦いでもあります。
写真ではわかりにくいですが
ロープが張られた急坂が
何ヶ所もあります。
慎重に進みます。
歩きにくい急坂は
体力を削られます。
シキワリの水場。
ここの水場は枯れていました。
急坂を下り切った所に
道路が横切っています。
ここが坂田峠です。
呼べばここまでタクシーが来るようです。
その先にお地蔵さんがあり
ここで小休止しました。
行動食のパンを食べ、水分を補給しました。
あと、行動食はどら焼きが残っています。
途中のピークで食べようと思います。
水分はスポドリは全て飲み干し
あとは水だけです。
塩分補給に梅干し飴を舐めます。
栂海新道は、全般に蛇🐍が多いです。
昨日、今日と何匹も遭遇しました。
これはヤマカガシですね。
今回、私はヤマカガシが2匹、
判別出来なかった蛇多数遭遇しました。
昨日、栂海山荘で会った方も
10匹ぐらい蛇に遭遇したそうです。
あまり早く歩くと
蛇を踏んだら大変なので
足もとを常に確認しながら歩きました。
思ったよりもペースが上がらないのは
暑さだけだはなく
蛇を警戒しながら歩いた事もありますね。
栂海新道は
ロングコースと暑さに注目されますが
蛇にも十分に注意が必要です。
それと、栂海新道には
やたらにバッタ🦗がいました。
足もとで常に飛び跳ねている感じです。
日本海が見えてきました。
しかし、簡単には辿り着けません。
この後にまだピークが幾つもあります。
後であの海沿いの港(?)の前の道を
親不知の駅に向かって歩くことになります。
尻高山。
ここで、残りのどら焼きを食べました。
ザックの中には
今回、食べ残したラーメンが
幾つかありますが
今更それを作る気は起きませんね。
三角点。
再び道路を横切ります。
二本松峠に到着です。
ここで私の最後の切り札、
ここまで温存したアミノバイタルのゼリーで
エネルギー補給します。
気温の上昇とともに
歩くペースが落ちてきました。
栂海新道は、確かに長く、
アップダウンもきついコースですが
それ以上に過酷なのが
この暑さでした。
私は過去に
10数時間のロングの行程を歩く登山も
何度もしてきました。
勿論、山歩きだけではなく
日頃のランニング、トレーニングも
欠かさず行ってきました。
栂海新道の歩行距離、高低差は確かにありますが
私の過去の経験から
体力的には十分に歩ける距離だな。
そう思っていました。
しかし過去に真夏のここまでの暑さの中を
長時間歩く事は無かったです。
真夏に栂海新道を歩く最大の試練は
この暑さですね。
暑さによる体力の消耗は
半端ないですね。
後で知ったことですが
下界では記録的な猛暑だったようです。
涼しく時間はいいペースで歩けても
暑くなれば歩くペースは落ちますね。
暑さのピークが過ぎた秋が
栂海新道を歩く
最適な時期かもしれません。
ただ、秋では昨日の高山植物の
お花畑が見れませんからね。
悩ましいところですね。
入道山に到着。
著名なピークはこれで終わりですが
この先に
まだ小さなピークが2つあります。
なかなか海に向かって
標高を下げてはくれません。
だいぶ海が迫ってきました。
高圧線の鉄塔の下を通ります。
お決まりのアングルで撮影。
全てのピークを踏破して
ここで山道は終了しました。
国道を横切ります。
自販機がありましたが
楽しみは後にとっておきます。
先ずは海に向かいます。
ここから遊歩道を下ります。
ザックをデポして
軽装で海に行きたいところですが
海に入ったあと着替えるので
ザックを背負って下ります。
旧トンネル。
吹き抜ける風が涼しくです。
時間はお昼過ぎ
さぁ、栂海新道感動のフィナーレです。
海が目の前です。
アルプスから続く山々を全て踏破して
北アルプスの最果て、
ここがゴールです。
付近には海水浴の男性の方が
1人居るだけです。
私はパン1になり
海に入ります。
海は綺麗で
エメラルドブルーです。
湘南あたりの海とは全然違いますね。
海水は少しぬるく感じました。
冷た過ぎず、海に入りやすくて
気持ち良かったですです。
全身海に浸かり、海に潜りました。
アルプスの高山からここまで踏破して
今は全身海面下にいます。
至福の時間でした。
ゆっくり海に浸かりたい気持ちもありましたが
私はまだ今日は終わりではありません。
親不知の駅まで歩いて
そこから電車を乗り継いで
栂池高原まで戻り
最悪、明日の朝までに自宅に戻らなくては
なりません。
山道は終わりましたが
まだハードな行程が残っています。
海から上がり
着替えて
また階段を登ります。
海外には石が積んでありました。
この階段の登り返しがキツいですね。
自販機で飲み物を購入しました。
炭酸が腹に沁みますね。
このホテルでは、事前に予約すると
温泉に入れて
駅まで送迎してくれるようですが
事前に調べたところ、
今日はホテルは定休日のようです。
ここまで来たら、駅まで歩きます。
国道は途中まで車道が無く
後ろから来るトラックに
注意を払います。
路肩が狭い箇所は
車が来ない隙に
小走りで通過します。
ここはドライブの休憩ポイントで
親不知の海が眺められます。
更に進むと道の駅がありました。
ここに立ち寄ります。
ここの食堂でランチにします。
道の駅だけに
販売しているビールはノンアルコールです。
煮魚の定食、旨し。
久しぶりのまともな食事ですね。
ここまで来たら、親不知の駅は近いです。
後から気付いたのですが
この先で、道路の右側を歩くのが正解でした。
左側を歩いていた私は
駅まで遠回りしてしまいました。
親不知駅に到着です。
駅は無人駅で、他の乗客の姿もありません。
今回の登山は
ここが終着地です。
ラッキーです。
まもなく15時16分発の電車が来ます。
ほぼ1時間に一本の本数です。
電車を一本逃したら
相当な時間のロスになります。
無人のホームです。
一両編成の電車が到着しました。
乗車する時に
整理券を取ります。
車内には料金の電光掲示板があり
下車する時に運賃を清算する仕組みです。
バスと同じシステムですね。
車内は乗客はまばらでした。
糸魚川駅に到着です。
ここで大糸線に乗り換えですが
大糸線の案内板を見ると
大糸線の南小谷行きは発車直後で
次の便まで約2時間あります。
どうしたものか…
どこかで時間をつぶすしかないか…
考えながら周囲を見回していると
大糸線増便バスのポスターを見つけました。
それによると
4時に白馬行きのバスがあります。
私が車を駐車した
栂池高原も経由します。
乗車券は券売機で購入するようにとあります。
券売機で購入するにしても
JRに栂池高原の駅は無いので
どうやって乗車券を買えばいいのか?
駅員さんに訊くと
こちらは、えちごトキめき鉄道の券売機なので
この先のJRの券売機で
白馬大池までの乗車券を購入するように
言われました。
なるほど、そう言う事ですね。
糸魚川駅は
第三セクターの
えちごトキめき鉄道と
JR線があるのですね。
更に新幹線も通っています。
JRのタッチパネルの券売機で
乗車券を購入しました。
切符は二枚出てきました。
大糸線は
糸魚川駅から南小谷駅はJR西日本、
南小谷駅から先はJR東日本になり
別会社なのですね。
駅の出口に
歴史を感じる汽車が展示されていました。
糸魚川駅の駅から出ると
目の前のロータリーに
バス停があります。
ここで待てばいいのですね。
あのバスに乗ります。
定時にバスに乗り込みます。
車内は空いていました。
バスは南小谷の駅を経由しました。
南小谷駅は特急あずさの終点で
どんな駅かと思ったら
小さなローカルな駅でした。
栂池高原に戻ってきました。
ここを出発したのが4日前ですが
だいぶ久しぶりに来た感じがします。
しばらく歩くと
私が駐車した第二駐車場に到着です。
車に乗り込むとホッとしますね。
これから家路につきますが
その前に温泉に入って
サッパリしてから帰りたいですね。
八方の辺りに幾つか温泉があったな。
そう思いながら走っていると
岩岳に日帰り温泉を発見しました。
営業中とあります。
ここに立ち寄りました。
700円。
貴重品のロッカーが100円でした。
内湯、サウナ、水風呂の温泉でした。
4日ぶりのお風呂なので
何度も身体を洗います。
サッパリして、生き返った感じです。
帰りに途中の店で腹ごしらえして
お土産も購入しました。
白馬村から自宅は遠かったです。
平日の夜なので道は空いていました。
順調に運転して自宅に到着しましたが
自宅に到着した時は
深夜になっていました。
もう何もする気も起きず
そのまま朝まで布団に倒れました。
荷物の片付けは明日行います。
今回購入した山バッジ。
一升瓶の日本酒も購入しました。
私の地元では見かけない酒を見つけると
欲しくなりますね。
今回は長年計画をあたためていた
栂海新道を踏破しました。
北アルプスの果てまで歩いた
達成感は半端ないですね。
もし、もう一度栂海新道を歩きたいか?
と訊かれたら
もう結構です笑
十分満喫しました。
そう言いますね。
そんな山行でした。
今回歩いたコース。